こんにちは!39歳の引っ越しと共に生まれて初めての生ピアノを購入した花緒です。それまではずっと電子ピアノのみで練習してきました。それでもなんとか演奏のお仕事に出られるまで頑張りましたよ。今日はピアノを買いたいけど悩んでいるという人に、ピアノを買うタイミングや買う前に気を付けておいた方がいい点、電子ピアノと生ピアノどちらがいいのかという事について、お話していきたいと思います。
今日の質問:いつピアノを買えばいいか迷っています。買うなら電子ピアノではなくアップライトピアノがいいですか?

初めてのお子さんでピアノを習い始めると、半分近くの方からピアノをいつ買ったらいいのか?電子ピアノじゃダメですか?と質問されていました。
結論からいいますと、電子ピアノでもアップライトピアノでもグランドピアノでもキーボードでも何でも良いです。さすがに鍵盤楽器が何もないよりはあった方がいいでしょう。

ほとんどの先生は、「できればアップライトピアノのような生ピアノを買った方がいい」と言うと思いますが、高い買い物ですし、お家の事情もありますので、鍵盤楽器であれば練習はできますよ。
ピアノを習い始めたらピアノを買わなきゃダメ?ピアノを買うタイミングと買う場所とは?

ピアノを習うんだから、ピアノがなきゃダメでしょ。と思いがちですが、絶対にピアノがなきゃダメかというとそんな事はありません。
ピアノを買うタイミングに決まりはない
大半の方が趣味でピアノを習うと思うので、習い始めたばかりでいつ辞めるかわからない状態でアップライトピアノを買うのはかなりリスキーだと思います。
最初は家にあるものであれば、おもちゃのキーボードでも何でも良く、続けていけそうだと判断した時点で、電子ピアノにするかアップライトピアノ(グランドピアノ)にするかを検討すれば良いと思うのです。
ちなみに私は小2からピアノを習い始めて、1年近くはオルガンでした。その後、引っ越しを機にアップライト型の電子ピアノに変えました。我が家は転勤族だったので、アップライトピアノの購入は費用がかかり過ぎるので買えなかったのです。
その後、働くようになって家を出たため、自分の用の電子ピアノを購入。趣味だったし、当時はそこまで本格的にピアノをやっていくつもりはなく、気分転換用として買いました。
ピアノの購入を迷っているなら電子ピアノがおすすめ!
最近の電子ピアノは、タッチの強弱で音も変わりますし、ステキなリバーブもかかってホールで弾いているかのような響きで練習する事もできます。生ピアノと比べると、タッチの違いはありますが、鍵盤を弾くという意味では電子ピアノでも十分に練習できます。
生ピアノに比べたら、電子ピアノは圧倒的に安く購入できますし、引っ越しの時も気軽に移動する事が可能です。キーボードに近い電子ピアノですと、好きな場所に持ち運ぶ事もできるので、好きな時に好きな場所でいつでもピアノを練習する事ができるというメリットがあります。
KORGの電子ピアノ
生ピアノと電子ピアノの違いを知っておく
長年電子ピアノで練習してきて、これだけは電子ピアノでは生ピアノの感覚を再現できないと感じていたことは、2つあります。
- ペダルを踏む感触と音の違い
- 鍵盤を打鍵してハンマーを叩くというピアノ本来の構造をタッチで再現すること
この2つは電子楽器である以上、再現する事は不可能でしょう。特に電子ピアノのペダルは、半分しか踏まないサスティンの加減というアナログ的な音はありません。
ペダルを踏めばサスティンがかかり、離せば切れる。以上。
しかし、この2つの事は、本格的にピアノをやっていこうという人以外には全く無縁の事でもあります。ただしタッチの重さについては、レッスンで使っている生ピアノや発表会で弾くグランドピアノとは違いますので、意識して鍵盤を叩かないと音が出ないといった事も出てきます。
生ピアノと電子ピアノの違いを知っておいた上で、今の生活スタイルに合ったピアノを選んだ方がいいと思います。
キーボードという選択肢もある
かなりの確率で選択肢から外されてしまうキーボードですが、お家の事情により、部屋が狭かったり床が薄かったり、マンションなどで音や振動が気になる場合は、キーボードを買うという選択肢もあります。
88鍵のキーボードもありますし、オプションになるとは思いますがスタンドもヘッドホンもペダルも譜面台もあります。机やテーブルの上でも練習できますし、片づけは端に立てておくだけなので場所も取りません。
中古で売っているキーボードであれば、安いと5,000円以内で買えてしまうという(ちゃんと弾けて音もちゃんと出るもの)お得感。兄弟の人数が多くても、金額も場所も気にしなくて済みますよね。
生ピアノや電子ピアノと比べると、鍵盤がかなり軽いので、自分で意識をしたりコントロールしたりと少し技術が必要になるかもしれませんが、豊富な音の種類や録音機能、テンポやリズムを再生してくれたり、パソコンに入力する事も編集する事もできてしまいます。
バンドをやる人以外でも、キーボードのメリットデメリットがわかっていれば、選択肢の1つとして考えてもいいと思います。
YAMAHA 電子ピアノ

私も予備でキーボード1つ持ってましたよ。バックでリズムを流しながら弾いたピアノを録音できるのはありがたかったし、とっても楽しかったな。
ピアノ以外の音色で弾くと、クラシックもまた面白く変わるしね。
楽器屋?電気屋?ピアノを買う場所はどこがいいの?
楽器屋でも電気屋でもOK。決まりはありません。
さっきから何でもOK的な話ばかりですが、要は何を求めるか、なんですね。
例えば、楽器屋の方が、ピアノの種類は豊富でしょうし、消音機能をつけるとか、何かオプションを付けたい場合など、楽器屋なら対応してもらえると思いますが、電気屋の場合は楽器店じゃないのでちょっと・・・と言われるかもしれませんよね。
それに、電気屋さんでは、生ピアノは買えないと思いますので、ピアノに何を求めているか、をはっきりさせることが一番いいと思います。
生ピアノを買うなら楽器屋に行って、いろいろ試奏してみる方がいいと思いますし、電子ピアノとかキーボードなら電気屋にも売っているでしょうし、安く買いたいなら電気屋の方が安いでしょうし、音が鳴ればいいというなら中古屋でも在庫があれば買えますね。
ピアノに何を求めているか、を今一度考えてみましょう。
ピアノを買う前の注意点1~確認するべき4つの環境~

では、ピアノを実際に買いましょう。となった場合、買う前に気を付けておいた方がいい注意点をお話していきますね。
ピアノを置く場所を確認しよう
何はともあれ、まずピアノを置く場所を確保しましょう。置く場所はもう決めていますか?1階ですか?2階ですか?
部屋の隅ですか?真ん中ですか?
ま、大体は部屋の壁に沿って置くと思いますが、ピアノは一度置いたら自分達では動かす事ができませんので、家族の生活動線の邪魔にならないよう、十分に検討した方がいいでしょう。
インシュレータは必要?床の強度を考えてみよう
1階に置く場合は強度は大丈夫だと思いますが、戸建ての2階以上やマンション、アパートなど、床の強度を考えた方がいい場合があります。
賃貸の場合は、楽器可の物件でなければピアノを置く事はできませんし、グランドピアノなどの大きく重たいものを置く場合は、大家さんに確認してみてもいいと思いますよ。
ピアノ用インシュレーター
防音が必要かどうかを確認しよう
ピアノの音については、音を出せないのにピアノを買おうという人はいないと思いますので、今回はスルーしますね。
ピアノを弾くと、弾いている本人は全く気付かないのですが、振動が結構激しいです。特に電子ピアノやキーボードの場合、本人がヘッドホンを付けてノリノリで弾いていると、鍵盤とペダルのカタカタ音がとてもうるさく感じるらしいのです(家族談)。
そうなると気を付けなければいけないのが、マンションなどの階下への騒音です。戸建ての場合は家族なので気にしなくてもいいのかもしれませんが、例えば夜練習したい、マンションだけどピアノを弾きたいと言った場合、防音マットや防振マットなどをピアノの下に敷くだけでも結構違います。
私は電子ピアノの下にコルクマット、新聞紙、段ボール、防振マットと4段階にしていました。5階に住んでいましたが、階下の人からの苦情はなく、家族内から鍵盤のカタカタ音がうるさいと言われていました。
防音室の購入は値段的に無理でしたし、壁に加工する費用もなかったので、できるだけ家族が寝る前までに練習するようにして、夜中に練習する時は静かに音数を減らして練習をするようにしていました。
ピアノ用 床補強ボード
ピアノの置き場所を確保&エレベーター・ドアなどピアノを搬入できるかどうか確認しよう
ピアノの置き場所については事前にきちんと確認する人は多いのですが、意外と搬入の事を考えていない人は多いと思います。
何を確認しておいた方がいいかというと、最低次の8つは確認しておきましょう。
- トラックを停める場所
- 門や玄関のドアの幅や高さ
- ピアノを置く部屋までの通路
- ピアノを置く部屋のドアの幅や高さ
- ピアノがドアを通過できない場合、クレーンで搬入できるかどうか
- クレーンで搬入する際のピアノの入れ口(居間のドアの幅と高さなど)
- 階段の幅(ピアノを持ったまま上り下りできそうか)
- 室内でペットを飼っている場合は危ないので別室に移動しておく
都会の住宅は道路幅も狭いですし、基本的に人が通れればいいようにできています。ピアノは重く大きいものですので、ピアノの搬入経路はきちんと確保できた方が安全です。一歩間違えたら大ケガにつながってしまいますからね。
搬入時に運送屋のお兄さん達が搬入経路を確認して、一番安全な道からピアノを運んでくれるのですが、まさかの入らなかった、という事態も0%ではないでしょう。
そんな悲劇がおきないように、搬入経路は確認してからピアノの購入を検討しましょう。
ピアノを買う前の注意点2~アップライトやグランドピアノ購入を希望している人向け~

ピアノの置き場所についての目途がたったら、次は具体的な話に入っていきます。まずはアップライトピアノ・グランドピアノなどの生ピアノを購入しようと考えている方へ向けての注意点です。
ピアノ購入できる予算
置き場所の次に重要な要素が予算ですね。ピアノは置けるけど、買うお金がなければ買えません。新品を買うのか、中古を買うのかによっても予算は変わってきますし、アップライトピアノとグランドピアノでは予算の開きがかなりありますよね。
一度、生ピアノを購入した場合、買い替えたり買い直したりする事はあまり考えられませんので、しっかりと検討した方がいいでしょう。
欲しいピアノと買える予算。納得のいく折り合いがつけられればいいですが、納得がいかない場合は購入は見送った方がいいでしょう。予算的に購入に失敗する事は許される金額ではありませんからね。
消音機能をつけるかどうか
アップライトピアノやグランドピアノでも消音機能を付けることができます。
私としては、生ピアノに消音機能をつけて、ヘッドホンでも練習できるというパターンが一番のおすすめです。
理由としては、明るいうちだけピアノの練習をできるとは限りません。仕事をしていたら帰りは遅くなってしまうし、家族に受験生や病人がいると、ピアノの練習をうるさがられてしまいます。
どんな時でもピアノの練習ができ、タッチやペダルの感覚も生ピアノを使えるというのは、ピアノ練習において一番いい環境だと言えるでしょう。
もちろん、オプションですので有料になりますが、できるのであれば消音機能がある生ピアノの購入をおすすめします。

もちろん私のアップライトピアノにも消音機能は付けていますよ。夜11時くらいにピアノをガンガン弾けるのは、最高のストレス発散です。
タッチと音色、音の響きを確認しよう
生ピアノを購入する理由は、タッチと音の響きにこだわりがあるからでしょう。
こだわりがない人は、電子楽器を選びますよね。やっぱり生楽器のいい所は、自分のタッチなどのアクションに対しての反応が素晴らしいからです。
タッチと音色や音の響きを確認するには、実際に購入するピアノを試奏してみなければわかりませんよね。ショールームやピアノの販売イベントなどでたくさん弾いてみて、お気に入りの一台を見つけましょう。
湿度とピアノの関係
ピアノは木でできていますので、乾燥にはとても弱いです。かといって湿度が高いところもあまりおすすめはできません。
調律やピアノの寿命に関係してくることではありますが、大体50%の湿度が望ましいようです。だからといってピアノのために湿度管理をするのは、おそらくピアニストになる人だけでしょうからあまり気にしなくてもいいのかもれませんが、知識としては知っておきましょう。
コンパクトな除湿機
盲点になりがちなピアノの調律について
ピアノを購入し、無事、家に搬入が済んだら、ピアノを調律してもらう必要があります。調律は自己負担ですのでお金がかかってしまいますが、ピアノは移動すると調律が狂うらしいので、調律師の方に調律をお願いしましょう。
その後も1年に1回は調律をした方がいいそうです。なんていっている私は、あまり頻繁に調律していませんが・・・
いずれにしても湿度と同じで、ピアノの寿命に関係する事ですので、ピアノの保守管理費用だと思って調律の事も念頭に置いておいてくださいね。
ピアノを買う前の注意点3~電子ピアノやキーボード購入を希望している人向け~

ピアノ購入できる予算
電子ピアノやキーボードの場合、予算にはかなりの差があります。1万円以内で買えてしまうキーボードに始まり、10万円以上するグランドピアノ型の電子ピアノもあります。
予算的にみてアップライトピアノが買えてしまうのでは?と思う電子ピアノもありますので、予算については始めからしっかりと決めておいた方がいいでしょう。
タッチと音色・音の響きを確認しよう
電子ピアノもキーボードも、鍵盤のタッチには雲泥の差があります。
こればかりは好みの問題ですので、自分でいろんなタイプを弾いてみて、好きなものを選ぶしかないでしょう。電子ピアノであれば、タッチによって音が変わるものも数多くありますし、音色もとてもいいものが多いです。
店員さんにピアノの特徴や使い方を詳しく聞いてみて、お気に入りの一台を探してみて下さいね。

ちなみに私はヤマハのRoland(ローランド)が大好きです。
私が使っていたタッチにこだわって選んだローランドの電子ピアノ
タッチのみにこだわって買ったローランドの電子ピアノ。生ピアノではないのですが、このピアノで演奏の仕事までたどりつきましたよ。
付属の機能を確認しよう~録音機能付きがおすすめ~
電子の魅力はやはり音の種類が豊富な事と、リズムは録音機能がある事ですよね。生ピアノの購入ではなく、電子を選ぶわけですから、最低でも録音機能が使えるといいと思いますよ。
練習の際に自分の演奏を客観的に聴けると、よりピアノの上達が期待できます。
ぜひ録音機能付きを購入して、試してみてください。
弾いた時の鍵盤の音に注意
電子ピアノやキーボードは鍵盤の音が結構カタカタなります。音を鳴らしている時はさほど気にならないのですが、ヘッドホンで練習すると、同居している家族はそのカタカタ音が気になるらしいです。しかも結構うるさいらしいです。
リズムによってカタカタ音は変わりますので、バッハのインベンションを練習していたりすると、鍵盤のカタカタ音でわかるらしいですよ。インベンションとかハノンは一定のリズムなので、間違えたりするとわかるようです。
そのくらい、同居人には負担がかかるという事を忘れないでピアノを練習するようにしましょう。
椅子や譜面台・サスティンペダルは別売りが多い
電子ピアノは大体椅子くらいはついていると思いますが、キーボードの場合は鍵盤以外のものは付属品として別で購入しなければいけない場合があります。
セットになっていれば大丈夫だと思いますが、スタンドを買うか買わないか、に始まり、椅子や譜面台なども一緒に買うか検討しましょう。忘れると弾きにくくて一気にやる気がなくなります。
今日の振り返り

ピアノの購入について、注意しておいた方がいい点をお話してきました。
- ピアノを買うタイミングに決まりはない
- ピアノの購入を迷っているなら電子ピアノがおすすめ!
- 生ピアノと電子ピアノの違いを知ること
- ピアノを置く場所を確認しよう
- 床の強度を考えてみよう
- 防音が必要かどうかを確認しよう
- ピアノを搬入できるかどうか確認しよう
- ピアノ購入できる予算
- タッチと音色、音の響きを確認しよう
- 湿度や調律
大体10項目くらいありましたね。今回の注意点を参考にしていただいて、ぜひお気に入りの一台を見つける事ができたらとてもうれしいです。
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