【サンプル有】HSCの特性を学校の先生に伝える方法と実際の書面を全公開!

HSC

HSCはまだまだ知られていない言葉ですので、子供がHSCの場合、学校の先生にどのように伝えればいいのか悩みませんか?

発達障害の長男の特性を学校の先生に伝えてきた経験から、次男のHSCの特性(気質)を学校の先生に伝える方法を、実際に使っている書面を公開してご紹介します。

お子さんの特性を先生に伝える際の参考になればうれしいです!

子供のHSCの特性は担任(学校)に伝えた方がいいのだろうか?

リュックを背負った女の子

私は伝えた方がいいと思います。特に配慮が必要であれば、なおのこと伝えた方がいいでしょう。その方が先生も指導しやすいと思います。

そうは言っても、先生にどうやって伝えたらいいのかわからない。話してみたがわかってくれなかった。話しているうちに何をしゃべっていいのかわからなくなった。

という経験、ありませんか?私は何度も自分が何を話しているのかわからなくなったことがありました。

それでも何回も伝えているうちに、伝えた方がいいポイント、伝わりやすいと思った表現ができてきました。

学校や担任の先生、子供と接する人に配慮を求めたいが何を伝えたらいいのかわからない、どうやって伝えたらいいのかわからない、という方は私の方法とサンプルでよければ、ぜひ参考にしてください。

子供の特性(今回はHSC)を学校や担任に伝える方法

書類を書く人

HSCの配慮を求める前にできる4つのこと

学校に求める前に、親子でできることがあります。

  1. 子供の困りごとをはっきりさせておく
  2. 家で配慮していることをはっきりさせておく
  3. 子供の意志を確認しておく(学校・担任に求めること)
  4. 親の意志を確認しておく(学校・担任に求めること)

最低でも、この4つの項目に関しては、明確にできる部分は明確にしておきましょう。

わかりやすい書類を作成する

面談や電話などで、担任の先生に口頭で伝えても構いませんが、できれば先生が後から見直せる書類があった方がいいかなと思います。

  1. こちらが先生に配慮を求めましたよという証拠にするため
  2. 先生側に資料として使ってもらうため

この2つの理由で、私は書面を残した方がいい場合(クラス替えで先生が替わったとき)のみ、書類を作成しています。

後ほど紹介しますが、私が次男の配慮を求めるべく実際に作成した書類は、新学期早々の面談(自分で希望して申し込んだ)で渡しました。

書類は書面であれば何でもいいと思います。私はパワポを使いましたが、別に手書きでいいと思います。

先生や学校にアポを取り→書面を渡し→先生に伝える

書類の作成まで完成したら、説明やお願いを兼ねて、面談のアポを取りましょう。さすがに連絡帳にはさんで書面を渡すのは失礼かと思いますので。

その時に、できるのであれば、第三者の先生に同席してもらいましょう。(無理なら不要)

  • スクールカウンセラー(学校のカウンセラー)
  • ピアティーチャー(支援が必要な子供を助けてくれる先生)
  • 特別支援学級の先生(通級・特別支援学級の先生)
  • 特別支援コーディネーター(発達や学校生活に不安がある場合の相談先)
  • 学年主任
  • 保健の先生
  • 副校長先生または校長先生
  • その他の先生

「そんな大げさな・・・」と思うかもしれませんが、親として学校に配慮を求めましたという証人と、勘違いや理解不足、思い込みや勝手な解釈を避けるためです。

先生も忙しいですし、親も仕事をしている人が多い中での面談なので、できれば1回で済ませたい。そして、先に進みたいからです。

大切なことは、親と先生達が面談をして、子供のことをあーだこーだと話し合うことじゃないと思うんです。

【全公開】私が担任の先生に提出したHSCの特性を伝える書類

チェックシート

それでは私が実際に担任の先生に提出した、HSC次男用の書類です。

本当は、印刷すればすぐに使えるようなものを作ろうか迷ったんだけど、配慮してほしいことは多様にあるだろうなと思ってやめました。結局追加する項目があるなら、最初から子供オリジナル版を作った方が早い。

それに、1つ正式版を作っておくと以下のような場合に、意外と使えるんです。

  • 担任の先生が替わる
  • 転校・進学で学校が変わる
  • 習い事で配慮を求める
  • 親以外の人に子守を頼む(シッターさんとか)
  • 放課後デイサービスへの資料

あくまでも参照していただいて、子供用のオリジナルを作ってみてくださいね。

もちろん、使える項目や構成・表現は使ってください。便利なツールを作れなくてごめんなさいね。

いつか便利なツールを作れるくらい、レベルアップして、便利なサイトにしていきたいです。

使用上の注意

  • あくまでも花緒本人が学校へ渡す資料として作成した個人のものであり、専門的な書類ではないことを理解してください
  • 使える項目は使ってもらって構いませんが、誹謗中傷はやめてください
  • 自分の子供用に作りなおしてください
  • かなり長いので、必要ない方は飛ばして読んでください
  • 参考にされる方は、必要な箇所だけを見てください

【花緒作】学校の先生へ提出する子供の配慮を求める書類

※元原稿なのでとても長いです。先生に合わせて内容を修正・削除などの調整をして提出しています。

※○○には子供の名前が入ります。

○○の特性(配慮をお願いします)

~○○はこんな子です~
◎HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)という生まれ持った気質があります。
人口の15%~20%がHSC(大人になるとHSP)と言われているので、5人に1人はHSCの気質を持っていると言われています。
◎発達障害ではありません。
◎いち早く、環境の変化に気づき、危険を種族に伝え、守る役目をしてきた人たちと言われています。

1.場の空気・人の気持ちをいち早く察します。
2.行動を起こす時は、先の未来を読みすぎて悪い予測が起きると思って行動できません。
3.完璧主義なので、1回でできないと自己嫌悪に陥り思考停止になります。
4.周りの空気、周りの雰囲気に感化されやすいです。
5.人からの注意、指摘をされると、自分を完全否定されたかのような気持ちになります。
6.痛みに異常に敏感です(転んだだけで体に穴が開いたような感覚に陥る)
7.災害、犯罪を異常なまでに怖がり、生活に支障が出ます。
8.はっきりとした根拠はまだないのですが、指示を理解できない場合があります。

お願いしたい配慮

~先生の理解と配慮がないと学校生活を送れません~
感覚があまりにも敏感すぎるので、学校で生活しているだけで人一倍のストレスを感じます。

①出来ることを求めないでください
正直、何でも出来ます。全神経をフルで使ってしまうので、出来るという結果になりますが、その分、精神的な消耗が激しいです。1時間教室にいたら、1時間は別室で休まないといけないくらい、メンタルがやられます。ですので、何でもできますが、「半分しか出来ない」くらいに見積もっていただけるとちょうどいいと思います。

②防犯、防災関連の話をするときは、オーバーな表現にならないようにしてください
想像力があまりにも豊か過ぎるので、話を聞いただけで現実に起こっているかのように感じてしまう場合があります。2年の時は防犯教室の後、半年くらい1人で外に出られなくなりました。今年の防犯教室はお休みしますが、普段からオーバーな表現にならないようにしていただけると助かります。

③肩こり、首こりがひどいです
幼稚園の頃から、肩こりと首こりのひどさに悩まされています。敏感すぎるので必要以上に体に力が入ってしまうようです。整形外科にも行きましたが医療的に問題はなく、精密検査もしましたが、問題はありませんでした。そのまま児童精神科へ移され現在通っています。

お願いしたい支援7項目 その①

~先生の理解と配慮がないと学校生活を送れません~
感覚があまりにも敏感すぎるので、学校で生活しているだけで人一倍のストレスを感じます。

①月1日、お休みを取らせていただきます
気質上、連日学校へ行っているとメンタルに負担がかかり過ぎて学校へ行けなくなってしまいます。不登校予防のためにも月1日お休みをいただき、リフレッシュすることで、なんとか登校出来ています。

②みんなと同じやり方で宿題をやれない場合があります
ノートに書く大きさ、使うノートの種類、プリントの宿題など、同じ内容の宿題を○○のわかる方法に変更させていただくことがあります。
・プリントの漢字練習の枠を、家で一回り大きく入力し直し、提出。
・ノートのマスの大きさ、書き方を○○の書きやすいものに変更して提出。

③幼稚園の頃から、ノートの枠が見えなくなってどこに書くのかわからなくなるとか、鍵盤ハーモニカの鍵盤が浮くとか、何をすればいいのかわからなくなるなど、○○からは考えられない言動がたまに出てきます。眼科の検査に行ったり、内科で検査をしたりしましたが、医療的に問題はありません。学習障害のテストを受けるかどうかは、教育センターの担当者と検討中です。

お願いしたい支援7項目 その②

~先生の理解と配慮がないと学校生活を送れません~
感覚があまりにも敏感すぎるので、学校で生活しているだけで人一倍のストレスを感じます。

④指示がわかっているか、個別で確認をお願いします。
頻度は少ないのですが、指示理解がうまくいかない場合があります。○○先生、習い事の先生も同じことを言っていました。
はっきりとした実例と根拠がないので、一概には言えませんが、作業の方法に関する指示を理解できないことが多いと思います。
(口頭での説明と共に見本や図があるとわかりやすいです)

⑤1週間の予定と特別な持ち物を、クラス便りでお知らせください
運動会や行事、縦割りなどで時間割通りではないことが多いと思います。連絡帳の書き忘れや、書いたと思っていても書き間違いや書き忘れは生じます。親がフォローできるように、週の時間割と特別な持ち物(給食ナプキン・ハンカチ・ティッシュ・連絡帳・下敷き・筆箱・自由帳以外)はクラス便りでお知らせいただけるようお願いします。

⑥宿題のやり方のルールをクラス便りでお知らせください
漢字ドリル、計算ドリル、自主学習の書き方、どこまで丸付けするのかなど、宿題のやり方のルールを親にもお知らせください。
やり方がわからない、迷ってしまうという事がないよう、書き方を忘れてもノートやプリントを見れば何をしたらいいのかがわかるように、プリントにも(宿題原紙)明記してください。

⑦ダメという表現を使わずに、こうすればいいよという表現にしてください。
ダメと言われてしまうと自分を全否定されたような気持ちになります。

自分の理解力が足りなかった→自分には先生の言葉が理解出来なかった→理解できない自分は最悪だ→こんな自分はもう学校にはいられない→もう学校には行けない

一瞬のうちに、どこまでも自分を否定してしまう思考回路なので、こうすれば良かった行動や言動を提示してください。(発達障害の対応と同じです)

○○の性格

①好奇心旺盛で、何でもやってみたいし、何でも食べてみたい。人がやっているものは自分もやってみたくて、人が持っているものは自分も欲しい。

②行動も気持ちも人に流されやすいので、クラスで誰かが先生に怒られていると、自分も怒られているような気持ちになりいたたまれなくなります。

③かなり勝気なので、勝負事では絶対に負けなくない執念がすごいです。いいことではありますが、負けると機嫌が悪くなるらしいです。(元先生談)

④人生について深く考えています。なぜ人は生きているのか、自分は生きているのか、死ぬとどうなるのか、川があふれたら自分達は死んでしまうのか。なんのために人は生きるのか。

哲学的なことを真剣に考え、いつ起きるかわからない災害に備え、準備と勉強に余念がありません。そのため、急な防災訓練があると、訓練なのか本当なのかを判断出来ず、びっくりしてストレスが多分にかかってしまいます。(次の日、休む事もある)

脳の気質的に、恐怖や不安が強いので、人が死ぬ話をするかもしれませんが、不安からきている話なので本当に死にたいわけではありません。「そう思うんだね」とサラッと流してください。

⑤細かい状況を聞いても、答えないことがあります。状況などがわからないのではなく、自分が言う内容で先生にどう思われるかが不安になり過ぎて、怖くて答えられないため、貝のように口を閉じます。先生は何があっても○○を見捨てない、何があっても味方だとわかると喋ります。怒ったら二度と喋りません。

⑥人にどう思われているかが不安なので、本来の自分の姿を発揮できず、大人ぶっています。やる気がないように見えて、実は内心ノリノリでめちゃくちゃ楽しい事も多々あります。プレッシャーをかけてしまうと、本来の力は全く発揮しません。(足が速いと言われることは、うれしい反面、学校で一番イヤなことだそうです)

習い事:将棋(木曜日)
特技:運動全般。歌がうまい。独特の世界観を持つ絵を描く。手先が器用。

○○が気を付けていること

①人には手を出さない。
②頭にきたら、1度その場を離れる。
③やり方と量は違っていても、宿題をやる。
④防災関連の話は、話半分に聞いておく。
⑤学校と先生は子どもの味方。わからないことも不安なことも、まずは何でも先生に話してみる。

家で配慮していること・支援していること

①感情のコントロール方法(アンガーマネジメント、SSTワークシート)
②学校、授業のフォロー
③1人の空間を確保(1畳部屋を設置)
④必要な時の学校への送迎
⑤毎日10分の瞑想
⑥好きなことをやれる環境を整える(お手伝いやペットの世話はお休み中)

初めて読むならこの3冊!漫画でわかるHSCおすすめの本
こんにちは!知識を得るなら漫画が一番わかりやすいと思う花緒です。始めは「HSCとは敏感な子のこと」と言われても、いまいちピンとこなかったのですが、漫画を読んだらあっという間に理解できました。お子さんの育児で「育てにくい子だな」と感じているの...

添付する参考資料

あまり知られていないHSCなので、少しでもイメージがつくように参考資料も一緒に渡してみましょう。子供の配慮に必要そうな本やページを使ってみてくださいね。

【方法】

  1. 参考にしてもらいたいページに付箋を貼って本を渡す
  2. 参考にしてもらいたいページを見せ、口頭で説明
  3. 参考までに本のタイトルを伝える

【注意点】

  • 資料ページは多くても5つ分くらい。(優先順位を付箋の色で分けてもいいかも)
  • 先生の都合を考え、押し付けにならない・失礼にならないようにする
  • 先生の理解度には差があることを覚悟しておく

こちらは子供の配慮を求めたいがために必死になって先生にお願いしてしまいますが、先生も30人近くの子供を1度に見ているわけですし、参考程度でお伝えするという気持ちでお願いしましょう。

「うちの子HSCなんだから、ちゃんと気を付けて見てって伝えたよね」的な、圧力的な態度にならないためにも、1回で先生がわかるようにこちらも努力しましょう。

当然ながら、先生の意見や考え方、思いなども聞き入れ、受け入れましょう。1回で覚えられるのは3つくらいですね。

だから3つ配慮してもらえたらOK、くらいの気持ちで、徐々にコミュニケーションを取りながら試行錯誤してみましょう。

先生にも信念がある先生やない先生、家庭の都合や仕事のやり方などあると思います。理解度も受け入れ度も先生によって全く違います。

受け入れてくれないから→×、理解してくれないから→×ではなく、学校と家庭で協力して同じ方向に進めるようにできるといいですね。そんな風になることが私が学校に配慮を求める目的です。

●うちの子はひといちばい敏感な子

一つずつの困りごとがほんわか4コマ漫画で表現されていて、びっくりする程わかりやすいです。思わず自分のことだと勘違いしてしまうほど。次男も自分のことのようだと喜んでいました。

なので、子供の困りごとをたった4コマ漫画で先生に伝えられます。伝えたいページに付箋を貼っておいて、話題の補足に使うとわかりやすいですよ。

●HSCの子育てハッピーアドバイス

後ろの方に「学校の先生のために」というページがあるので、付箋やしおりを挟んで先生に読んでもらいましょう。

ページ数にして23ページ。私が読んで7分くらい。少しゆっくり読んでみた。これくらいならお願いして読めないページ数ではありませんね。

その場で読んでもらうと面談の時間がなくなってしまうので、本を貸して先生の都合で読んでもらうのがベストかな思います。

●教えて、明橋先生!何かほかの子と違う?HSCの育て方Q&A

HSCの子供に関わる大人側からの質問に対して、明橋先生の回答が載っている本です。これは本当に参考までにという感じなのですが、こんなとき、どう対応すればいいですか?と聞かれたときに使えます。

難点は、本にある質問と同じ類の質問がくるとは限らないということ。そんなときは先生と一緒に方向性を考えていけばいいと思いますよ。

振り返り:HSCの特性を伝えて親としてできることをやればよいと思う

学校や担任の先生に子供の特性の伝え方についてお話ししました。

発達障害でもHSCでも、特性を伝えること、配慮を求めることに関しては賛否両論あると思います。私は自分が知っていることは伝えていこうという考えですが、言わない方がいいと思う方もいると思います。

そして先生も人間ですので、全てを受け入れてくれるわけではないので、うまく伝わらないからといって落ち込んだり、先生を非難しないようにしましょう。

大切なことは、

  1. 自分がどうしたいのか(特性を伝えて配慮を求めたいのか)
  2. 達成するために自分にできることは何なのか

この2つだと思います。主語は自分なので、相手の思いや気持ち・対応まで踏み込むことはできませんよね。

自分ができることをやる→子供の環境を良くすることにつながる

こうなったらうれしいよね。ということです。絶対に環境を良くしなければいけないわけでもないし、配慮がないならないなりに生きていくしかない。

こうじゃなければいけない、こういうものだという固定観念に縛られず、今日も自分にできることを少しだけ意識してみませんか?

https://kaonoheya.com/%e8%87%aa%e5%88%86%e3%81%ae%e5%91%a8%e3%82%8a%e3%81%ab%e3%83%90%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%82%92%e4%bd%9c%e3%82%8c%ef%bc%81%e6%95%8f%e6%84%9f%e3%81%99%e3%81%8e%e3%82%8b%e5%bf%83%e3%81%a8%e8%ba%ab%e4%bd%93/

コメント