【小学校での読み聞かせ向け】高学年におすすめの絵本10冊

絵本

小学校で読み聞かせをやることになったけど、高学年って何を読んだらいいの?

そもそも高学年向けの絵本なんてあるの?という方へ向けておすすめの絵本をご紹介します。

高学年の読み聞かせは、読む本を選べなくて読み聞かせのボランティアが少ないのが現実。読み聞かせに対しての発想を変えてみると、実は、読める本はたくさんあるのです。

自信を持って読んでもOK!小学5・6年生向け読み聞かせの絵本10冊

たくさんの本

高学年にもなれば、ある程度難しいかなーと思う絵本を選んでも大丈夫です。

読み聞かせは、絵本との出会いを作ることだと思っているので、子供と絵本をつなぐきっかけになれば良いと思うのです。

それなりに難しい絵本や長い絵本を読む場合、時間内に読み終われるかどうかの練習は必要になります。スマホのストップウォッチなどで実際と同じ場面通りにシュミレーションしてみましょう。

高学年は、多少早口になったとしても、ちゃんと聞き取れています。ADHDなど頭の回転が速い子供などは、逆に多少早口で読んだ方が黙って聞いていますよ。

アリになった数学者/森田真生

とても長い絵本です。絵本なのに20分くらいかかります。でも1度読んだら忘れられない。私はそんな印象を受けました。そして、高学年じゃないと理解できない絵本でもあると思います。

また、絵本なのに学者さんの考えがずっと文章になっている。9割学者さんが頭の中で考えていることが絵本になっているという、ちょっと変わったタイプの絵本だと思います。

内容的にもインパクトがあり、高学年だからこそ興味深い内容でもありますが、長いおはなしなので時間に合わせて私は多少削って読みました。担任の先生にも高評価でした。

すみれ島/今西祐行

戦争のおはなしです。「特攻花」がモチーフになっています。読み聞かせで戦争のはなしと言えば、いわたくんちのおばあちゃんも定番な気がしますが、私はまず「すみれ島」をおすすめしています。

長男の時は5年生で読み、次男の時は2年生でよみましたが、どちらの学年で読んでも子供達の表情はとても真剣でした。

低学年で読んだ時は、絵本を読んだ後に「特攻隊」や「戦争」についてとても簡単な説明をしましたが、意味がわからない、ということはありませんでした。

「どうして戦争をするんだろう?」「自分も死ぬってわかっているのに飛行機に乗れるのだろうか?」という子供達の素朴な疑問がずっと読み手の私の心に残っています。

私が高学年の読み聞かせですすめる本の筆頭にあげる絵本の1つです。

桃源郷ものがたり/松居直

「ユートピア」という言葉の発祥となったものがたりと言われています。絵がとてもきれいで、おはなし自体もわかりやすく、読み聞かせ向けではありますが、1つのおはなしとしてはちょっと長め。8分くらいです。

昭和の時代には、床の間の掛け軸で見た事がありましたが、現代ではなかなか見なくなりました。

戦争だったり、中国の歴史などが関係してくるので、やっぱり5・6年生向けでしょう。あとがきも抜粋して読むと、より理解が深まるとおもいます。

かえるの竹取ものがたり/俵 万智

日本最古のものがたり「かぐやひめ」古典バージョンを、わかりやすく「かえる」で表現しています。中学くらいになると「今は昔。竹取の翁と言うものありけり。」というくだりの勉強、やりますよね。

その前段階としてのきっかけづくりにいいかなと思って選んでいます。絵本として、かえるのかぐやひめが普通に面白いし、原作に基づいた文章表現になっています。

「かぐやひめ」と言ってしまえばそれまでだけど、「古文であり日本最古のものがたりです。いつか授業で習うと思います(習わないかもしれないけど)」という追加情報付きで読めば、印象に残ると思います。

ちなみにかえるの平家ものがたりもありますよ。

みえるとかみえないとか/ヨシタケシンスケ

小さい子供から大人まで、これだけ幅広い年齢層に支持される絵本作家はめずらしいのではないでしょうか?りんごかもしれないに始まり、数々の人気絵本がありますよね。

この絵本は視覚障害をテーマに書かれていますが、人それぞれの体の違いや感じ方の違いをわかりやすいおはなしにしていると思います。

ちなみに次男が2年生のときにも低学年で読みましたが、ヨシタケシンスケさんの絵本は年齢層関係なく読めるのでとても助かります。

さらに、ためになるおはなし、ゆうきがでるおはなしなど、いろんなテーマを満たしてくれる絵本でもあります。そして読んで失敗がない。

絵を見て始めて成り立つ絵本だと私は思っていますが、そこをあえて読み聞かせで選ぶという。読むところを適度に選ぶことで、時間調整にも大いに役立つオールマイティな絵本です。

ヨシタケシンスケ絵本一覧

チーズはどこへ消えた?/スペンサー・ジョンソン

数々の絵本から一気に洋書に飛びました。仕事をされている方はご存知の方も多いのではないでしょうか。

チーズはどこへ消えた?は3部構成になっていますが、その中の物語部分ですね。ここを短く削って読み聞かせしています。本自体は厚さはあまりありませんが、そこは単行本なので絵本のように5分10分で終わるはなしではないです。

でも、これから中学・高校と進路を進める中で、道に迷ったとき、何となく納得がいかないことに悶々としているとき、退屈になったときなど、いろんな岐路に出会うであろう子供達に覚えておいてほしいおはなしだと思います。

大人向けのはなしではありますが、核となっているおはなし自体は、子供でもわかる内容になっているので、頑張って短く削ってでも読んでみようと思う方はぜひチャレンジしてみてください。

1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし/デミ

王さまライオンのケーキ はんぶんの はんぶん ばいの ばいの おはなし

このおはなしの逆バージョン。倍々になっていくおはなしです。ケチな王様をスカッと爽快にやっつける、とても頭のいい知恵のあるおはなし。

王さまライオンは低学年向けのはなし。そして1つぶのおこめは高学年向けだと思います。

おはなしを聞きながら子供も一緒に考えるし、最後の方は数が大変なことになっていて、読み手も大変、子供も大変、というアタフタ加減もおもしろいところだと思います。

ねっこばあのおくりもの/藤真知子

そんなつもりはないのかもしれませんが、自然や環境について考えされられるおはなしです。でも、いかにも自然を大切に、環境を破壊しないでということを訴えているわけではなく、あくまでもおはなしなんです。

とても自然でありながら、ちょっと切ない感じと自然を考えられる高学年だからこそ、このおはなしの良さがわかるんじゃないかな、と思う絵本です。

3びきのかわいいオオカミ/ユージン・トリビザス

読み聞かせの読み手では、おそらく知らない人はいないかもしれないと思う王道の絵本。知らない人は今すぐ図書館へ行って読んでみましょう。

あれ??あれれ??どこかで聞いたことがあるはなしだな。これはあのおはなしなんじゃないのかな?と誰もが知っているあのおはなし、そう、三びきのこぶたの配役が入れ替わっているんです。

ページが進むごとに激しくなるできごとに、絵本の読み聞かせという枠を大きく超えて楽しめる絵本だと思っています。

ぜひ、役者になったつもりで、オーバーなリアクションで読んでみてくださいね。

ひとりぼっちの動物園/灰谷健次郎童話セレクション(2) だれも知らないより/灰谷健次郎

最後は、心にぐっとくる灰谷健次郎さんの童話の中から、「ひとりぼっちの動物園」というおはなしをおすすめします。

ろくべえまってろよという絵本でも有名な灰谷健次郎さんのおはなしは、どのおはなしも心に刺さるというか、つかまれるような感覚を覚える作品が多いと思います。

そんな中でも「ひとりぼっちの動物園」は、不登校の少年と動物園の飼育員のやり取りが描かれていて、そのやり取りの中から少年の未来が変わっていくというおはなしです。

童話集の中の1つのおはなしなので、多少の時間調整が必要になりますが、聞いている子供たちは結構真剣でした。おそらく、私の読み口調も強かったのかもしれません。

絵はないので朗読的な感じになります。直接的なメッセージなどは一切文章になっていないのに、心に残る作品なので、ぜひ読んでみてください。

振り返り|高学年だからこそ読み聞かせで理解できる絵本がたくさん!

小学生と言っても、やはり中学年と高学年では読み聞かせの理解度に差があることは確かでしょう。

ダイレクトに表現されていないオチや、ストーリーのひっかけ的なものにも気づく高学年。

ちょっとしたことかもしれませんが、読み手と聞き手から生まれる空気感の共有は、また読み聞かせに行ってみようかな、と思うモチベーションにもなりますね。

難しいかな、と思う絵本でも、意外とすんなりと理解してもらえることが多いので、先入観にとらわれずどんどん読んであげてください。

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