習い事をやめたい子供を説得したい親の本音と決断を迷う理由

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習い事をやめたい子供に親が決断を迷う理由

ピアノを弾く子供

お子さんは今、何種類の習い事をされていますか?現代では、かなりの子供たちが何かしらの習い事をしています。

1つだけではなく、何種類も習っている子もいますよね。

さて、子供のためにと月謝を捻出し続けてきた習い事をやめたいと言われた場合、すぐにいいよ、とは答えませんよね。

ほとんどの親は、なぜ子供が習い事をやめたいと言っているのか、理由をきくでしょう。そして理由をきいた後、どんな理由であっても結果としては続けてね、という方向へ持っていくことが多いのではないでしょうか。

ではなぜ、習い事をやめさせたくないのか、私達親はどんな感情を抱くのかを考えてみました。

今まで習ってきたことが無駄になると感じる不安があるから

習い事の効果というのは、目では見えにくいものです。

実際に習い事を続けてきた子供の脳への刺激や体験・経験・スキルの習得などは、親の目から見えるものは何かしらの結果だけ。

  • 入賞する
  • レギュラーメンバーに選ばれる
  • 先生から才能があると言われる

わかりやすい結果がなければ、習い事をさせている効果がないと感じてしまいがちです。

習い事へ払ってきたお金が無駄になると感じる

習い事に通わせている親は、これまでの月謝代、入会金や習い事に必要な楽器や服などの道具代、発表会などの費用、習い事にかかったお金の総額に対すて習い事の効果を比べ、やめてしまうと無駄になると感じてしまいます。

習い事でかかった費用の総額>習わせた効果

効果は目では見えにくい、まして数字で表すことが難しいたた、実際に支払った金額の方が認識しやすいのでしょう。

実際の効果はどうであれ、今、習い事をやめてしまうと、今まで支払った金額にたいしての効果を実感できなければ、無駄になってしまうと感じてしまうのかもしれませんね。

習い事へかけてきた時間が無駄になると感じる

習い始めの頃であれば、

  • まだ○回しか通っていないのに
  • 楽器や道具を買ったばかりなのに

という思いがあり、習い事をやめて欲しくないと思います。

そして習い事を続けていれば、

  • 実際のレッスン時間に加え往復の通った時間
  • 送り迎えをしてきた時間
  • 発表会や大会の時間などの総時間

が走馬灯のように蘇り、やめてしまうことでそのすべてが無駄になってしまう、と考えてしまう傾向にあるようです。

実際は、無駄ではないと思うのですが、習い事をやめる=時間が無駄になると不安に思ってしまう人もいるのでしょう。

長く続ければ続けるほどすべてが無駄になると感じる

習い事を続けた年数が長ければ長いほど、習い事をやめることに抵抗を感じてしまう親は少なくありません。

  • ここまで頑張ってきたのにという思い
  • もっと頑張ってほしいという願い
  • お金や時間の無駄だという思い
  • 習い事での数々の思い出

その全てがなくなってしまうように感じ、結局、習い事をやめるということは、これまで習い事にかけてきたすべてが無駄になる思ってしまうようです。

習い事をやめたい子供を説得したい親の本音

水泳をする子供

子供が習い事をやめるという決断を親が迷ってしまうのは、いろんな不安や思いがあるからでした。

子供がどんな理由で習い事をやめたいと言ったとしても、一旦はいろんな不安や思いが頭をよぎるため、ある程度迷ってしまう時間をすごすわけですね。

では次に、習い事をやめたいという子供を、やめないように説得したい親の本音には何が関係しているのでしょう?

これもある種の不安と同じものだとは思いますが、順に考えてみましょう。

習い事をやめると逃げ癖がつくことがこわい

習い事をやめるということ=嫌なことから逃げることだ

と感じていませんか?

習い事をやめてしまったら、また次に嫌なことがあった時、やめればいいと子供が学習してしまうのではないか?という不安からきているようです。

よく考えてみれば、習い事をやめることは、嫌なことから逃げることではないのですが、なんとなくそう感じてしまう方が多いことも確かです。

習い事をやめたい子供の本質はどこにあるのか、そこをうまく見つけることができないと、やめさせたくない口実として「逃げてはだめだから」と考えると思いますが、そもそも論点が違う気がします。

習い事をやめることは子供のわがままを聞くことになる気がしてこわい

習い事をやめたいというのは、子供のわがままなんじゃないか、という思いでいっぱいで、子供のわがままを聞いてしまう親になってしまうことがこわくて、悩んでしまう方がいます。

私は、習い事をやめたいという子供は、わがままで言っているのではないと思います。ピアノの生徒にも習い事をやめたいという子供はいましたが、決してわがままではありませんでした。

  • 本当はピアノに興味がない
  • 学校が終わった後、電車に乗って教室に通うのはキツイ
  • 放課後は友達と遊びたい

子供なりのちゃんとした理由がありました。これはわがままではありません。

もし、このような意見を子供のわがままとし、習い事にいくことが正しいとするならば、それは子供の意志ではなく、親の願いでしょう。

しっかりと子供と向き合って話を聞くことで、わがままではないことはわかると思いますので、時間を取ってあげてゆっくりと聞いてみるといいと思います。

習ったからにはある程度のスキルを身に付けてほしい

これは習い事をさせる親全員が望んでいることでしょう。習い始めるときに、どんなスキルを身に付けている子供を想像しましたか?

おそらく、それなりに出来るようになっている子供の姿を想像していたことでしょう。

しかし、習い事をやめたいと言い出している子供の現状は、親が理想に思っていた姿とはあまりにも違っている。

全然スキルが身に付いていないじゃないの、と親は不満に思ってしまうのですよね。

それこそ、習い事にかけたお金や時間が無駄になるとも感じますし、せっかくやらせたのに、何も身に付けないでやめるつもり?

と思ってしまう気持ちもわかります。

しかし習い事というものは、目に見える効果がないので非常にわかりにくいのです。

  • 新しく習い事を始める
  • 習い事を続ける
  • 数ある選択肢の中から「やめる」を選ぶ

これらのことはかなりの体験とかなりの神経を使っています。

スキル、という目に見える効果を期待したいとは思いますが、本当に親が望んでいると思われる「生きる力」が、実は習い事でも身に付くと思っています。

  • 親から離れ
  • 毎日過ごしている学校とも違う環境で
  • 自分を保ち他人と交流を持ち
  • 何かを成し遂げることを目的に時間を過ごす

これは、習い事にお金と時間をかけて「生きるスキル」を身に付けていると、私は思うのですがみなさまはいかがでしょう?

もしこの感覚が良くわからなかったら、実際に親も習い事に通ってみましょう。子供と同じ数だけの習い事をしてみて、同じように習い事の宿題をこなし、発表会などにも参加してみましょう。

習い事をすることで、

  • どんな効果を他人に見せれば人は効果があったと感じるのか
  • 結局、人を満足するために習い事をしているということになっていないのか

ということがわかると思います。

子供がやりたいと言ったから始めた習ったのにという不満

子供が習ってみたいと言ったから習い事を始めたのに、少し通ったらやっぱりやめたいと言い始める子供もいますよね。

子供が予想していたことと、実際に習ってみた結果が違っていたのかもしれませんし、実は全く興味がなかったのかもしれません。

やってみたら意外と難しく、とてもじゃないけどやれる気がしないのかもしれないし、周りの子供達があまりにすんなり出来てしまって、自分にはついていけないと感じているかもしれません。

子供が何かをやりたいということに、思慮の深さはありません。

  • パッとみて、なんとなく興味があればやってみたいと言う
  • よくわからなそうであれば、やりたくないと言う

その程度のものなんです。

ですので、子供がやりたいから習わせたのに、やめたいってどういうこと?と思ってしまう親の気持ちもわかりますが、そこは子供。

子供が今感じている気持ちと、現実の習い事の差、理想としていた習い事との差を埋めてあげるのは、親にしかできないバックアップです。

習い事に対する価値観が親と子供で違う

絵を描く子供

当たり前のことではありますが、20年以上、歳の差がある親と子では、価値観が違うものです。

親子であっても生まれ育つ環境は全くの別物ですからね。人間そのものも違いますし、親も違うし兄弟だって同じではありませんから。

その中で培われていく価値観はそもそも論で全く違ってくるものです。

ですので、習い事に対する価値観も親子で違うということになります。

まだ、何年かしかこの世で生活をしていない子供に、習い事をやることの意味や必要性などわかるはずがないのです。

子供時代は、目の前にあるものを一生懸命消化していくだけ。体験の数が経験になり、その経験の数が増えていくほどに価値観が出来上がってくるのです。

子供が親と同じ価値観で、習い事に向き合うことは難しいですし、むしろ親の思いを叶えるために習い事をしているわけではないということを、改めて考えてみましょう。

振り返り|子供が習い事をやめることは悪いことではない

椅子に座って話をする2人の女の子

子供が習い事をやめることは、誰が悪いということではないのですが、どうしても親や先生のせいでなのでは?と考えてしまう傾向があるような気がします。

習い事や先生と子供の相性もありますし、レベルアップのためにやめる決断をすることもあるでしょう。

子供が習い事をやめたいと言い出した時、親に求められることは、習い事を続けさせるために説得をすることではありません。

  • 子供が本当は何に困っていて
  • 何が嫌だと言っているのか
  • なぜやめたいのか
  • 子供の本音を聞くこと

です。そして、子供が目指したい目標や目的に向かっている方法を一緒に考えてあげましょう。

習い事をやめたい子供の本音を聞くことなく、親の思いを上書きして消してしまえば、いつかまた同じ思いでやめたいと言い出します。

習い事をやめたいという思いとは、いつか必ず向き合わなければいけない、習い事を続けていく上での親子の課題なのではないでしょうか。

それは子供が生きていく生き方であり、生きるためのスキルであり、生きる時間の過ごし方になると思っています。習い事をやることは、無駄なことは1つもないと言っても過言ではありません。

だから、親も自分のせいだと思わなくていいですし、子供や先生のせいだと責める必要もないのだと思います。この機会に、子供や習い事と向き合って、親子で考え、話をしてみましょう。

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