HSCと発達障害の違いとは?似ている特性と判断のポイントを考えてみた

HSC

ひどい癇癪やチックに悩まされていた次男の子育て。

発達障害とは違うし、なんでこんなに育てにくいのかと悩み、疲れていた矢先、ふとしたきっかけで次男はHSCだと判明しました。

発達障害である長男の子育てをしていたからこそ、HSCと発達障害の違いがなんとなくわかるのですが、似ている傾向があることも確か。

今回は、実際に発達障害とHSCの特性を持つ子育てを経験したことから、違いはこんなところだと思うんだよね、ということをお話しします。

HSCと発達障害の違いは場の空気や人の気持ちがわかるかどうか

発達障害は医師が診断しますが、HSCは医師が診断するものではありません。

明らかに、何歩引き下がっても、何かが違うぞ、育てにくいぞ、という子育てってあると思うんですよね。

●育てにくい=理想の子供像を望んでいるからではないか?

これは、私自身の考えではありますが、それとも違う場合、もう途方に暮れるしかなくなってしまう。もうどうすればいいのよ・・・みたいな。

HSCは場の空気や人の気持ちがわかるという点

発達障害の特性としては、

  • 場の空気が読めず
  • 人の気持ちがわかりにくい

ということが挙げられますが、HSCは真逆だと思うのです。

HSCのポイント

HSCは見えるもの・聞こえるものなどに対し、認識する情報量が圧倒的に多い。

  • 人の顔色やしぐさから生まれる場の空気感。
  • その空気から生まれるあらたな感情や言動行動。

人によって差はあると思いますが、場を全スキャンできるのでは?と思うくらい、勝手に情報が入ってくるのがHSC。

発達障害のポイント

対して発達障害の場合、

  • 自分の見えているもの
  • 聞こえているもの
  • 考えているもの
  • 思っているもの

これらのことを、自分の感覚と他人の感覚は同じだと認識しているように感じます。

もちろん個人差はあるでしょうし、科学的根拠があるわけではないのですが、長男の子育てや場の空気が読めないタイプの人と接していてよく思うんですよね。

大人の発達障害の人にありがちな、「そんなこともわからないのか」という感情。本当に口に出してしまうと冷ややかな空気が流れるのは、この違いを理解していないからだと私は分析しています。

人には人の感覚があり自分とは違うことを理解できるかどうか

それまで経験してきた情報をうまく組み合わせ、想像することで、私たちは他人の気持ちや場の空気を推測していますよね。

ASDなどの自閉傾向がある特性として「推測の部分がうまく働かない」というものがありますが、正直、健常者にとって推測が難しい意味はよくわからない。

先の見通しが立たない状況、という経験がほぼない健常者にはわかりにくい特性なのでしょう。

サリーとアンの問題

自閉傾向を知る一つの手段として、「サリーとアンの問題」というものがあります。

サリーとアン課題/出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この問題をやると、客観性があるかどうかの判断材料になるでしょう。

ただし、知識や経験上、クイズとして答えを出せてしまうことがありますので、参考程度に考えてみてくださいね。

推測がうまくいかない発達障害の特性は今のコロナ禍の状況と似ているのではないか

私たちは、過去の体験や経験の記憶から、類似しているものを推測し、その先に起こりそうなことも推測できますが、あくまで体験や経験、または知識があるもののみですよね。

今のコロナ禍のように、過去の教訓がないと、これからのことを推測できない。不安を感じて、メンタルに影響が出て、行動が止まってしまう人もいるでしょう。

この状況がいつまで続くのかわからない、外出することでどうなってしまうのかわからない。

発達障害の「推測が難しい」特性は、これに似た感覚ではないかと思うのです。

  • 目で見た顔から読み取れること
  • 人の行動から予測できること
  • 自然環境や時間帯から考えられる過去に起きたこと

この組み合わせて予測することが難しい神経回路を持っていることで、人の気持ちや感情が分からない。

分からないと不安になるから、昨日安全だった道を頑なに通りたがり、急な予定変更を嫌うのではないかと。

だから対処法として見通しを立てるため、事前に行く場所の写真を見せるとか、終了時刻を予告しておくことが必要になるわけです。

HSCと発達障害は真逆の特性がある

人の気持ちや空気を読み取れるか、ということでHSCと発達障害の違いを考えてみると、真逆の特性になることがわかると思います。

  • 人の感情も場の空気もその他の情報も、意識しなくても全スキャンされてしまうHSC。
  • 過去の情報から推測する神経回路がうまく働かず、自分の見方や考え方と同じだと認識しているがために人の気持ちや空気を読み取ることは特性として難しい発達障害。

見た目ではわからない人の特性ではありますが、発言や行動には明らかに違いが出るので、このあたりをポイントにして、HSCなのか発達障害なのかを判断するようにしています。

HSCと発達障害の違いがわかりにくいのはなぜ?似ている特性を比較

育てにくいなと感じたとき、ネットでいろいろな情報を調べていると、発達障害?HSC?とwからなくなることがありませんか?

私は次男の感覚過敏や過集中をASDやADHDなのかもしれない、と思っていました。でも何かが違う、なんだろう、何が違うんだろう、、、ずっと悶々とするしかなかった日々でした。

HSCを知ったことで、次男はHSCだと確信しましたが、発達障害の子育てをしてみないと違いはわかりにくいでしょう。

発達障害の長男の子育て経験から私が思う、HSCと発達障害の似ている特性です。人によって似ていると思うポイントは違うと思いますので、参考の一つにしていただけるとうれしいです。

結構はげしく感覚過敏

ASDの特性にも感覚過敏がありますが、HSCも感覚過敏の特性があると思います。

ASDの感覚過敏とHSCの感覚過敏の違いを説明することは難しいのですが、

  • ASD→突出している感覚からくる感覚過敏(1つの神経の感度が高すぎるような感じ)
  • HSC→情報量が多いことからくる感覚過敏(神経が一度にたくさんつながるような感じ)

私は「トライポフォビア」」と言われている小さな丸の連続模様(ハチの巣とか変えるの卵とか大量のフジツボとか)を見ると、ギャー!!となって鳥肌が立ち、しばらく回復できません。

中学の理科の授業で習った分子や茎の断面図はかなりヤバかった。耐えるという表現が正しいですね。

しかもあまり理解されないので、何言ってんの??大丈夫この人、的に扱われることもあります。大げさとかもよく言われました。

気にしなきゃいいじゃーん、みたいに軽く言われますけど、結構きついのですよ。

においや音にも結構敏感ですし、地震がくる少し前に地震を感知できます。私はナマズの仲間かもしれない。

過集中

ADHDやASDの特性にある過集中。HSCも過集中の特性がありますので、これも似ています。

歌集中に関しては、違いが全くわかりません。

発達障害の長男、HSC・HSPの次男と私。

完全に過集中に入ると、周りのことが一切気にならず、没頭してしまうこと〇時間、という感じです。6時間くらいは、トイレも行かず飲食もせず、座り続けて没頭できます。

本当に全く動かなくても平気なので、過集中から明けると体の疲労が大変なことになってことになっていることもしばしば。

やり過ぎると頭も体も疲れすぎていて、バタっと寝てしまうこともありました。

自閉傾向のこだわり&HSCの頑固

ASDなど自閉傾向の特性として「こだわり」がありますが、HSCの頑なに変えない意思の強さ、つまり頑固さみたいなものは、もしかしたら似ていると感じるかもしれません。

ASDのこだわりは、職人的なこだわりだと考えればわかりやすいと思います。また毎日同じルーティンにこだわること(道順や物の並べ方など)もありますね。

HSCの頑固さは、自分がやると決めたものは何がなんでも絶対にやる!みたいな感じだと思ってもらえるとわかりやすいかもしれませんね。

有言実行、というとちょっと違うパターンもありそうですが、言い出したら聞かない、一人でもやる、テコでも動かない、そんな類いだと想像してみてください。

どちらも、人にとってはどうでもいい、と思われるようなことをやり通そうとする、という点では両方の子育てをしてみないと気づきにくいと思います。

振り返り:HSCと発達障害の違いは場の空気や人の気持ちがわかるかで判断してみる

次男の育てにくさを、発達障害とは何か違うと感じていたあの感覚は、HSCを知ることではっきりしたわけです。

子育てをしている中で親として感じる「何かが違う」は、とても大切な感覚だと私は思います。

そうやって何かが違うというアンテナを張っておくことで、知りたい情報に出会えることがありますからね。

もしお子さんの育てにくさが発達障害なのか、HSCなのか、どちらかわからずに悶々としているのであれば、人の気持ちがわかるかどうか、場の空気が読めるかどうかを考えてみてください。

さらに、HSCのチェックリストをやってみるといいと思います。チェックリストはこちらの記事を参考にしてくださいね。

こちらの本も漫画でわかりやすく描かれていますので、おすすめです。