親子で違った!7年通った通級の効果を3つずつ紹介

発達障害

発達障害の長男は、小1から中1までの7年弱、通級に通いました。

通級をやめた今、親子で通級の効果について振り返りをしてみたところ、効果を感じている内容が全然違っていたことに衝撃!

結論としては、親子共に「効果あり」ですが、内容が違うのです。これは面白い結果だと思ったので、ご紹介したいと思います。

通級って効果があるの?イマイチ、効果が感じられるないけど、続けるべきかやめるべきか迷う・・という方の参考になれば、うれしいです。

本人(長男)が感じた通級の効果3つ

まずは長男本人が感じた、通級の効果を3つ、ご紹介します。通級をやめた2ヶ月後、中1(2021年)の3月上旬です。

股関節がやわらかくなった

聞いた瞬間、え?と思ったのですが、運動のグループ授業でひたすら訓練していたおかげで、股関節が柔らかくなったそうです。

実際、長男は、足の裏を自分の耳につけられる程柔らかく、あぐらで座る時の姿勢も、なぜか座禅のようになっています。

運動のグループ授業は体幹トレーニングが中心

腕立ての姿勢をキープすることも、座る姿勢をキープすることも、ある程度、体幹が鍛えられていないとキープは難しい。

発達障害の子は、椅子に座って背筋を伸ばしたままの姿勢をキープすることが難しいのは、体幹が弱いから、と通級の先生に聞きました。

しかし、通級の効果で真っ先に上がったことが、股関節の柔軟性だとは、私は全く予想していませんでした(笑)

現場に対しての適応能力が上がった(空気を読む的なこと)

SSTのグループ授業の効果ですね。

認知行動療法的な内容が多いので、いろんな認識と行動パターンを知ったことで、クラスの友達観察に役立ったようです。

伝わる言葉選びや言い回しを本格的にディスカッションすることも

「やめて」と言ってもやめてもらえない時はどうする?というような、人それぞれの答えが違うけどトラブルになりやすいことをテーマに、本格的なディスカッションをしていた授業を参観したことがありました。

大人でさえ、その場の空気やTPOに合わせてうまく対処できないこともあるので、正解を出すというよりは、よりベターだと思われることを探していく感じでしたね。

グループだと頭数がいるので、意見がたくさんでますし、先生に媚びて理想的な回答を言う子供達ではないので、より実践的だと思いました。

ただ、長男のSSTの担任が素晴らしい先生だっから、本人が効果を感じたことは加味した方がいいと思います。

導く担任の力は大きいと感じる内容でした。

学校におけるマナー的なものを教えてもらえる

先程の内容と似ていますが、学校内にある通級だからこそ、うまく学校生活に結びつけられたのかな、と感じています。

要するに、ここまでは暗黙の了解で許されるけどこれ以上やってしまうとアウト、みたいなことですね。

大なり小なり、コミュニティで過ごす時間が長い学校生活において、このあたりの想像が難しいと、やっぱり???という場に遭遇しますからね。

自分が?な空気を作ったなとか、自分が発言したらシーン・・・ってなったなとか、それは感じ取れるので、長男的にはだいぶ助かったのでしょう。

親が感じた通級の効果3つ

次に、親である私が感じた通級の効果を3つご紹介します。

本人が「僕は書ける」と思っていること

長男の学習障害レベルとして、本人の努力と家庭のサポートがないと、通常級で過ごすことは辛いだろう、というのが発達検査からみた医師の判断です。

中学に進学する際の、就学前相談でも、医師の判定は同じでした(さまざまな分野の医師か判定した結果)。

覚え続けることと、思い出すことがだいぶ弱かった気がしますが、小中ともに本人は書けると思っています。

もしくは、書いていく、と決心しているのかもしれません。

その信念を否定することなく、無理にガジェットを勧めることなく、書きと向き合ってくれた個別担任はすごかったと思いました。

子供の興味に合わせて自分も知識をつけてきて、うまく訓練につなげていました。

結果、書けるかどうかではなく、書いていきたい思いを受け止め、一緒に進んでくれる姿勢がうれしかったです。

そのおかげで、自己肯定感が下がることなく、書けないのではなく思い出せない、と本人が正しく自分を認識できるようになりました。

悩みを話せる仲間がいること

自分の特性の困りごとを話せる仲間がいることは、通級ならではの効果だと思いました。

SSTのグループ授業参観を見たり、保護者会で先生の話を聞いて感じたことですが、通級では何を話しても、は?とか、何言ってんの?バカなの?という類のツッコミはやらないので、安心して話せるんですね。

まれに誰かがよろしくないツッコミをしたら、その場でよりベターな言い回しを先生から要求されるので、スルーも放置もされないですし。

自分がバカにされている気がする、というような発言に、同じくー、という合いの手が入ると、ちょっとホッとした空気が流れるのを感じた時、通級の場が、学校生活の休憩場になることもあるなと感じましたね。

少しだけ空気が読めると感じていること

長男な感じた通級の効果に、似ている項目がありましたが、小4のある日、突然、少しだけ空気が読めるようになったと言い出しました。

自閉症スペクトラムのはずの長男が、ちょっとうれしそうに、空気を読む感覚が分かってきた話をしてくれた時、通級を続けて良かったと感じました。

クラスの雰囲気がこんな感じだから、次の行事が終わるまで、休めないや、と話していた長男。

良くも悪くも、月1くらい休むことで、学校と自分のバランスを取っていたのに、空気を感じ取って休まなくなるとは思っていませんでした。

SSTの効果、グループ授業の効果、といえますね。あとは続けてきたことも関係していると思いました。

その他こんなことも通級の時効果かも?!

通級の効果として、メインで感じたことを3つ紹介しましてが、実はまだあります。

明らかに通級の効果なのか?というと、成長や在籍担任の力や、友達の力、本人の頑張り度合いもあるので微妙ではありますが、念のため紹介します。

学校を休まなくなった

少しだけクラスの空気が読めるようになったとこで、休まなくなりました。休めなくなったのでしょう。

学校に行く行かないは、本人が決めていたので、納得して行っているからいいかと思っていました。

発表や学校行事などが終わると、通常モードに戻り、月1休みをとっていたので、それほど思い詰めていたわけでもなさそうでした。

学校行事にフル参加した

低学年のうちは学校行事への参加は結構大変でした。

高学年になったら、遠足や林間学校のような遠出を嫌がっていましたが、結局、6年間の学校行事はフル参加しました。

通級の先生にはたくさんフォローしてもらいましたので、本当に助かりました。

長男も終わってみればやって良かったと思うみたいなので、結果オーライと言ったところでしょう。

友達ともある程度仲良くなれている

低学年までの間は、なにかと色々ありましたが、中1になった今、なんだかんだ仲良く過ごせています。

コロナ禍になる前は、遊びにも行っていたし、仲良しの友達もいますし。

コロナ禍の今は、マインクラフト やフォートナイトといったゲーム内で待ち合わせしていて、結構楽しいみたいです。

【学習障害】通級と家で協力!読みの苦手を少しだけ克服した支援法
読みに苦手がある学習障害の長男に、家と通級で協力しながら支援をした方法をご紹介します。4コマ漫画が精いっぱいでしたが、がっつり漫画が読めるようになりました。学習障害で読めないことに困り感を感じている方の参考になればうれしいです。

通級の効果がないと思っていたこと3つ

長男は、通級に7年通いましたが、その間何度も効果も意味もないと思った時期がありました。その理由をお話ししたいと思います。

通級の担任との相性に左右される

担任の先生は選べないので、子供との相性が悪いと、通級の効果は見込めないと思います。こればっかりはどうすることもできないのですが、担任になる先生との相性によって、差が出てしまうこと、本心では本当に嫌なんです。

「相性が悪い」と若干オブラートに包んで表現しましたが、はっきりと言ってしまえば、療育の知識がない先生が担任になることは本当に困る、ということです。

確かに発達障害の子供が増え、先生の数が足りないことは否めません。仕方がないにしろ、せめて通級という場がどういう場なのか、発達障害や学習障害がどういうものなのか、どんな指導をした方がいいと言われているのかくらいの知識は持っていただきたいと思いました。

間違っても、担当する親に、教えを乞うようなことはやめていただきたいです。

家庭でのフォローも結構重要だと思う

これは4歳から長男が療育の世界にいることで感じたことです。

  • 療育に通っているから
  • 通級に通っているから

だから大丈夫。だから安心。というわけではないと思います。

学校や療育、通級はあくまでも選択肢の一つであり、家庭での支援があって始めて、家庭以外の場所で療育などの成果が発揮されると思っています。

学校や先生に任せきるのではなく、学校では先生が、家では親が、子供のサポートやフォローをしながら、大人になるまでの間にできることを1つずつ教えていくことが、療育の基本だと思います。

親子で効果の感じ方は違うので親だけで判断するのは危険

通級の効果に関して、私たち親子の例にもあるように、親と子では立場の違いもあり、効果の感じ方が違うことがわかると思います。

親の観点だけで「通級の効果はない」と判断するのは、ちょっと危険な気がします。

こういう療育的なものは、目に見えて効果がわかりにくいものでもありますし、子供本人が大人になってから通級などの効果を実感するかもしれませんよね。

できるだけ家庭でもサポートやフォローをすることで、通級に通うことを「効果のあるものにする」ことは可能だと思います。

振り返り:通級の効果はあったが親子で感じることは全然違っていた!

親としては通級の効果は十分にあったと思います。また、長男本人も通級の効果は感じているようです。

先生との相性、家庭でのフォロー、親子での効果の感じ方の違いがあるので、一概に「通級=効果がある」とは言えない点に注意が必要だと思います。

7年通級に通って、大切だと思うことは、「効果がある」ように捉えていくことだとなのではないでしょうか。

効果がない部分もあるし、そう感じる時期もあるけれど、親子の頑張り次第で効果があるように変えることもできると思うんですよね。

通級の先生に丸投げするのではなく、学校では先生が、家庭では親が、子供の特性に合わせた対応ができることが、最大の療育だと思います。

使えるものは最大限に利用させていただく、そのくらいの図々しさを持ち合わせることも、発達障害児の育児には必要だと感じた、通級の効果の結果でした。