ピアノの習い事をしていると、たいていは年1回の発表会がありますよね。発表会の曲を何にすればいいのかわからない、という方のために曲の選び方についてお話ししていきます。
上級者は自分で曲を選べると思いますので、初級中級あたりの曲選びということでお話を進めていきますね。
失敗しないピアノの発表会で演奏する曲の選び方
ピアノの発表会の曲選び、ちょっと緊張しますが、できれば華やかに弾けるような曲を選びたいですよね。
発表会の曲の選び方のパターン
発表会の曲選びは、大体3パターンあります。
- 先生が候補曲を提示してくれる中から生徒が選ぶ
- 先生と生徒が一緒に方向性を決めていく
- 生徒のみ(親と一緒に)で決める
私は先生と一緒に方向性を決めてから、私のレベルだとこんな曲が弾けるという案を出してもらってその中から決めていました。
中学以降は自分でCDから曲を選んでいましたね。
ピアノ発表会用の曲の選び方の手順
発表会の曲選びの手順としては6項目くらいでしょう。
他には連弾や他の楽器とのアンサンブル、合唱などがありますが、今回はソロピアノで演奏する場合の手順でお話しを進めていきます。
- ジャンルを決める
- 難易度を知る
- 候補曲を絞る
- 楽譜を手に入れる
- 曲の確認をする
- 決定
難しい話ではないのですが、迷いをなくし、納得のいく曲を選べるようにアシストしていきたいと思います。
発表会でピアノのレベルをステップアップ!失敗しない曲選びの注意点
まずはここは押さえて曲を選ぼうというポイントをお話ししていきます。
発表会で何を得たいのか
おそらくほとんどの人が考えないと思いますが、今回の発表会は何を目標にするのかを考えておきましょう。
ピアノの発表会に参加する目標を立てる
- 憧れの曲にチャレンジする
- 緊張しても弾けるように悔いのない練習をする
- オクターブがある曲に初挑戦する
- ペダルを使った曲を弾いてみる
技術的なこと、精神的なこと、発表会に前向きに参加をする、着てみたい衣装で弾いてみるなど、今回の発表会で乗り越えたい目標を決めることで、曲選びをグッと絞ることが出来ます。
目標を決めることで曲選びの方向性が決まる
目標は別に達成されなくてもいいのです。目標の結果が問題なのではなく、目標を決めることで指針ができますね。自分が目指す方向です。方向が決まれば、例え途中で迷っても、脇道にそれても、目標が決まっているので戻ることができます。
そして、目標に向かうということ自体がピアノを練習するモチベーションにつながります。なかなかピアノの練習ができない、やる気がでない、というのは往々にして目標がないからです。
ピアノの曲決めに迷うのも同じ。目標があれば今、やるべきことが見えてきます。そうすれば選ぶ曲の方向性も半分以下には絞れるはず。
今回はピアノの発表会の曲選びで迷っている人向けにお話しを進めていますので、まずは目標を決めましょう。
発表会映えする曲を弾きたいのかどうか?曲の特性を知る
え?曲の特性って何のはなし??
目標が決まったところで、弾く曲ですが、いかにも発表会っぽく派手で聴いている人が「おー!」と関心するような曲を弾きたいのか、いや、そこは関係ないなと思うのか。
例えば、ショパンの革命のエチュードって出だしが派手だから、発表会で弾くと誰もが「おー!」って思いますよね。
でも、モーツアルトのきらきら星変奏曲とか、ヘンデルの調子の良い鍛冶屋とか、徐々に派手になっていくけど、大きく派手さを感じない曲みたいに、曲によってはタイプがあると私は思っています。
作曲家別ピアノ曲のタイプ(花緒論)
これは、楽譜を読むことがとても苦手だった私が、長年の発表会での選曲の中から感じていた曲のタイプです。(クラシックのみです)
- ベートーベン→弾くまでが大変だが、弾けるとそれなりに出来上がっている
- ドビュッシー→調などの理論をわかって弾かないと難しいが弾けると難しい曲を弾いているように聞こえる。間違えて弾いても聞き手にバレない
- ハイドン・ヘンデル・モーツアルト→弾きやすいが表現がないと単調に聞こえる。意外と上級者向けの選曲
- ショパン→有名な曲が多いので発表会で選ばれやすく、間違うとバレやすいが、派手目の曲が多いので弾くだけで華やかになる
- シューベルト→弾くのも大変、表現も大変、でも弾けると大曲が完成する
ピアノの発表会でよく選ばれている作曲家の特徴です。もちろん、これは私のイメージなので先生によっては「それは違うでしょ」というかもしれません。
音数(音符の数)によって曲の派手さ・演奏の難しさがあることを知る
私は譜読みが苦手なので基本、耳で聞いてから楽譜を照らし合わせるといった方法でピアノを弾いています。
例にあげた作曲家の曲は一通り発表会で弾きましたが、楽譜の見た目(音数)で曲を選んで痛い目をみたこともありました。
ピアノの先生は音大を出ていますし、作曲家の背景や曲の背景などすべてを理解した上で曲を勧めてくれますが、基本、技術が伴っていたから先生になれたわけですよね。
全てをクリアしてきた先生のイメージで選んでしまうと、私のように技術が足りなかったり表現力が追い付かなくて、曲に入り込めないこともあったのです。
私の中では、作曲家による曲のタイプの違いは、曲選びの中では結構重要な位置を占めています。ですので、目標と合わせて考えて選ぶ必要があるんですね。
最終的に弾ける曲か
オクターブを使った曲にチャレンジしたいから、トルコ行進曲を弾こうとすると腕の筋肉や早めのパッセージを弾く指の筋肉の必要性も関係してきますし、憧れていたショパンの幻想即興曲にチャレンジしようと思ったけど、技術が足りていなかったということも有り得るわけですね。
現状の自分の演奏技術と発表会当日までにスキルアップできる技術の差がどれだけ詰められるかがカギ
発表会までの日数で、どれだけのスキルアップを見込めるのか、または練習への意気込みがあるのかによって、差を失くしていくことが成功する曲選びの大きなポイントになります。
逆に言うと、発表会当日、ステージの上で迷いがない状態で演奏に集中できる一番重要な項目です。
発表会は緊張するのであまりレベルを上げすぎない方がうまくいく
私は、自分のレベルよりも少し下げたレベルで曲を選び、発表会に臨むと自分の目標が達成される率が高いなと思っていました。
なぜなら、発表会当日はほぼほぼ間違いなく緊張するからです。
緊張すればパフォーマンスは下がります。普段から180%の完成度を保っていて、当日90点行けばいい方でしょう。そのくらい発表会という場は、思った通りにはいきません。
目標が、「本番で何度間違えてもいいから、難しい曲を弾いてみたい」というのであれば構いませんが、満足した自分なりの表現を望むのであれば、確実に最後まで弾ききれる曲を選ぶ必要はありますね。
発表会だからこそピアノが映える曲選びの3つのポイント
注意点に気をつけつつ、具体的に選んでいくためのポイントをお話しします。
選び方のパターン
くりかえしになりますが選び方のパターンとしては大体が以下の3パターンですね。
- 先生が候補曲を提示してくれる中から生徒が選ぶ
- 先生と生徒が一緒に方向性を決めていく
- 生徒のみ(親と一緒に)で決める
ここで一番迷うのが、おそらく3の生徒と親が決めるパターンです。先生にまずは自分で考えてきてって言われたのかな。と推測します。
ここでもし本当に何を選んだらいいのか迷う場合は、先生に相談するのが一番です。
先生は子供の進捗状況や技術面などわかっていますので、その中で曲をある程度割り出してもらった方が早い。
一生懸命選んでいったのに、「それは弾けませんね」「簡単すぎますね」「すでに他の人が選んでしまった曲ですね」ということもあるわけです。
正直、曲選びに関しては先生に振ってしまっていい項目だと思いますよ。それでも先生には申し訳ないという場合は、この先の情報も参考にしてみてくださいね。
レベル確認のパターン
レベルといっても、初級だから、中級だからということではないです。
- 音数
- テンポ
一度に鳴らす音、曲全体の音、その音数がどのくらいあるのか、そしてテンポの関係で初級・中級のようにわけて考えるとわかりやすくなります。
楽譜上の表記でみたところの初級・中級といったところでしょう。
ピアノピースの裏に初級・中級と書いてあったり、曲集にバイエルレベルなどのレベル表示がありますよね。その参考にするという感じです。
ちなみに「エリーゼのために」は初級レベルですが、発表会で聴いていても初級だとはわかりませんよね。
初級の楽譜でも、思い通りの表現ができれば演奏レベルは上級になります。逆に初級レベルの演奏力でも中級の楽譜を頑張って弾くことはできるでしょう。
要は発表会で何を目標にするのかにより、参考にする曲のレベルも変わってくるということです。
弾きたい曲の楽譜が見つからない場合
弾きたい楽譜がない、弾きたい楽譜のレベルが合わない、弾きたい曲の楽譜が見づらいなどの問題は発生する可能性があります。
特にクラシック以外のポップスなどを弾きたい場合、買った楽譜のアレンジが気に入らないということはよくあるパターンです。
アレンジャーによってかなり雰囲気が変わってくるのがポピュラーピアノですから。
楽譜と言っても安い買い物ではないため、弾いてみないとわからない楽譜を購入するのは多少のリスクがありますね。
そのような場合は、ココナラで「ピアノ 楽譜」などで検索すると、アレンジしてくれたり、楽譜を簡単にしてくれたりできますので、良かったら利用してみてください。
あとはネットで楽譜を買ってコンビニで印刷できるものもありますので、探してみましょう。
実際に選んでみよう~ピアノ発表会で弾く曲の選び方実践編~
では実際に選んでいきましょう。
ジャンルを決める
まずはジャンルを決めましょう。
- クラシック
- ポップス
- ジャズ
この辺りから選んでいくと思います。ディズニーやジブリ音楽などはポップスですね。
難易度知る
難易度レベルに関しては、わからなければ現在習っている教本と同じくらいのものを選びます。
- 音符の大きさ
- 音の数(1度に弾く音の数)
- 行間
- 1行の小説の数
この辺りが教本と同じくらいであれば同じレベルです。わからない場合は楽譜を持って先生に聞きましょう。
よくわからない場合は、お店で楽譜を見ながら検討するのがいいと思います。
候補曲を絞る
ジャンルと難易度、発表会の目標などと照らし合わせて、候補曲を絞っていきます。
作曲家、タイプや曲の構成が違う曲を何曲が選び、その中から決めましょう。まずは3曲くらいに絞ってみましょう。
楽譜を手に入れる
次に楽譜を入手します。お店で買う、ネットで買うなど方法は何でも良いのですが、楽譜が手に入らない場合、手に入れた楽譜が気に入らない場合もありますので、発表会の日取りが決まったら早めに曲選びと楽譜入手をするようにしましょう。
曲の確認をする
楽譜と同じ音源があるようでしたら、参考までに聴いてみましょう。
ポップスであれば同じ楽譜を演奏しているYoutuberを参考にしたり、曲集であれば音源付きのものがあるといいですね。
クラシックの場合は、演奏するピアニストによって表現が違うものが多いです。好きな演奏を参考にしてみるか、先生にお手本を弾いてもらうのも1つの方法です。
自分の理想の表現がすでにある場合は、参考の音源は必要ありませんが、特に決まっていないようでしたら、演奏の表現に迷ったときに参考になるので用意しておくといいですよ。
幼児の場合は、演奏の参考になるものはあってもなくてもあまり変わらないと思うのでスルーしてください。
決定
曲をいろいろ聴いてみて、最終的に判断します。
練習を始めてから違う曲に変更するのは大変なので、納得がいくまで考慮することをおすすめします。そして、曲を決めたら迷わない。まっすぐ自分の目標達成のために練習に励みましょう。
参考までに曲集3冊
どうしても探せない方のために、一般的ではありますが、曲集を3冊載せておきますので参考にしてください。
ピアノソロ ディズニー・ソングス ベスト40
まだピアノを始めたばかりだけど発表会に出たい!という子供におすすめ。入門から初級レベルくらいでしょうか。
知っている曲が多いし、始めたばかりでも弾ける曲が載っています。
美しく響くピアノソロ (初級) スタジオジブリ
人気のジブリ曲は一通り入っているかな。美しい響きの曲が多いジブリ音楽は発表会向き。他に中級、上級もあるよ。
先生が選んだ ピアノ発表会名曲集 4 ソナチネアルバム程度
中級レベルくらいの曲集。よく発表会で演奏されている曲が入っています。
振り返り|現状のスキルと本番までに見込めるスキルを考えて曲を選ぼう
ピアノの発表会の曲選びについてお話ししてきました。曲選びはとても重要ですからね。納得のいく曲を選んで、納得がいくまで練習して、本番に臨めるといいですね。
自分の現在のスキルを知り、本番までの日数でどこまでスキルアップできるのか、発表会に参加する目標をしっかりと立てて、地道に練習しましょう。
練習の際は必ず録音して、発表会が近くなったら衣装や髪型、靴なども実際に身に付けて練習した方がいいです。
練習の数だけ、本番での成果がでます。緊張に負けないだけの練習をするためにも、納得のいく曲を選んでくださいね!応援しています!!
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