HSCの次男の子育てに疲れてきたので、改めてHSCの育て方について、根本から考え直してみたところ、「循環」がポイントではないか?という結果にたどり着いたので共有したいと思います。
私の考えではありますが、HSCの子育てに悩む方の参考になればうれしいです。
【花緒流】子育ての定義とHSCの大まかな気質を確認
花緒流で恐縮ですが、これからHSCの育て方についてお話するにあたって、私なりの子育ての定義とHSCの気質の大まかな解釈をお話しておきます。
細かく考えればいくらでも出てくる内容ですので、本当にざっくりと大まかにまとめています。こんな感じ、というイメージで進んでいただければと思います。
花緒流「子育て」とは
人それぞれの子育て定義があるとは思いますが、一応私は社会で生きていけることを目標に、子育てをしています。
「社会で生きていけるように」とは
こちらも人それぞれの考えがあるとは思いますが、社会で生きていけるようにということは、
人の役にたつことで、
- 衣食住の確保
- 居場所の確保
ができれば、まずはOKかと思っています。
さらに人に助けてもらうことで、
- 人が自分の役に立ってもらうことができ(職の維持など)
- 持ちつ持たれつを知る
ことができますね。
「人の役に立つ」の原則
- 自分にできることをやり
- できないことは助けてもらう
なぜか人間は、人ができるところをうらやんで、自分にはできない、と思ってしまいがち。
今、自分にできることを提供し、お金をもらって生きていく。
自分がやらなくても要領よく上手にできる人はたくさんいる、と勝手に思って、自分は何もできないと自信を無くしてしまう人もいるとは思いますが、そうではなく。
文字が読める、字が書ける、料理ができる、掃除ができる、といった、今できることをやってくれることで、要領よく上手にできる人はその人にしかできない仕事ができるわけです。
充分役に立っていますね。
まずはここを目指します。さらに必要であればスキルを身に着けていけばよい、という考えです。わざわざ、他人ができることと同じことをやろうとする必要はなし。
そして、できないことは人に助けてもらえるよう、ヘルプを出していく。
人にお金を払えば委託になるでしょうし、家電や便利グッズ、ガジェットなど物にお金を払ってできないことをカバーする方法もありますね。
花緒流HSCの気質とは
かなり大ざっぱではありますが、
一言でいうとこんな感じでしょう。
HSCを活かし社会で生きるためにできること&できないこと
- できること・・・多すぎる情報を整理して必要な人に情報共有・提供
- できないこと・・・不安で動けなくなる
HSCで自動入手される多すぎる情報を、細かく整理分析し、必要な人や気づいていない人に情報提供すること、または情報を共有することができますね。
しかし、情報が多すぎるために、余計なことまで考えすぎたあげく、不安になり動けなくなることもあります。
HSCの多すぎる情報の活かし方
多すぎる情報には2種類あるのではないかと考えています。
- 現在の情報
- 感受性の高さで受けとる情報
空気が読めて、人の気持ちなどの情報も入ってくるHSCの気質では、五感で感じられるたくさんの情報が人よりも多く入ってくると言われています。
現在の情報から最善の対処やリスク対策ができる
最新の情報から予想されるリスクや不安に対して、
- 常に対策を立てられる
- 最新の対処ができる
情報が多い分、気づきにくい盲点などにも気がいくため、HSCの気質を活かすポイントでもあります。
良くも悪くも感受性が高い
人が感じないようなことまで感じとるため、動物やぬいぐるみなどと喋ってみたり、ボクシングを見ているだけで痛すぎる感覚に陥ったりする子もいます。
- 感受性による体験が、人とは全く違う
- 感受性が豊かな分、妄想も豊か(エンターテイメントに使える)
- 感受性のまま表現して共有することで共感を生み出す(芸術など)
人としての感じ方の違いや可能性のようなものを共有することで、気づかない人達が気づくきっかけになることもあるでしょう。
また豊かな感受性で生み出された芸術作品に、共感する人は多くいます。勇気や元気をもらい、ストレス発散になり、明日を生きる糧になる芸術を生み出すこともHSCの気質なら可能です。
HSCの子供時代におきる問題点
多すぎる情報を自動入手してしまう気質は、程度のこそあれ、HSCの気質なので仕方ありません。
大人であれば、情報を整理し、人に共有して役にたっていくこともできるでしょうが、子供の場合はこれがうまくいかないと思うのです。
とにかく、自動入手されてしまう情報が多すぎることで、脳の消費電力が多く、脳疲労がすごいことになっていきます。
整理できない
- 言葉の未熟さ
- 経験の少なさ
- 自我の未確立(発達面で)
当たり前なのですが、子供の頃は覚えている言葉の数も経験も少ないため、頭の中にある情報を整理することは難しいでしょう。
小3くらいまでは自我も未確立のままですから、自分と他人の区別も微妙な状態。
うまく話せないし、よくわからないけど伝わっていないし、どうすればいかわからないから、イライラしてパニックみたいになって癇癪を起したりするのでしょう。
人に共有できない
- コミュニケーションスキルの低さ(言葉の未熟・経験の少なさ)
- 人の反応が不安で言えない(経験の少なさ)
- ヘルプが出せない(言葉の未熟・自我の未確立)
さきほどと同じ内容になりますが、言葉の未熟と経験の少なさの影響で、コミュニケーションスキルが低い上に相手の反応が気になって、ヘルプを出すのが怖くなったり、不安になって喋れなくなることも考えられます。
人によるとは思いますが、大人だって、自分の事ですら人に共有することは、結構大変なこと。子供ならなおさらですね。
花緒流HSCの育て方
子育ては、結局一人一人に合わせていくしか方法がなく、これが正解、というものがありませんよね。
子供が成長し、社会に出てようやく一息つけるのでしょうが、それまでは親も不安を抱えつつ前に進むしかありません。
そんな中で、HSCの子育てをする際に親にできることを、改めて考えてみました。
多すぎる情報を自動入手していることを理解する
親がHSPであればこの感覚は十分すぎるくらいわかると思います。
HSPの気質がない親なら、結構いろんな情報が自動入手されるのだということをなんとなくでいいので理解してみましょう。
自分が磁石で、外にでると砂鉄が四方八方から飛んできて、常にたくさんくっついている状態だと思えばわかりやすいかと思います。
スキルがつけば、意識して落としていくこともでいますが、いったん入手されるところは止められませんので、結局頭の容量が使われてしまうことは避けられない感じです。
とにかく休ませる
極力休ませることを意識した方がいいと思います。
理由は、多すぎる情報が自動入手されるため、ある程度、受け取ってしまった情報を整理して不要なものは削除するためです。
一番いいのは寝せてしまうこと。昼寝でも、夜早めに寝かせるでもいいので、シャットダウンしてしまえば情報のインプットはなくなり、頭が休まります。
もし、寝るのがあまり好きではない子であれば、一人時間をしっかりと確保してあげるといいでしょう。
その際は声をかけず、放っておいてあげること。
何かヘルプを求められたら、対応してあげればいいので、家に帰ってきたらそおっとしておくだけでも休めると思います。
イライラしているときや様子が変だと感じるときは電化製品も休む
次男がたまになるのですが、
- 1回うまくいかないだけでイライラする
- そんなことで?ということですぐ怒る
- 些細な事で泣き出したりし始めたとき
は、すでに頭がキャパオーバーになっているので、その場合は、テレビやスマホ、ゲームなどもお休みすることをお勧めします。
電化製品系は結構な情報量らしいので、その辺を止めるだけでもわかりやすく落ち着いてきます。
アウトプットさせる(傾聴・通訳・療育)
多く取り過ぎた情報を、適度に抜き取ってあげること。
要するに、話をきくことですね。
話しを聞きつつできることが3つあります。
ひたすら聞く(そうかそうかと聞くのみ・傾聴)
話を聞いてもらえるだけですっきりすること、ありますよね。
あれをやります。
おやつのときでも、おふろのときでもいつでもいいのですが、ただ「うんうん」と聞いてあげるだけで、子供の中にたまっていた出来事や感情が吐き出されます。
話すことで、ある程度情報の整理がつくこともあります(ないことも多々ですが)ので、子供の脳にたまっていたものを少しずつでもいいので出していく。
循環させる、と考えるとわかりやすいですかね。
ただし、次のことに注意した方がよいです。
求められたらこたえてもいいかもしれませんが、結果、子供が「自分はできない」ということを再認識することは、この場では避けた方が良きかと。
子供の話の聞き方については、リンクの記事で紹介していますので、参考にしてください。
認知がズレている場合は通訳をする(タイミングが合えば・または合わせて)
話を聞いている中で、認知がズレているな、と感じることがある場合は、通訳をしてみました。
次男は、自動入手される情報が多すぎることで、妄想を含めた先読みが多かったり、現実に起きていることに大きくズレが生じたりしていました。
ですので、小さな子供に言葉を教えるように、現実に起きていること、理想や妄想などをちゃんと分けて考えていく、このことを私は「通訳」と呼んでいます。
詳しくはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
療育をする
先ほどの通訳と内容的にかぶるのですが、こちらは定期的に家庭で療育する時間を取る、ということです。
発達障害のSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)で使うワークブックを使って、タイミングを決めて一緒に取り組みます。
次男は、こちらのSSTワークシートシリーズを使いました。また、子供用の療育本、だいじょうぶ 自分でできる心配の追いはらい方ワークブックシリーズを一緒に読んで、たくさん話をしました。
中学生になれば、おそらく反抗期などで療育系のことを家庭でやるのは難しくなるかもしれません。
大人が一緒に考えてみても、何が正解なのか考えさせられる内容も含まれています。
正解か、不正解か、ゼロか100か、ではなく、私はこう思う→僕はこう思う→そっか、みたいな感じですが、自分を知ることから始まり、人との関わりなど多方面で役に立つと思います。
発散のチャンスを作る
- ストレス発散みたいなもの
- 自分の中にあるものを吐き出す、ようなもの
多くの情報を受け取れる感受性があるため、その感受性を介して表現するものが必要、ということです。
なぜなら、子供のうちは、言葉を使って自分の内部にたまるものを外に出し、人と共有するスキルがないから。
インプットばかりだと、いつか爆発しちゃいますからね。子供本人も関わる大人も、この爆発はさけておきたい。
循環に意識をおくだけで、声掛けや支援のポイントがわかりやすくなりました。
ということで、発散するもののカテゴリは、2つです。
良くも悪くもどこまでも膨らむ妄想系
エンターテイメント系のネタになるくらい、とても豊かな妄想力を持っていると思います。だから、危険を回避したり、リスクを避ける案が思いつくわけですからね。
本人的には、妄想がすごすぎて、不安が強くなり、動けなくなる悪循環になる前に、妄想は表現して外に出してしまうことで、発散していこうという方法。。
表現することに気を向けられるなら、
- 音楽
- 絵や工作・造形などのアート
- 小説・漫画
- 研究
夏休みの自由研究並みに妄想を実物化することで、あり得ないレベルの妄想に頭のキャパを使わずにすいます。
言語使いが難しい幼少期は、砂遊びや水遊び、ひたすら粘土とかお絵描き、ブロックや積み木などに没頭することで、発散できるかと思います。
実際に感じている感受性の形応現するするを変えて表現
音・色・感覚・味など、自分の感じているものを追求する、または形にして外に出す方法。
アーティスト系、研究系がちょうどいいかと思います。
先ほどのも「妄想系」は、自分の「勝手に頭の中で膨らむ妄想」を形に表現するもの、こちらは「実際に感じている感性」を形に表現するもの。
似てるとは思いますが、私の中では全くの別物です。
スポーツ、音楽、絵画造形、ダンスなどの表現系、または料理や化学、それ以外を含めた研究系。アーティストの活動とかも同じですね。
子供のうちは、第三者を意識せず、感性を通して感じ取ってしまっている多くの情報を、何かしらの手段で形にしてみることが良いかと思います。
- 遊びの中で
- 習い事で
- 公募などで
体を使って動くことは、結構な発散につながるでしょう。もし、習い事が気質的に大丈夫なら、発散できそうな習い事をやってみてもいいですね。
振り返り:HSCの子育ては「循環」をベースに支援するとうまくまわるのかも
HSCの子育てについて、根本から考え直してみました。
HSCに限った話ではありませんが、自分の体に入ったものは、ちゃんと出していくことが大事かな、と思います。
もし、HSCのお子さんの子育てで、泣いたり癇癪がすごかったり怒りっぽかったりして困っているなら、何かしらの循環がうまくいっていないのかもしれません。
遊びや習い事などを上手に使い、発散ができることで、頭の中の情報も少しずつ整理されていくことでしょう。
まずは、子供自身が循環していく中で、人に共有することができりょうになれば、自分と自分を取り巻く社会の両方に循環が生まれます。
子供が大人になるまでの間に、社会の循環に参加できるようになること。
ここを目指して、必要なところには大人の支援を入れていけばいいのでしょう。ということを改めて考えてみました。というおはなしでした。