怒る原因を徹底解明!怒らない発達障害子育てを可能にする考え方の基本

発達障害

4歳で発達障害がわかった長男は、現在中学2年。まもなく14歳です。普通ではないマイノリティ子育てを10年続けてきた結果、怒らない子育ては可能であることが判明。

だたし、発達障害の子育てに10年関わってきたからできるようになった、というのも事実。マイノリティ子育てなので、一般的な子育て法で乗り切ることは難しいと感じました。

ですので、私が実践してきた、根本から問題を理解し、自分と子供用に応用できる考え方や方法を共有したいと思います。今回は怒らない子育ての基本の考え方について。

発達障害の子育て法がわからない、怒らない子育てをしていきたい、という方のヒントになればうれしいです。

「怒る」仕組みを知ることで発達障害の怒らない子育てに応用する

まずは自分が子育てをする中で、なぜ怒ってしまうのか、ということについて根本から考えていきますよ。

私は専門家ではないので、素人が独学で勉強した上で語っていることをご承知おきくださいね。

「怒る」とは何なのか?

「怒る」というのは、感情ではなく、「怒り」の感情を表現する行動の1つ、と言えますよね。

怒る形はさまざまありますが、

「怒り」という感情を持つ → 「怒る」という行動で「怒り」を表している

こんな図式で関係を表すことができます。

「怒り」の感情を誰かに伝えたい?行動で表現する意味とは?

自分の感じた「怒り」という感情を、誰かに伝えたいがために、人にわかるような行動で表現する、と考えてみましょうか。

誰かに伝えたくないのであれば、わざわざ表現して行動に移す必要はありません。ということは、「怒る」ということは、自分の「怒り」を誰かに伝えたい。

まずはここが今回のお話の原点であることをご理解いただいた上で、お話を進めていきましょう。

「怒り」とは何なのか?

では、「怒り」とは何なのか。

「怒り」とは、人間の感情の1つですね。感情は、見たり聞いたりと五感が刺激されることで、本能的に命の危険を判断するためのフィルター的な役割を担っていると私は解釈しています。

怒りは二次感情と言われている

さらに、「怒り」は二次感情と言われていて、先に一次感情というものがあり、そこから生まれているものが「怒り」なわけです。

例えば、

  • 子供が宿題をやらない → 将来、進学ができるか、働いていけるか、という心配
  • 子供が門限を守らない → 事故などに遭っていないか、という心配や不安・約束を守ってほしいという願い
  • 子供が言うことをきかない → 子供に自分の思いをうまく伝えられない、という焦りやくやしさ
  • 子供が食べ物をこぼす → 後片付けが面倒、もしくは、食べ方のマナーを覚えてほしいという願い
  • 子供が友達を叩く → 危害を加えない、迷惑をかけない子になってほしいという不安や願い

など、もともと、叶えられなかったことで生まれた別の感情があって、その感情を伝える表現として「怒り」という感情が生まれ、「怒る」という表現方法になる、という感じです。

自分はなぜ「怒る」のか?

ということはですよ。もともと叶えられなかったことで生まれた、本来の感情は何だったのか、ということになりますよね。

「怒り」の感情はネガティブ系から派生したものでは?

「怒り」の感情が生まれるということは、少なからずポジティブではなくネガティブ系でしょう。

悲しい、さみしい、怖い、心配、不安、劣等感、罪悪感、正義感などなど。

子育ての場合、そのほとんどは心配と不安、もしくは願いなどになるのではないかと思います。

  • 健康で大人になれるかどうか
  • 良好な人間現関係を保てるかどうか
  • 働くスキルを身に着けられるかどうか
  • 事故や事件に合わずに過ごせるかどうか

自分の心配や不安が消えないことで生まれる「怒り」

そのために、

  • 社会での約束やルールを覚えさせ、一生懸命勉強させ、習い事などでプラスアルファのスキルをつけさせようとする。
  • 保育園、幼稚園、学校に行かせ、友達と仲良くさせ、先生の言うことを聞かせ、勉強も部活も頑張らせる。
  • 早寝早起きをさせ、好き嫌いなく食べさせ、コミュニケーションをしっかりとらせ、知的好奇心を追求させる。

それでもなお、周りの子と比べて、自分の子供に劣っているところがあれば、心配や不安を感じるでしょう。

周りの子供と違うところがあると、劣等感や焦りを感じてしまいますからね。

さらに、子供が思い通りに動かなければ心配や不安は消えず、なんでやらないのかと「怒り」を生み、「怒る」ことで子供に伝える。

ざっくりとこんな流れで、「怒る」のではないかと考えました。

子供に怒る理由の例:心配や不安を解消したいということ

一例ではありますが、とどのつまり、子供に対して、何かしらの心配や不安がある、ということなんですね。

その心配や不安を、何とか解消したい。でも解消できない。ずっと心配で不安で、その状態が辛い。

ちょっとでも安心したいから、「怒り」に変えて「怒る」ことで、子供に自分が安心できるような行動や言動をしてほしい、と願っている状態。

もちろん、他のことが理由で「怒り」になることもありますが、心配や不安が、子育てにおいて「怒る」理由の大部分を占めているかもしれないな、と思います。

「怒る」ことで自分の思う通りに子供に動いてほしい

「怒り」が生まれ、「怒る」ことで子供に何かを伝えようとする場合、一番わかりやすいのは、子供を服従させようとすることではないでしょうか。

子供も怒られたらしぶしぶ動いたりしますし、怒られることがこわいので、親の思い通りに行動することもあるでしょう。

結果的に体験や経験を得られることはありますが、怒られたからやったことにはネガティブなイメージとセットで記憶されていることは否めませんね。

自分が「怒る」基準を明確にすることで発達障害の子供でも理解しやすくなる

アドラー心理学の本では、感情をコントロールする方法が載っています。長期的にはとても参考になるのですが、子供に合わせた生活をしている子育て中は、とかく時間の余裕がありませんよね。

ですので、感情をコントロールは先々の目標にするとして、この段階では、怒りから生まれる「怒る」ことの基準を確認してみます。

そうすることで、自分はもちろん、子供や家族など周りの人も、ここまできたらこの人は怒るな、ということがわかりやすくなりますよね。

必要であれば、事前に「怒った」ときの対処や対策を用意することもできますよ。

本来の感情が「怒る」に変わる基準はどこ?

これまで「怒った」ことがある人なら、感覚的に「怒り」が溜まってくるのがわかりますよね。

  1. 見る、聞く、などで「怒り」に触れる刺激を感知
  2. 刺激が終わらないとイラついてくる
  3. 注意するなどの声が大きくなる
  4. 爆発

みたいな感じ。

心配や不安が怒りに変わる基準

では「怒り」になる前の本来の感情が「怒り」に変わるところはどこなのでしょうか。

例えば、

  1. 安全・安心な状態を確認できないと、心配や不満がストレスとしてたまる
  2. どの心配や不安が、どの状態解消されないと、「怒り」に変わってしまうのか
  3. 満たされない思いが溜まりに溜まって、実際に「怒る」という表現に変わるのはどこなのか

もちろん、心配や不安にも、すぐに解消されるものと、長期的に解消されないものとあるでしょう。

冷静に、客観的に考えてみることで、自分のことを把握していくようになります。

感覚がつかみにくい場合は、もう1人の自分を発動させて、自分が怒っているときのことを幽体離脱のように想像してみると、冷静に客観的な視点を持てると思いますよ。

「怒る」基準を本来の感情ごとに紙に書き出す

過去の出来事を書き出す

過去に子供を怒ったことを思い出し、まずは過去の出来事を振り返りましょう。

  • 怒ったこと
  • 理由
  • 子供の反応
  • 自分の感想・反省

本来の感情を確認

次に、書き出した出来事の、本来の感情は何だったのかを考えてみます。

本当は子供の何に、どんな感情や思いを感じているのか?

このプロセスで、怒りでフタをしていた本心を知ることができますよね。

結果として、怒ってしまったけど、本来の感情を知ったとき、「怒る」意外にも子供に本来よ感情を伝える方法はあるかもしれないな、と気づいていくでしょう。

本来の感情を正しく認識すれば「怒る」基準は超えないはず?!

本来の感情に気づいたとき、あれ?もしかして、怒らなくてもよかったのでは?と思うかもしれません。

やりたかったこと:子供に自分が感じていた本来の感情を正しく伝えること

このように、怒りに隠れてしまった本来の感情を認識するだけでも、怒りに変換される量は減っていきます。

ただし、満たされていないことは変わりませんので、「正しく伝える」ということで、満たされない感情をどう処理できるか、ということが、次のキーワードになりますね。

子供への伝え方については、次回、具体的にお話していきますね。

アイメッセージは本来の感情を伝えることなのでは?

アンガーマネジメントなどの怒りのコントロール法などで言われている、アイメッセージが、これに当たるのではないかと私は考えています。

つまり、私はこう思っているのよ、と伝えることで、怒りに変換しないようにしている、ということになりますよね。

【本題】怒らない子育てが可能になる仕組みを解説!「怒る」ことってダメなことなの?について考えた結果

「怒る」や「怒り」について、そもそも自分の認識が生み出しているものであることを知ったところで、いよいよ怒らない子育ての本題に入ります。

そもそも「怒る」こと自体、すべてがダメだというわけではないと思います。では、怒るということの何が良くないから、「怒らない」子育てを目指したいのか、という流れで進めていきましょう。

「怒り」「怒る」自体は感情の一つとして知っておいた方が良いと思う

人の感情として、「怒り」があり、「怒る」ことで表現するというのは、人間のデフォルト機能です。

大人になるにつれ、感情をコントロールできるようになっていくにしろ、全く怒らないということは考えにくいですよね。

まして子供は、泣いて怒ったりしますから、感情としての怒りや、その表現方法として怒るという行動をしていることは、教えておいた方がいいですよね。

仏の顔も三度まで、と言いますし、後々社会で生きて行くために必要な知識となるでしょうから。

「怒る」とは相手にストレス感情をぶつけているだけなのかも

本来の感情で満たされずに溜まっていったストレスが「怒り」に変わり、さらに解消されない状態が続くことで「怒る」という方法で表現する。

つまり、「怒る」とは、相手に自分の満たされない感情から生まれ、解消されないストレスを相手に伝えている、ということになりますね。

「怒る」のは、ある程度溜まったものが放出されるので、我慢していればしているほど、勢いも強い。

ときには、怒りを伝えるレベルではなくなり、怒りをぶつけることになってしまうこともあるでしょう。

しかし、相手に伝えているのはあくまでも「怒り」、本来の感情は、伝えていないのですよね。

これが良くないのでは?その1:自分が「怒る」ことで相手が受けるデメリット

結局、自分のストレス感情の中身が何なのかわからないまま、相手にぶつけてしまっているわけですから、相手も新たなストレス感情を生み出すことになってしまいます。

人のストレス感情をダイレクトに受けることで自分のHPが減ってしまう

ストレスを感じるとメンタルが消耗しますから、トータルで持っているHPが減ってしまいます。

HPが減り続けると死んでしまうので、相手の方も命を守る行動を取る必要か出てくるわけです。

意味のわからないストレス感情を投げられた相手の反応パターン例

  • よける:うまくかわす
  • スルー:無視
  • 反抗:イヤですよという意思表示
  • 倍返し:やられたことをやり返す
  • 離れる:関わらない環境に移動する
  • 精神崩壊:メンタルの悪化
  • 他者や物を攻撃:ぶつけられたストレスの方向を間接的に変える

こんな感じで相手は反応するでしょうが、全ては、怒りに関連するストレスの中身が、よくわからないからなんですよね。

それなのに、相手の反応によっては、さらに怒りがヒートアップしてしまうこともあるでしょう。

さらなる怒りがぶつけられたところで、本来の感情は何も解決されていない。だから、子供に怒ったところで子供も理解できないし、怒ること自体に意味がない、ということになるのでしょう。

これが良くないのでは?その2: 怒った自分も怒られた人と同じくらいHPが減っている

子供相手に「怒る」なんて、大人げないなと思いながらも、怒ることは多々あるのではないでしょうか。

怒られる側も衝撃があるでしょうが、私は怒った側も同じくらいHPが減っていくような気がしています。

怒ると疲れる

ただイライラするだけでも、何かが燃焼している感じはしますよね。

特に大きな声を出してしまったときなどは、体力が削られた感覚ははっきりとわかるのではないでしょうか。

私の場合、怒ると体力よりもメンタルの方が消耗される感じがしていました。

怒ったことで自己嫌悪に陥る

本当は、子育てで怒りたくはないので、怒ってしまったことで自己嫌悪に陥ってしまうのは子育てあるあるですよね。

子供の寝顔を見ていると、なぜあんなに怒ってしまったのか、と反省する、という気持ちになったことがある方もいるのではないでしょうか?

自己嫌悪に陥ると、とてつなく自分がダメ親に感じて落ち込んでしまいますよね。子供を「怒る」ことで、メンタルの状態も悪化していってしまいます。

メンタル的に辛くなる

怒るとメンタルに悪影響が出てしまうのは、本来の感情をスルーして、「怒る」という表現方法を取ってしまったからではないでしょうか。

自分が感じた感情をスルーしている時点で、自分のことを無視してしまっているわけですからね。

何かしら自分を守るために起きている感情ですから、しっかりと気づいて意識した上で、回避行動をとった方が、メンタルのためには良いということになるのかもしれません。

反省してもまた「怒る」のはなぜ?

本来の感情をスルーして、「怒る」という行動を起こしてしまっているのが現状だとすると、本当にやりたかったことは怒ることではなく、本来の感情に合った行動をすること、なんですよね。

それをやらないから、本来の感情が満たされるまで、「怒り」は発生し、「怒る」行動は発動してしまう悪循環ループにハマってしまいます。

反省という名の自己嫌悪に陥っているだけ

反省とは、自分がやった行動や言った言葉などでを振り返ることですよね。

  • 何が問題だったのか
  • どんな行動をすれば怒らずにすんだのか

目的が「怒りたくない」ならば、怒ってしまった理由・原因などを正しく理解し分析した方がいい。

しかし、たいていの場合、「できなかった」という最終結果で良し悪しを決めてしまいますよね。根本や仕組みを理解し、うまくいく方向への微調整までやらないのではないでしょうか。

出来なかった自分は悪い→メンタルが傷つく→HPが減る→これ以上減らないように考えない

やりたいことは自己嫌悪ではなく、反省。

何をしたら自分が怒ったのかを正しく認識し、本来の感情を意識して知るようにするだけでも、怒らない子育てに近づいていると言えるのではないでしょうか。

本来の感情を正しく認識することで「怒る」は発動しなくなる

まず自分が「怒る」に達してしまった本来の感情は何だったのか?そこに意識を向けてみると、「怒る」ことで隠れていた感情に気づきます。

  • さみしい
  • 悲しい
  • 心配だ
  • コワイ
  • 焦っている など
  1. その感情を自分が持っていることにまずは気づくこと。
  2. そして、気づいた感情に合った行動って、何なんだろう?と考えてみること。
  3. そして、行動すること。

これで、起きた感情は解決されるので、子供や家族・関わる人々など、自分以外の人に「怒り」を「怒る」という形でぶつける必要がなくなります。

それが、発達障害の子育て中であれば、結果として「怒らない子育て」が実現する、という仕組みになるわけですね。

振り返り:誰だって発達障害の子供を怒らない子育てをしたい

誰だって、誰に対してだって怒りたくはないものです。疲れますからね。ものすごく。

  • 自分が何に「怒る」のかを明確にする
  • 「怒り」の影に隠れている感情に気づく
  • 本来の感情を正しく認識し、行動する

怒るということを根本から徹底的に考えることで、自分でも気づかなかった思いや感情が見つかることでしょう。

あとは、興味があることや共感できそうな部分だけを実践してみるだけ。なんか違うな、と思ったら別の方法を試してみるなり、自分自身で考え抜いて方法を編み出してみるなりすればよいと思います。

怒らない子育て方法だって、人それぞれですからね。情報をいかに自分流に翻訳して使っていくか、が実現に向けての第一歩だと思いますよ。

怒らない子育てを実践するために、子供とどう接していけばいいのか、ということに関しては別記事で具体策をご紹介する予定です。

合わせて参考にしていただければと思います。