怒らない子育ては発達障害の不安や心配を減らすことで続けていける

発達障害
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発達障害の長男の子育てで怒らなかった日々は乳児期だけな気がする、これは過去の私のことなのですが、とにかく毎日怒ってしまっていました。

普通に日常生活を送ろうとしていただけなのに、長男のやることなすこと、特に次男が生まれてからは怒らないとやっていけなかった、そんな時代がありました。

いっそ、山にでも籠って、長男の好きなように過ごさせたい、人のいないところに私と長男次男で生きていくしかないのではないか、そう本気で考えたこともありました。

うちの場合は環境的に良くなかったこともあったのですが、長年発達障害育児をやってきてわかったことは、自分の心配や不安が減ることで、怒る頻度は減らせるということ。

前回2回に引き続き、怒らない子育てを実践するために、根本ともいえる子育ての心配と不安を、どうやって減らしてきたのか、ということについてお話していきたいと思います。

  • なんで怒ってしまうのか?という原因について、考えたお話
  • 怒らない子育てを実践するにはどうすればいいのか、というお話

今の様子(状態)がずっと続くわけではないことを知る

どういうことかというと、人は必ず成長する、ということです。

何を当たり前のことを、と思うかもしれませんが、子育てをする上で意外と盲点なのではないでしょうか。

今、自分の目で見えている子供の状態は、20年後も同じではありませんよね。さすがに大人になれば、ある程度会話でコミュニケーションも取れるようになっているでしょうし、できることも増えているはず。

子供は成長し、発達していくもの。

もし、今、発達障害の様子で気になることがあるとして、これだと将来やっていけないよ、と心配になり不安を抱えているとしても、この先、ずっと現状維持なわけではないのです。

日々の生活からの経験で、何かしら成長していきますから、今の子供の様子から、子供の将来を勝手に予測し、「このままじゃ、自立した生活なんて絶対無理!」みたいなことを考えることをやめました。

今は今。未来は未来。

時間軸を切り離して考えるだけで、無駄な不安に襲われる「きっかけ」みたいなものは減っていった気がしています。

子供の将来を妄想することをやめる

先ほどの話とかぶる部分もありますが、とにかく、「未来を妄想」することを、意識的にやらないように気を付けました。

私は、本当に一日中、頭の中でさまざまなことを考えているのですが、その9割近くが子供の将来から逆算して、今何ができるのか、ということを考えていたんですね。

子供の将来なんて、今現在、誰にもわかるはずがないのに。理屈では未来のことは誰にもわからない、とわかっているんですよ。

でも、気が付くと、考えてしまう。考えずにはいられなかったのですね。心配だし、不安だから。

だって、明らかに自分が想像していた子供とは、違う様子の子供だったから。自分でもどうしていいのか、わからなかったのですよ。

発達障害の特性を持って生まれた子供だから、

  • 将来こんなことになってしまったら困るな
  • 将来自立できなかったらどうなってしまうんだろうか
  • 弟が面倒をみることにはさせたくないな
  • 進学できなかったらどうなってしまうのか
  • 就職してもうまくやっていけないだろう

などなど、よくもまあ、そんな妄想ができますね、というくらい、妄想が妄想を膨らませ、どこまでも大きな妄想となり、私の不安な状態を表していたんですね。

起きてもいないことをいろいろと不安に思い、心配してみたところで、現実ではないことには対処できませんから。当然、どうにもならないわけです。

ということに気づいたとき、先の未来を考えた自分勝手な妄想をしているな、と自覚し、「これは妄想ですね」と割り切り、現実に起こっていることではない、と認識することで、徐々に意識してやめられるようになっていきました。

もうね、私の脳のクセなんでしょうね。今でもたまに取りつかれたようになってしまうので、意識して、現実に戻るように注意しています。

自分はベストな選択をしているはずと思い込む

よーく考えてみるとある意味当然なのかもしれませんが、誰しも、人生良き方向に向かっていきたいので、その時々で選択肢がある場合、良き方向に向かうためのベストな選択をしていると思うのです。

わざわざ、それはないよな、という選択肢を、意図的に選ぶとは考えにくい。

後から考えれば、別の道もあるな、とわかることもあるでしょう。しかし、その時点では、その選択と決断がベストであるということ。

これは、後から考え、足りない知識を得た後、頭の整理がついた後に判断したこと、俯瞰して考えたからこそわかったこと、と一緒に考えるものではないと思っています。

なので、自分は常にベストな選択をしていると思い込むだけでも、後々、自己嫌悪に陥ることは避けられるのですよ。これだけでも、子育てのストレスは結構少なくなると思います。

子育てにおいてやるべきは、自己嫌悪に陥ることではないと思うので。そんな暇があったら、他にやれることがあると思うので、自分に都合のいいように思い込むことにしています。

未来のことは未来になった自分が必ず対処する

当然のことなのですが、子育ての不安や心配ごとの大半は、今現在のことではなく子供の将来のことなのではないでしょうか。

子供の将来を考えたとき、自立した大人として社会でやっていけるのか、本当に大丈夫なんだろうか、という不安に押しつぶされそうになってしまうことが、私には多々ありました。

それは、社会のルールやマナーや暗黙の了解的なものを察することが難しい長男の様子を目の当たりにしたとき、どうしても長男に教えなければ、と思ってしまっていたのです。

今教えないと、ずっと知らないまま、わからないままになってしまう。というある種の脅迫概念みたいなものが自分の中にあったのかもしれません。

確かに、社会で生きる中で必要なことは、親が子供と接している子育て期間のうちに、できるだけ教えておいてあげたい。

でも、今は子供の方が理解できない。まだ理解できる発達段階にきていないとか、そもそも理解できる神経回路がONになっていないとか、いろんな理由があったりするんですよね。

それに、自分が子育てで必要だと思っていることが、子供たちが大人になった未来でも必要なのかどうかはわからない。今の常識が未来の常識というわけではなかったりもするわけです。

つまり、今、焦って何かを伝えようとしたところで、子供が理解できないのであれば、未来の自分に対処を任せればよいのですよね。

未来になったときに必要なことは、未来の自分が必ず対処するでしょうし、もしかしたら子供が自分で習得するかもしれませんし。

そうやって、生まれたときから子供を育ててきたわけですから。これからも必要に応じて未来の自分が対処するしね、と考えたらラクになりました。

今日無事に帰ってきたらそれでOKと割り切る

これは長男が小学校に入ったあたりに自分に言い聞かせていたことです。

長男が家を出た後のことは、社会(学校や友達など)に長男のことを任せ、無事に帰ってきたらそれだけで良しとする、と考えるようにしていました。

今日、

  • 生活できる家があり
  • 食べるものがあり
  • 着る服があり
  • 家族が健康に生きていて
  • お互いに助け合える関係でいられる
  • 親は仕事に行き(家事をやり)
  • 子は学校や遊び・習い事に行く
  • TVを見たり音楽を聴いたり
  • 会話やふれあいができ
  • 暖かい布団で寝られる

なら、今日のミッションは十分に達成できている。そんな風に割り切るようにしていました。

とにかく、興味が向いた方向へ行ってしまう長男が、本当に学校にたどり着くのか、家に帰ってこられるのか、途中で寄り道したままどこかへ行ってしまうのではないか、興味に注意が行き過ぎて事故に遭うのではないか、と心配しかなかったんですね。

幸い、事故に遭うことはありませんでしたが、長男が家を出たら考えない。帰ってくるまで信じて待つ。ということに徹するよう努力していました。

言い換えれば、どうなってしまったとしても、自分にどうこうできることではない、と割り切るよう努力していたということです。

交通ルールや外での過ごし方は、教えられるだけ教えてある。これ以上、今の自分が教えられることはない。だから、これ以上、自分にできることはない。

なので、不安を感じても対処のしようがない。

長男が中学に上がったとき、課外学習や部活の試合に行くときなんかは、不安に襲われて仕事中にウワーっとなってしまったことがありました。

とはいえ、子供の人生ですからね。子供がなんとかしていくしかない。子供が大きくなればなる程、発達障害かどうかは関係なく、子供が自力でなんとかしていかなければいけなくなってくるわけですから。

頭でわかっていても、意識しないとつい不安に襲われて心配してしまうので、割り切ることは結構重要だと思っています。

振り返り:発達障害の不安や心配を減らせば怒る必要はなくなるはず

子育てで怒ってしまう理由のひとつに、子育ての心配や不安、こうなってほしいというような願いを子供に伝えたいのに、伝えられないということがあると以前の記事で書きました。

親は不安や心配をなくし、子供の将来に関する願いを叶え、自分を安心させたい。それは、子供が自立して生きていけるような大人るために、子育てをしているからですね。

ただ、今、目の前に見えている子供の様子から、このままでは自立した大人になれないのでは?発達障害だと困りごとが多くなってしまうのでは?という不安や心配が生まれ、伝えたいのに伝わらなくて怒ってしまう。

まだコミュニケーションがうまく取れない子供ですから、子育てあるあるだと思います。

しかし、怒ったところで、怒られたインパクトが強すぎて、本当に子育て側が伝えたいことは伝わらない。さらに、発達障害の特性から、周りの子供たちとは違う行動や反応が返ってくる。

だから、怒りたくないと思いつつ、どうしていいかわからなくなって怒ってしまうという負のループにはまってしまう。

本当は、怒らないで、伝えたいことを正しく子供に伝えたい。誰だってそう思っていると思うんですよね。そのために私は、不安と心配を減らせばいいんだと考え、実践していたら、怒らない日々を送れるようになりましたよ、ということをまとめてみたわけです。

あくまで、私と長男のパターンであり、他に同じようなことで困っている方々の参考になるかはわかりませんが、何かしらのヒントやきっかけのようなものがあればうれしいです。

頭でわかっていることを実践するのは、意外と難しい。人間ですからね。

心配することも不安になることも親の仕事のひとつなのでしょうが、度が過ぎて、子供を怒りすぎてしまうのは、デメリットの方が大きいことは確かです。

私はそんな風に思いました。怒らなくなってからは、子供もよく話をしてくれるようになりましたし、私自身もかなり精神的にラクになりました。

もちろん、長期的に考えた対策も重要だとは思いますが、まずは今日を生きること、今日を楽しく過ごすこと×未来の日数。せっかくなら、楽しい子育てにしたいですからね。