ピアノの仕事を目指し始めた頃、生演奏をたくさん聴いて地道に分析した結果、そんなに難しい技術がなくてもプロのような演奏になることを発見しました!
今回はプロっぽく聞こえる演奏のコツをお話します。ぜひみなさんの演奏に役立ててみてくださいね!
プロみたいに聞こえる演奏のコツはあるのか?

プロみたいに聞こえるピアノ演奏のコツ、私はあると思っています。
もちろん、日々の練習は必要ですが、こうするとこう聞こえるな、というポイントは発見しました。
コツ1:自由自在のスピードコントロール

私が一番最初に目を付けたのは、演奏のスピードです。
演奏が始まったら止まらずに最後まで弾ききるのはもちろんなのですが、実はプロも間違えています。演奏者をよく見ていると、演奏途中に何か追加されていることもありました。

何かやってるなと思ったんです。
で、よくよく演奏者を観察しながら聴いていると、演奏のスピードが一定じゃなくなるときがあったんですよね。
もちろん、最初から最後まで同じテンポの事もありましたが、だんだんゆっくりになって、止まりそうになったと思ったら、また元のテンポに戻る、みたいなことが何度があったり。
あまりにも自然で気が付かなかったのですが、演奏後にミュージシャンの人に聞いてみたら、

途中でコード忘れちゃってさ、焦ったよ。
なんて言うんですよ。

コード忘れてるなんて、聴いてて全然わからなかったんですよね。
これを聞いて、なるほどなと思ったんです。
一定のリズムをキープしながら弾くことも、もちろん大事なんだけど、演奏中に思い出せなくなることってあるんですよね。忘れちゃったり、急に頭が真っ白になったり、思い切り間違えたりして。
これだと忘れたり間違えたことがバレバレになってしまいますよね。
ということで私がやった練習法。
クラシックでいうところの、テンポルバートのようなもの。これもスピードが一定じゃないから、ある意味、曲の流れを作れるんだと思うのです。
これと同じで、普段からスピードの波を自由自在に操れるようになっておけば、忘れちゃった時にスピードを遅くして、適当につないで元のテンポに戻してしまえば、聴いている人には全くバレないです。
しかも、プロっぽく聞こえる一番の要因でもあります!かっこいいじゃないですか。コンサートとかでも、ピタッと止まって、元のテンポで弾き始めたりする人、いますよね。
1人グルーヴする時も、結構曲のテンポやスピードが関係してくるので、ぜひいろんなテンポやスピードで曲を練習してみてください。
意外と弾けていないところは止まってしまいますし、スピードが速くなったら弾けていなかったことがわかったりもするので、一石二鳥ですよ。
コツ2:音の強弱は思い切り!音色を聞きつつ自信を持つ

次に気づいたことは、音の強弱。
プロなので当然なのかもしれませんが、ピアノという楽器をちゃんとコントロールしているように見えたんですよね。
小さい音はとても小さいし、大きな音はピアノがウォンウォン(カタカナじゃ表現できない)鳴っているように聴こえました。
自分の演奏と比べてみると、私の演奏は大きさのふり幅が小さいのではないかと感じたので、ピアノの音の大きさが、どのくらい違うのかを実際に試してみました。
やり方は簡単で、まずどの音でもいいので1音弾きます。人差し指1本とかでOK。その音が出なくなるまでどんどんタッチを弱くしていき、音がギリ出ているタッチの弱さで1曲弾く。
これ、かなり難しいです。そもそも5本の指のタッチが均一じゃないので、音が出なくなったり、大きな音になったりするんですよ。
それでも毎日やっていると、なんとなくppp(ピアニッシシモ)くらいで弾き続けることはできるようになります。
あとは普通の音の大きさ、ピアニッシシモの間の大きさを、順に埋めていけばいいだけ。その辺は自分の指の感じと耳で調整していくしかないですね。自分がどう感じるか、そして録音してみるとその違いに気づくはずです。
逆に大きい音も同じように練習していきます。
普通の音からどんどんタッチを強く、腕の高さも高く、なんなら立って体重をかけてみるバージョンも試してみるといいですよ。
意外とピアノっていろんな音色になるんです。ペダルを使わなくてもいろんな表情になるっていうのかな、そんな感じが私はしました。
fff(フォルテッシシモ)以上の音で弾き続けると、間違いなく腱鞘炎になりますが、たまにはそんな練習法もいいと思います。
指に力がつきますし、速いパッセージをフォルテッシシモで練習してから望んでいる大きさで弾くと、めちゃくちゃ上達した感じがします。
コツ3:イントロエンディングがカッコイイ!2パターンをマスターしよう!

たぶん、コツ1・2で一気にプロっぽくなっていると思います。のですが、さらに追い打ちをかけるなら、2パターンのみでイントロエンディングをくっつけて、プロっぽくしてみましょう。
エンディングにアルペジオをタラララ~ン♪って弾くだけでもかっこよくなりますが、ちょっとひねりましょう。
パターン①ひねったアルペジオ
アルペジオって幅があって弾きにくいと思うのは私だけでしょうか?いちいち指くぐったりするのも面倒なので、私は基本3音を繰り返して弾いています。
といった具合です。ごめんなさい。記事に入れ込む楽譜を作るのが面倒で、カタカナで書きましたが、わかってもらえたらうれしいです。
さすがに、ドミソの順で弾くとちょっとダサってなるかもしれないので、慣れてきたら展開してミソドとか、ソドミとかテンション入りとかにしましょう。
なので左手でベース音だけを弾いた後、アルペジオで上までダーッと弾くと、かっこよくなります。ペダルはもちろん踏んで下さいね。
キーがC(ハ長調)の場合は、G7のコード。つまりソ・シ・レ・ファ。
ソをベース音で伸ばして、シレファのアルペジオにするとそれっぽく聴こえて、曲の始まりっぽくなりますよ。
パターン2:サブドミナントマイナーコードをマスターせよ!
さて、ちょっとだけ専門用語っぽいのが出てきましたね。
サブドミナントマイナーっていうのは、キーの4度マイナーコードのこと。つまり、ハ長調だったら4度がファ。
ファから1つおきにコード音が並んでいるので、ファ・ラ・ド。マイナーコードなので、ラが♭になって、ファ・♭ラ・ド。このコードがサブドミナントマイナーコード。
C→Fm(ファ・♭ラ・ド)
F→B♭m(♭シ・♭レ・ファ)
B♭→E♭m(♭ミ・♭ソ・♭シ)
G→Cm(ド・♭ミ・ソ)
次にこのコードをどうするのかというと、おすすめは3パターンあります。
- コードのまま、3回弾く(Fm→1オクターブ上のFm→さらに1オクターブ上のFm)
- アルペジオにして弾く
- アルペジオの一番最後だけをFmにしてからメジャーに戻す
3番が一番プロっぽいです。実際、プロの演奏でもよく聴きますし、なんかキュンとします。忘れられなくなるというか、ちょっと切なくもなります。
さらにイントロでは、C→Fm→C→Fmというコード進行を繰り返して、最後にG7を弾いてから曲に入るというパターンもありますし、エンディングでも C→Fm→C→Fm が使えます。
きっと弾いてみると、聴いたことがあるパターンだと思うので、ぜひ研究してみてくださいね。
振り返り:スキルを知るだけでもピアノ演奏は大きく変わる!

すぐに使えてプロっぽくなれるコツをご紹介しました。音符を一切使わず、まさかの全部カタカナ表現になりましたが、やってみれば大したことはないコツです。
だからこそ誰にでもできると思いますので、まずはやってみましょう。こういうことかな、と試行錯誤することが何よりも大事です。
そして自分の理想に少しでも近づくように、イメージをしっかりと持って練習してみてくださいね。頑張りましょう。
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