中学からピアノを始めることに親は反対?!その理由と対策とは?

ピアノ

中学からピアノを始めようと思ったら親に反対された!子供が中学からピアノを始めたいと言いだして困っている、という方のために、中学からピアノを始めるとなぜ親が反対するのか?その理由と対策をお話しします。

これからピアノを始めようと思って親に反対されてしまった中学生の方、中学生の子供にピアノを始めたいと言われて複雑な思いに悩んでいる方が、親子のすれ違いを埋められるようなきっかけになればうれしいです。

中学からピアノを始めることに親が反対する3つの理由

キーボードを抱える女の子

まず最初に、なぜ中学からピアノを始めると親が反対するのか、その理由を考えていきます。

中学からピアノを始めてもうまくいかないと思い込んでいる

なぜか一般的なイメージとしても、ピアノは幼少期から始めないとうまくいかないと思ってしまう人が多いです。

ピアノ講師をしていた頃も、

  • 中学生や高校生からピアノを習い始めるのは遅いですか?
  • 全くピアノが弾けない大人がピアノを始められますか?

このような質問はよくありました。

一度、よく考えてみましょう。

  • 「中学生からピアノを始めるとうまくいかないかもしれない」
  • 「幼少期からピアノを習わないとうまくいかない」

これはあくまでもイメージですよね。本当のところは、やってみなければわからないのです。

なぜなら、まだ何も始めていないから。

やる前から「うまくいかない」というイメージを持てば、うまくいかなかった時、想定内の結果になるので「やっぱりね」と思えるわけです。

しかし、「うまくいく」可能性だって、「うまくいかない」可能性と同じくらいあるはず。

  • 「うまくいく」方向に向かって「やる」
  • 「うまくいかない」方向に向かって「やらない」

「うまくいく」にレベルの差はあるにしろ、要するに「やる」か「やらない」の2択なわけです。

ピアニストになれるわけではないからお金の無駄だと感じる

大人の悪い思考回路だと思うのですが、ピアノを習う=ピアニストになる、ではないですよね。

ボールを投げたら野球選手、ボールを蹴ったらサッカー選手、ご飯を良く食べ縦横に大きく育てばお相撲さんか柔道の選手。

確かに、才能が開花され、その通りになることもあるでしょう。

しかし、現実問題として、子供が今、やっていること全てが1つの仕事につながっているわけではありませんよね。

理科が好きだからノーベル賞を取れるわけではないし、勉強が好きだから学者になるわけじゃない。英語が喋れるから通訳になるわけではないし、生徒会長になったから社長になれるわけじゃない。

何事も1対1で考えがちですが、人間は私達の知識や思考をはるかに超えて、もっと複雑でいろんな可能性を持っています。

やってみたいという好奇心をどう判断するか

生まれてからの知識・体験・経験・環境などの全ての情報が融合された状態が「今」なのですから、ピアノを始めること自体も、長い人生における1つのきっかけにすぎません。

ネジ(ピアノ)くらいの物かもしれません。

  • そのネジ(ピアノ)があった方が人生うまくいくかもしれない。
  • ネジ(ピアノ)のある人生を過ごしてみたい。

そのことに気づいた時期が中学生で、ネジの種類がピアノだっただけのこと。

やってみたかったことの憧れを後悔する人生にしたいのか、後悔しない人生にしたいのか

例えば、便利そうだからロボット掃除機を買ってみよう。そう思いついてダンナさんに購入の相談をするのと、中学生の子供がピアノを始めたいというのは、同じ次元のこと。

さて、今一度考えてみましょう。

ロボット掃除機は、あれば確実に掃除がラクになりますが、お金が無駄だと判断して使う前からあきらめますか?ずっとロボット掃除機がある生活を夢見たまま、後悔するかもしれない日々を送りますか?

それとも、ロボット掃除機を導入して掃除の手間を省いた分、自分の時間を生み出して好きな時間を過ごしますか?もし思っていた通りの掃除ができなかったとしても、ロボット掃除機がある生活を知ることで、後悔しない日々を送りますか?

中学生の子供は、進学を控えた中学の時期で、ロボット掃除機がほしいお母さんは大人の時期

時期は違うけれど、1日の時間は同じです。子供の1日とお母さんの1日。要するに、今日1日をどうすごしたいか?の問題です。

ピアニストになるためにピアノを始めるわけではない

中学生は子供と大人の中間地点。幼少期から持ち合わせていた好奇心と、現実の生活との境目で、一番悩む時期でもあります。

高校進学の受験がせまる中、まだ遊びたい自分と何かに打ち込んでいる友達。自分は今のままでいいのかな?自分は何をやりたいのかな?

社会のしくみや仕事のことなど全くわからない中学生が、必死に自分と向き合おうとしているのです。

「何かを始めたい」そんな興味関心好奇心を持ち、親に申し出てくるということは、信頼された親であるという証拠。

ピアノを始める人がみんな、ピアニストにならないことくらい、本当はわかっているのですよね。反対する言い訳として、お金の無駄を利用しているのかもしれませんね。

ピアノを始める時間があったら勉強や部活に打ち込んでほしい

おそらく、ほとんどの親が勉強や部活との両立はどうするの?と思うでしょう。

中学生・高校生は勉強と部活、友達関係や生活、そのすべての両立を求められるという割と厳しい時期だと思います。

「両立する」って大人でも大変なことですよね?でも子供には普通に求めてしまう。

確かに高校進学を一番に考えるなら、勉強することも部活に打ち込むことも大切なことでしょう。

ただ、親が望んでいるのは「子供が勉強している姿を親の目で見て安心すること」です。そして、テストや成績表などで高得点や高評価がつくことです。

例え進学に対して何の不安もない成績になったとしても、さらに上の進学先や成績を求めるでしょう。

なんで中学生からピアノを始めるのはダメ?反対する元になる2つの原因

ピンクのピアノ

ではもう少し深堀して考えてみましょう。

なぜ親は中学生からピアノを始めてほしくないのでしょうか?

【失敗する子供を見たくない】親の転ばぬ先の杖という思い込み

中学生からピアノを始めてもうまくいくと思えない。

そんな風に感じている親の方は、失敗する子供の姿を見ると心が痛むので、できるだけ避けたいのでしょう。そして、子供に辛い思いをさせたくないのかもしれません。

俗に言う「転ばぬ先の杖」というものですね。「過干渉」とも言い換えられます。

親の愛情と言えば聞こえはいいですが、この考えには1つ、揺るがないポイントがあります。

それは「思い込み」です。

過去の経験から先を予測して安全な道を選択したい

思い込みの大半は、過去の経験からきています。

参考:行動力が制限される先入観(思い込み)の怖さ/DIAMOND Online

親がこれまで経験してきたこと、知識などをバーッと計算した時、中学生からピアノを始めるとこの先こうなるかもしれないな、とさらに子供の将来を計算するんですよね。

そして、子供の将来を見据えた上で、今、子供がどういう行動をするのが一番いいのかをはじき出す。

そうすると、ピアノよりも勉強や部活でしょ、という計算結果がでるわけです。

だから、親の過去の経験からの計算上では、「中学生からピアノを始めるのは反対」という結果が子供に伝えられるんですね。

思い込みは親のものでピアノを始めるのは子供|別人格という認識がない

1番の注目ポイントは「中学生からピアノをはじめてもうまくいくと思えない」と思い込んでいるのは親であり、実際にピアノを始めたいのは子供。

つまり、親の過去の計算から割り出された子供の未来は、別人格である時点で成り立たないのです。

なぜなら、親の過去の知識や経験と、子供の過去の知識や経験は、まったくの別物だからです。親も環境も友達関係も学校も、全然違う。

だって、時代が違いますからね。少なくとも20年近くは違うわけです。

だから、親の思い込みで「うまくいかないから反対する」というのは、「中学生からピアノを始めたい」と思っている子供の思いとは、論点が違うということになると思います。

【理想の子供像】親の想定から外れた子供の行動の修正

「中学生からピアノを始めたい」ということについて、いろんな角度から考えていますが、肝になるのは結局、親の理想としている子供の姿と、ピアノを始めたいと言い出した子供の姿が違っているというところにあります。

親は子供が生まれた瞬間から、死なないように、大きなケガをさせないように、幼稚園や学校でうまくやっていけるようにと手塩にかけて育ててきているわけです。

大切な我が子の成長とともに、だんだん、親が想定していた子供の姿との差が出てくるんですよね。 別の人間なので、当たり前なんですけどね。

でも、親になると、なぜか自分の理想通りに子供を動かそうとしていることに気づかないものなんです。

「なんで言うことをきかなくなったんだろう」「反抗ばかりしてかわいくない」と思っている親の方がいたら、それはきっと理想の子供像と現実の子供に押し付けようとしているのかもしれません。

【親の本音】中学生の子供がいる親の頭の中はピアノ以外のことでいっぱい

子供の幸せを一番に望むあまり、親の理想としている子供像を目指して「中学になったら高校進学に向けて勉強しないと」と焦ってしまうのでしょう。

子供のため。これは間違いなくそう思っていると思います。

ですが、子供のため、は結局自分のためです。自分が思っている通りに子供に動いてほしい。想定内通りに動いてくれると、親は安心します。

そんな風に考えてみると「あれ?」と気づきますよね。

  • 親の理想の子供と現実の子供は違う人間だ
  • 親の子供時代と現実の子供時代も別だ

そうすると、今まで、中学生からピアノを始めることに反対していたけど、意味はあるの?という結論になってきます。

中学からピアノを始めることを再検討!親子のすれ違いを埋める対策

ピアノを弾く女性

問題は、頭ごなしに反対することではないと思うのです。もう1度、子供が何を言いたかったのか、何をやりたいと言っているのか、聞いてみないと話が進みませんよね。

【子供から親へ】反抗しないでピアノを始めたい思いを正直に伝え続ける

まだ中学生である子供であれば、親の思いはよくわからないでしょう。わからないことが正解です。まだ、中学生ですからね。

だからこそ「わかってもらえないから親は嫌い」と言って親を避けるのではなく、相手にわかるように自分の思いを伝え続けることが必要です。

学校で勉強しているのはこのためです。

1人1人、みんな違う個性や理解力を持って生きている社会で、人に何をどう伝えるのか。そのために学校へ行き、知識をつけ、コミュニケーションや人との関わりを体験しに行っています。

今、親に自分の思いをわかってもらいたいのであれば、中学生からピアノを始めてみたいと思っているのであれば、これまで勉強してきたことをフル活用して、話してみればいいのです。

何回反対されても、言い方や表現を変え、下調べをした資料を用意して、自分の考えがわかるようにノートなどに思いをまとめてみてはいかがでしょう。

1つの自主学習と同じですから、親の望む勉強になっています。子供の本気度が分かった時、親がどんな反応をして対応をするのか、よく見ておきましょう。

1つだけ確実にピアノを始められるとすれば、あきらめずに伝え続けることです。何かの交換条件で解決せず、思いを伝えて実行できるよう、最善を尽くしてみましょう。

【親から子供へ】反対する前に子供が親に伝えようとしている本心を聞く

全項目の【子から親へ】という内容をお読みください。

そして、子供の本心をまずは聞いてみてください。

親の過去や知識や経験で判断するのではなく、ピアノに限らず、子供と親で今からの未来、何ができるのか、何を達成していけるのかを子供と一緒に作ればいいと思います。

もちろん、勉強も部活も両立も大切ですが、いろんな失敗を重ね、乗り越えていくことが将来を生き抜くための大きな財産になると思います。

  • どんな時でも親が味方になってくれた
  • いつでも応援してくれた
  • バックアップしてくれた
  • 何回失敗しても、そこから立ち上がる方法を教えてくれた

そんな安心感という土台を子供に与えてあげられるのは親だけです。

親の思いを子供に叶えさせるのではなく、子供の思いを叶えられるサポート役にまわる時期がきたのではないでしょうか。

振り返り|中学からピアノを始めることで得られる小さなカケラを持って

ガタガタのピアノ

親子で「中学からピアノを始める」ことについて、いろんな角度から考えてみました。

「やる」か「やらない」か」の2択だけではない親子の思いをきちんと伝えてほしいと思います。

ピアノの先生は、ピアノ教室に来てくれたらいくらでも弾けるようなサポートをします。でも、教室を出てしまったら、親子だけで乗り越えていかなければいけませんね。

ピアノだけではないですが、勉強も部活も親子の話も、きちんと向き合って始めて相手のことを理解できると思うのです。

親子だからわかるとは限らない。

「ピアノを始める」というのは、ほんの小さなカケラです。子供にとっても親にとってもその辺に落ちているカケラ。

そのカケラを自分の人生に組み込むのか、拾ってみたけど使わないのかは自由なんです。そのカケラをどう使うかも自由。

もっとラクにピアノを始めていいと思いますし、楽しむためだけのピアノであっていい。と私は思うのです。

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