【自閉症スペクトラムの子供】「住」む環境を整える5つのポイント

自閉症スペクトラム症

こんにちは!住環境について意識して考えたことはほとんどなかった花緒です。 自閉症スペクトラムの子供が自立して生活していけるために、子育て中から教えていけることを考えていきます。今回は衣食住の「住」について、環境を整えるために押さえておきたいポイントを5つ、考えてみたいと思います。

今日の質問|自閉症スペクトラムの子供がいますが、自分の部屋を全く掃除しません。どうしたらそうじをするようになりますか?

布団の綿を散らかす2人の男の子

いやー。おもしろいと思ったら毎日でもやるのが自閉症スペクトラムという特性ですよね。今のところ、私がそうじについて考えられる方法は、次の2つ。

  1. そうじはご飯と同じで毎日日常的にやるものだという意識を埋め込む
  2. そうじの目的や意味を考え、必要性を知識として教える

そうじって、結局親がやってしまうじゃないですか。さらに言えば、そうじしなくても死なないじゃないですか。

どの程度のそうじをしていくのかは、各家庭によっても違いますし、人それぞれの考えや方針がありますよね。

これって、子供たちにも当てはまるかなと思うのです。

子供が、「そうじしてね」=お手伝い、という認識だとすると、お手伝い=イヤ、という方程式に当てはまれば→やらない、という選択になる。→口答えする・反抗してみる、という行動になる。

子供の認識:そうじ=お手伝い=イヤ・やりたくないこと・やらなくてもいいこと
子供の行動:そうじ=やらない・口答えをする・反抗する
 

最初の「そうじ」に対する認識を今とは違う方向に変えていかないと、そうじはしないままだと思うんですよね。

さらに言えば、自閉症スペクトラムだから→そうじをしない、ということではなく、健常者だってそうじしない人はしないですよね。

お父さん、おじいちゃんとかは家でそうじしない人も多いですし。そうなると、そうじをしなくても生きている大人のモデルが目の前にいるので、やらないよなー。って思いませんか?

そうじをする目的と意味を考えてみる

そうじをする目的自体は、汚れているところをきれいにする。つまり、ゴミやほこりを取り払って捨てること。掃き掃除、拭き掃除をすること、ですよね。

じゃあ、そうじをする意味は?って考えた場合、部屋が汚れることによって、ダニとかカビとかで不健康になったり、物が探せなくて困ったりするからってことで、いいのかな。まだありそうだけど。

それに、きれいに掃除されていると、なんだか気持ちも晴れやかにすっきりしますよね。

これは、私なりの仮説があって、物が目にうつる度に、脳が一つ一つの物を判断してるんじゃないかなって思ってるんです。

例えば、目の前に、おもちゃと文房具と宿題と脱いだ洋服と食べかけのお菓子とテレビがあったとしたら、

・おもちゃ→おもちゃ箱に片づけるもの(子供の物なので子供に片づけさせよう)
・文房具→学校用なのか家用なのかによって片づけ先が違う(子供に聞いてみよう)
・宿題→学校用なので子供のもの(子供に片づけさせよう)
・食べかけのお菓子→誰が食べてこのままにしてるんだ?
・テレビ→居間の備品なので据え置き
 

一瞬目にした居間の一角の様子なのに、物が散乱していると所有者・あるべき正しい場所・その後の対処法を一瞬で考えてしまうんじゃないかと思うんです。

だから、今、子供片づけてほしい。じゃないと、また目にした時に同じことを脳が考えてしまうから、まだ片づけてない、まだ片づけてない・・・・とイライラするのかなって思ってます。

子供のことを考えると、子供にやらせた方がいいけど、言ってもすぐに子供は片づけない。なぜなら死なないから。でもずっとそこに物があると、大人はいちいち脳が処理してしまうから疲れちゃう。

だから、きれいに片付いた部屋は、全部据え置き物しかないので、脳の処理が少なく済むから疲れないのかな。すっきりした気持ちになるのかな。と思っております。

花緒論です。気が向いたら、いつか調べてみます。

そうじのやり方は一から十まで教えておいた方が良い

結局、何の解決にもならないんだけど、小さい時から片づけを習慣にしてきたつもりでも、小学校高学年くらいになると途端に出しっぱなし族の仲間入りをしてしまう。

だからいっそ、始めにお話ししたそうじの認識を変えるしかなく、大きくなってから、そうじとご飯は同じ、とはならないので、小さき子供のうちから、「片づけ」ではなく、「そうじ」をするようにした方がいいのかもしれませんね。

  1. そうじはご飯と同じで毎日日常的にやるものだという意識を埋め込む
  2. そうじの目的や意味を考え、必要性を知識として教える

うちは、好きなことを好きなだけやれせた後、1人で片づけてそうじしてね、っていう感じにしています。

実験するにしろ、布団の上で跳ねるにしろ、元通りにしてねってことですね。やり始めた時点で、一度動きを止めて、今と同じ状態にしてね、と部屋の写真を撮っておきます。

そして、遊び終わった後に片づけてない場合は、その写真を見せて、同じように戻してねと言ってやってもらう。

ここから先は、おそらく根気強く、親も一緒になって怒らないで片づけやそうじをやっていく必要があるとは思いますが、そうやって、そうじや片づけをするということを覚えていくのではないかと思っています。

自閉症スペクトラムの子供が住環境を意識して整えられるようになるための5つのポイント

感覚過敏やこだわりが影響しやすい住環境。家族がいて、親が住む環境を整えていてくれるうちは、さほど問題ではなかったものが、独立して生活するようになるといろんな問題がでてくるかもしれません。

住む環境を整えるにはどんなことが必要なのか、5つのポイントに分けて考えてみました。

住む環境を整えるポイント1|そうじ

キッチンを掃除する女性

そうじはあまりしないと思っておいた方がいいでしょうね。とは言え、子供の性格にもよると思いますが、そうじに対して何のこだわりもない場合、優先順位としても一番下にくるのがそうじな気がします。

なぜなら、そうじをしなくても、全く問題なく生きていけるから。

ただし、自閉症スペクトラムの特性でもある、感覚過敏がそうじを促す可能性は大いに期待できます。

長男も、自分だけが使う空間に、人が入ってくることをものすごく嫌がります。理由は、髪の毛がイヤだから。そして、人の体温の上に長男が座ることがイヤだから。さらに言えばにおいも苦手だから。

友達などにはあからさまには言いませんが、友達が帰った後などに掃除機をかけることはありますね。気になった時だけ、という感じではありますが、ある程度の目的があれば、どんな行動もやるんです。

目的思考型とも言えるかもしれませんね。

だからと言って、やっきになって髪の毛掃除をするわけではなく、気になったら夜でもそうじをしないと気が済まない程度で済んでいるので、今のところは大丈夫そうかなと思っています。

こだわりとそうじの比率

日用品とかの並びが毎日同じじゃないとイヤとか、こだわりの部分と言いますか、そういうものが自閉症スペクトラムの子供には気になるところがあると思います。

自立するまでの間、こだわり続けていくのか、別に死なないから大丈夫か、って思えるか、その辺が成長とともに変わるのかどうかによって、生きづらさは変わってくると思います。

そういう意味で、自立するということは、自分で環境を整えなければいけないわけですね。ずっと親が子供のこだわり通りに物を配置し、環境を整えてあげていれば、自立後の生活でこだわりと違う環境の意味がわからないかもしれませんね。

自立する頃にはその辺の加減がわかってくれることを祈りましょう。

その後、そうじに関してはやるやらないは本当に本人の自覚によりけりだと思います。これは健常者も同じですよね。

ただ、環境が整っているということは、落ち着いて生活できるベースを作ることになりますので、部屋が片付かづかないままだと、物がなくなり、探せなくなり、イラついて・・・を繰り返していくのかな。と予想できますね。

片づけることも掃除をすることも、できるだけ日常にして、習慣にした方が本人がラクではあると思いますが、子供時代はあまりにも難しい課題。

そうじをしなくても、物が多少探せなくても、毎日ご飯が食べれるうちは、身に染みないかな。長男のスペースもひどいものですが、そうじの必要性だけは教えておいて、あとは本人に任せてます。

カビやダニとアレルギーの問題

そうはいっても、食べ物ののカスとか水回りを放っておくと、カビも生えるしダニも増えるし、ハウスダストでアレルギーになることだってあるでしょう。

食パンにカビが生えていることに気づかないとか、開封した乾麺を放っておくと中に虫がわいていたとか、風呂の壁掃除をしないまま放置して、壁にも脱衣所もカビだらけ、という事態になるでしょうね。

一応、そんなことが起こるよ、と教えておくか、あとは定期的に親が行って掃除をするかしかないと思いますが、自立した後のことは自己責任でいいかな。

だから、うじの必要性だけは、しつこく教えています。

カビ取り侍

☆お風呂用

☆お風呂以外用

こういうのを買って、自立する時の餞別に持たせようと思います。

住む環境を整えるポイント2|貴重品の管理

家の鍵

貴重品、特に家の鍵とかは、絶対失くしてしまう気がしませんか?ちゃんと管理ができる気がしないです。

でも、自立して独り暮らしをするようになったら、できないじゃ済まされないのが貴重品の管理ですよね。

  • 携帯電話
  • 現金
  • キャッシュカード・クレジットカード類
  • 印鑑
  • 保険証

このくらいでしょうか。一応、最低限このくらいを考えておけば大丈夫でしょうかね。この辺りの管理をどうするか、ですよね。

ポイントは見える収納にすることを心がけるといいと思います。

目に映らないと、紛失物と同じ扱いになってしまうので、鍵や携帯電話、印鑑や保険証などはすべて見えるところに置いた方がいいんじゃないかな・・・。

ただ、これ、防犯上、モーレツに良くないんですよね。友達が遊びにくるとか、万が一にも彼女ができるとか、お隣さんが回覧板を回してきて部屋が見えるとか、世の中、どんな悪い人が見ているかわからない。

でも、しっかりと収納してしまうと、必要な時に100%探せない。この矛盾をどう解決するかがポイントです。

見える収納自体は、本人の目に見えればいいので、極端に言えば、玄関以外の部屋であれば見える収納も可能なのですが、友達や誰か他の人がくることを想定しないで考えた場合は、見えるようにするか、1か所の箱か何かにまとめて入れておくのがいいのかなと思います。

とは言え、うまくいく気がしませんが・・・。本人次第でしょうか。考えただけでもコワイ。

キーファインダー

文明の利器を賢く使って紛失を防止する作戦。でもこのリモコン的なものまで失くしたらアウト。残念な生き物図鑑の仲間に入れてもらいましょう。

ランドセルキーケース

子供のうちはランドセルにくっつけておくタイプの収納グッズがおすすめ。子供のうちから便利グッズを使って管理の練習をした方がいいですね。

住む環境を整えるポイント3|ゴミ捨て

ゴミ箱と紙屑

ゴミに関しては、市町村のごみ捨てに関しては、ルールが決まっていますし、大抵、わかりやすい絵付きでゴミ捨ての書類や表示がありますから大丈夫でしょう。

ただし、ゴミ捨てが面倒だったり、忘れてしまったりしているうちに、たまっていくとは思いますが、最終的に捨てられればOKでしょう。捨てる気にさえなってくれれば・・・

ルールが明確に決まっているようなものは、おそらく本人のやる気次第ですが、なんとかなると思います。

ひらけ、ゴミ箱

ゴミの面倒くさいを解消できる、魔法のようなゴミ箱。でも、ゴミを投げて箱に入れたい人には、残念ですが相性が合わないと思います。

住む環境を整えるポイント4|備品消耗品を買う

シャンプーなどのお風呂セット

トイレットペーパーやティッシュペーパー、ボディソープ、シャンプー、洗剤あたりでしょうか。歯磨き粉とか?その他、キッチンで使うようなものもあるでしょうが、この辺りは、なくて困れば買ってくると思うので、あまり気にしなくても良さそうな気がします。

住む環境を整えるポイント5|防災用品の用意

缶詰

独身で1人暮らしをしている人のどのくらいの人達が、防災グッズを用意しているのでしょう?おそらく、あまり用意されていないと思います。

しかし、天災・災害に対しては、備えておくことに越したことはありません。こまかく、必要なものを適宜そろえるようなことはしないと思うので、いっそいろいろと揃っている防災リュックを買ってあげればいいのかもしれませんね。

防災セット ラピタプレミアム 1人用

いっそのこと防災セットを買ってしまえばいいと思います。玄関に1つ置いておくとか。ベッドの脇に置いておくとか。買って渡して、部屋のどこかにある状態にしておけば、なんとかするでしょう。

振り返り|住環境は思っている以上に大事だということを覚えてもらえるだろうか

丘の下にある不思議な家

こればかりは自分で1人暮らしをしてみないと、どっちに転ぶのかわかりませんよね。

不安しかないと思っていた子供の方が、しっかりと自立して生活するのかもしれませんし、子供が自立してみないとわからない。

ただ、子供の頃に覚えたものとか、経験したもの、触れたものってなんとなく覚えていたりしませんか?何かの拍子に脳内リンクで情報が表れてくるヤツ。

おそらく、自立し始めの頃は、脳内リンクもあまり活躍しないかもしれませんが、慣れてきて、「そういうことか」というのがわかれば、バンバンリンクが出てくると思うのです。

だからこそ、子供のうちに、まだ親の話を聞くうちに、怒らないで望ましい情報や認識や行動を、知識として教えておくことは大事なことなんじゃないかなと思っています。

ま、ある意味実験ですけどね。

とにかく、自立できるように今のうちにフォローできるところはやっておきたいと思っています。1つでも2つでも、考え方の参考になったらうれしいです。ずっと心配だと思うけどね。

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