幼稚園?療育園?自閉症スペクトラムの子供の幼稚園選びで大切なこと

自閉症スペクトラム症

こんにちは!自閉症スペクトラム症×ADHD×学習障害の長男の幼稚園選びは、自由が多いかどうかという基準で選んだ花緒です。

自閉症スペクトラム症と診断されている子供の場合、幼稚園入園はどうしたらいいのか迷うのではないでしょうか?

長男の場合は、次男の出産もあり、2年保育になりましたが、結果、2年保育で良かったと思っています。

しかし、担任の先生によって大きく左右された2年間になり、就学前に担任の先生の理解と配慮がないとやっていけないことを親子で身に染みました。

そんな経験談を含めた上で、自閉症スペクトラム症の子供の幼稚園選びでは、こんなことに気を付けた方がいいよということをお話しします。

これから幼稚園選びをするにあたって、幼稚園がいいのか、療育園がいいのか、迷っている方の参考になればうれしいです。

幼稚園?療育園?自閉症スペクトラム症はどちらに通うのがいいのか?

芝生でサッカーをする女の子

療育園とは

療育とは

障害をもつ子供が社会的に自立することを目的として行われる医療保育

コトバンク/療育

療育センターとは

一般的に障害のある子どもに対して、それぞれに合った治療・教育を行う場所のことを言います。

LITALICO発達ナビ

障害のある子供が医師や作業療法士などがいる場所で、生活や自立支援をする場所を療育園と呼びます。

ちなみに「療育園」と言った場合は、幼稚園のような場所を指しているイメージが強く、療育センターといった場合は、定期・不定期で通う通所施設のような場所を指しているイメージがあります。

ただし、定義としてこれと決まったものがあるわけではなく、施設によってさまざま、というのが現状。

親子で通う療育園や子供のみで通う療育園など、幼稚園と同じ意味合いで使うものでもないのかもしれませんが、幼稚園は無理そうだから療育園を考えている、という方は結構います。

長男は、通所タイプの療育センターには長年通いましたが、いわゆる幼稚園の代わりの療育園には通っていなかったので、詳細は各施設に問い合わせてくださいね。

通常の幼稚園と併用して通える療育園があるところもあるみたいですので、幼稚園や療育園とよくよく相談してみて、子供にベストだと思う方へ通えるといいですね。

参考までに、合わない幼稚園に長くいる必要もないと思いますので、入園前に思っていた幼稚園とあまりにもかけ離れていると感じた場合は、子供と相談して転園することも検討しましょう。

自閉症スペクトラム症の子供の幼稚園選びで大切なこと

かごにネコを入れている女の子

細かく言えばいろいろあるとは思いますが、一番大切だと思うことは1つだけです。

担任の先生の理解と配慮がある幼稚園に行くこと

公立でも、私立でも、幼稚園に行くなら担任になってくれる先生次第です。

例え幼稚園が、子供の個性特性をしっかりと理解して配慮すると謳っている幼稚園であっても、担任の先生が理解して配慮してくれなければ意味がないからです。

長男の幼稚園は仏教園でしたので、それはそれはとても理想的な理念を掲げている、自由が売りの幼稚園でしたが、結果最悪でした。

【必須】自閉症スペクトラム症の特性と配慮してもらいたいことは入園前に相談する

子供が自閉症スペクトラム症と言ったら、入園させてもらえないのではないか、という不安から入園前に発達障害の特性を幼稚園に伝えないと、入園後に困ることになる可能性があります。

できるだけ事前に幼稚園に相談し、療育などに通っていること、親がやっている配慮などを話しておくことをおすすめします。

ちなみに私は、転園前にいた市の療育センターで、転園先では発達障害であることを先にいってしまうと入園を断る園もあるから、言わずに幼稚園見学に行った方がいい、というアドバイスを真に受け、本当に発達障害であることを言わず、幼稚園見学に行き、そのまま入園が決まってしまいました。

おそらく、たくさんの子供を見てきている幼稚園の先生方なら、新人の先生以外、発達障害かどうかはうっすら気づくと思います。

長男の時は、仏教の幼稚園だし、特定の子供を理解しないことなどないだろうと勝手な思い違いをしていましたが、関係ありませんでした。

自閉症スペクトラム症の子供が幼稚園でやっていけないと思った理由

背合せになっている男の子二人

まずは、長男が幼稚園ではやっていけないと思っていた理由をお話しします。

あくまでも長男のパターンではありますが、割と典型的な自閉症スペクトラム症だと思うので、似ている特性があるお子さんの参考になればうれしいです。

こだわりが強い

こだわりが結構強かったです。小6になった今でも、自分のやり方を通したい、というこだわりはありますが、就学前は自分のやり方を通せないとパニックを起こしていました。

  • 知らない道→通らない(歩かない)→おんぶ・チャリで一度通ってみる
  • ブロックを積むと言ったら積み終わるまでやめられない→切り替えと同じ
  • 納得のいく形にならないとやめない→紙に○を書き続けること40分

一例ですが、食べ物や感覚的なものでもいろいろ問題はあったものの、自分のやり方に関してのこだわりはとにかくすごくて、集団生活は無理だろうと思っていました。

パニックをおこす

人に言われたことに納得ができないとき、さらに言われた行動を起こさなければいけないとき、長男はパニックを起こしていました。

要は、長男が真剣に遊んでいるのに、「幼稚園に行く時間だから片づけていくよ」みたいなことを言うと、遊びたい自分の気持ちと、親に言われていること(片づけて幼稚園に行く)をやらなければいけない気持ちが処理できず、パニックになるという感じ。

すごく簡単な例で簡単に書きましたが、パニックになるとテコでも動かないし、落ち着くまでに時間がかかって、結局遅れたりするので、大変なのです。

家の中でパニックになる分にはいいのですが、外でパニックを起こされると面倒です。

言葉が通じているのか通じていないのかわからないことがある

長男と「会話」というものができるようになったと感じたのは小4の頃。

それまでは、問いかければ答える、問いかけて答えてもらう、以外はありませんでした。

イエス・ノーという答え、食べる食べないという答え、行く行かないという答え、そんな感じですね。

やってはいけないことを話してみても、目が合っているのかもわからなかったし、話を聞いているのかもわからなかった。

今思えば、おそらく私の喋っていたことの8割以上はわかっていなかったのだと思います。情報量が多すぎて理解できなかったのかも。

切り替えが難しい

とにかく、今やっていることに集中しているので、予告なしに突然やめることは難しかったです。

必ず始める前に予告して(○分遊んだら片づけて帰るよ)、30分前に予告して(あと30分で片づけて帰るよ)、10分前に予告して(あと10分で片づけね)、3分前に予告して(あと3分で終わりです)、終了、といった感じ。

予告の度にキチンと意志を確認しておかないと、後々パニックになるので、一度トントンと肩を叩き、正面から長男の目を見て伝えていました。

長男は私を見ていないこともありましたが、それでも正面から長男の目を見て伝えるようにすることで、予告は聞こえていたみたいです。

予告に最適なアプリ|絵カードタイマー

絵カードタイマー
絵カードタイマー
開発元:Ryuta Yoshitake
無料
posted withアプリーチ
子供達はわかりやすかったみたいで、このアプリでタイマーをかけて行動を終了させていました。
このアプリがおすすめなのは、「あと○分」とか「終了」とかの合図を、自分の声で録音できること。
さすがに自分の声は、ちゃんと聞こえるみたいですよ。
すごく助かったアプリです。
 

その他幼稚園を選ぶポイント

理解して配慮してくれる先生がいる幼稚園を選ぶためには、自閉症スペクトラム症であることを事前に幼稚園に相談することが一番です。

それ以外では、どんなところを基準に選べばいいのか、私の案をご紹介します。

子供の発達や特性によって選ぶことを前提に、参考にしてみてください。

幼稚園に通っている子供達の目や表情を見て選ぶ

幼稚園にいる子供達が、キラキラと目を輝かせて遊んでいたら、入園を考えてもいいと思うくらい、園で過ごしている子供の姿は幼稚園選びの参考になると思います。

子供は正直ですから、ウソつきませんからね。楽しくない幼稚園で目を輝かせることはないでしょう。

1つの判断材料として子供の目と表情を見てみましょう。

遊ぶ時間が長い幼稚園を選ぶ

課題や取り組みが少ない幼稚園とかぶりますが、自由に遊べる時間が長い幼稚園を選んだ方がいいのではないかと思っています。

というのも、好きなことをする時間があるから、幼稚園が楽しいと紐付くのが子供時代。

音楽や英語、スポーツにマーチング・科学など、取り組む課題が多いと、それだけ切り替えをしていかなければいけませんし、こだわっているどころではなくなります。

いろいろ気にしないで周りに合わせていける子供なら問題ないかもしれませんが、ストレスになってしまう子供もいるかもしれません。

幼稚園時代はまだまだ遊びたい頃ですので、「自由」に過ごせる幼稚園だと親も子も心配ごとが少なくなるんじゃないかなと思います。

大きな行事が少ないところを選ぶ

先程と同じような理由ですが、運動会と発表会(学芸会とか作品展とか)の2回くらいがちょうどいいと思います。

各学期ごとに大きな行事があったりすると、常に先生も忙しく、子供に合わせた保育が間に合わなくなることもあるでしょう。

先生の余裕が子供への保育にもつながると思っているので、行事でいっぱいになっているところよりは、行事が少なく、日々の生活に重点を置いている幼稚園の方がストレスが少ないかと思います。

課題や取り組みが少ない幼稚園を選ぶ

先程と同じですが、課題や取り組みは少ない方がいいと思います。または、参加できるところだけ参加する、作品系は作れなくても良いなどの配慮があるとうれしいですね。

専科の先生が何人かいる幼稚園を選ぶ

音楽とか絵画とかパソコンとか体操とか、専科の先生が入っている幼稚園を選べるといいと思います。というのは、幼稚園はある意味、孤立した組織になりがちです。

外部の人が入ることによって、保育が偏った方向へ行きすぎるのを防げると思っています。

先生方も人間ですが、組織というのは得てして理想通りにいくものばかりではないですよね。就学前でちゃんと喋れない子供ですから、虐待などを防ぐという意味でも外部の先生がいるというのは、幼稚園選びの1つの基準としてみてもいいと思います。

だから安心、といういわけではないですが、一つの基準として考えてみてくださいという意味です。

担任の先生にもある程度の方法は教えていたのですが、一応会話ができる(聞かれたことに応えるだけですが)ので、「できるだろう」と思ってしまったようです。

できない、わからない、動けない長男に対し、クラスのみんなの前でガンガン怒っていたようで、次第に長男はクラスを抜け出し園庭で遊ぶようになりました。

さらには「幼稚園に行くくらいなら死んだ方がマシだ」とまで言うようになり、理解してもらえないと生活が成り立たないことを知りました。

【例】長男の幼稚園時代

入園後年中時代|担任の先生の理解と配慮で問題なく過ごす

最初の幼稚園は公立幼稚園でしたので、幼稚園じたいが2年保育でした。担任の先生が、自分で発達障害の勉強をしに東京大学にまで通うくらいの先生だったので、全くもって何の問題も起きませんでした。

もちろん、やってはいけないことをやったり、友達とのトラブルがあったり、はありましたが、他の子供と同じくらいでしたし、トラブルを起こすのではなく、ずるがしこい子にやられてしまう方です。

その辺も先生がうまく対処していたので、親同士でのトラブルになることもなく、子供同士もなんだかんだいって楽しそうに過ごしていました。

転園後年長時代|担任の先生の理解と配慮が受けられず最悪な年長時代に

年長になる前の春休みに引っ越しをしたので、幼稚園も転園しました。

進学する公立小学校の近くにある幼稚園で、自由に過ごせる幼稚園を選びましたが、担任の先生が発達障害のことを全く知らず、理解も配慮も得られませんでした。

振り返り|自閉症スペクトラム症で入園を断られるような幼稚園には行かない

くまのぬいぐるみと向かいあっている男の子

考えてみれば、発達障害だから、自閉症スペクトラム症だから、という理由で幼稚園への入園を断るというのはおかしな話ですよね。

ただ、プレに通ったり、幼稚園の説明会で子供の相談をした時の対応などで、不穏な空気を感じるのであれば、入園をやめておいた方がいい場合もあるでしょう。

結局のところ、入園してみないとわからないというところもあるわけです。親の予想をくつがえすように、幼稚園になじんで何の問題もない、ということも無きにしも非ず。

親の取り越し苦労で終わればいいのですが、その逆が困る訳ですね。大丈夫だと思っていたのに、全くうまくいかなくて、二次障害(チック・登園拒否・難聴・頭痛・腹痛などの体調不良・メンタル不良など)が出てしまう場合です。

確かに幼稚園は、その後の就学に備えての訓練でもあるわけですから、多少の我慢やあきらめ、妥協が必要になってきます。

しかし、発達が遅れているとされている発達障害の子供達は、同年代の子供たちと同じような行動がとれない場合もあるわけですね。

それがダメなのではなく、子供が納得いかないことにも、気持ちの整理が付けられないことにも、寄り添える大人がいることが、自閉症スペクトラム症の子供たちへ、こだわりを抜けてきても大丈夫、という安心感を与えると思います。

寄り添うことから始めて、幼稚園で過ごしていいんだと思えるようになるまでの、子供の特性への理解と配慮が欲しいわけです。

ですので、子供が自閉症スペクトラム症だと幼稚園に相談した時に、少しでも表情が曇るようであれば、他を探した方がいいかもしれません。

こればかりは、みなさんの判断になってしまいますが、自分の直感を信じて、子供に合う幼稚園を選びましょう。合わなかったらお金はかかりますが変えてもいいと思います。

幼稚園や先生、そしてその幼稚園にいる子供達の目を見て判断してください。

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