朝起きられない状態を脱出!発達障害の子供の効果的な起こし方実例

発達障害

一日動いた体や脳は、適切に休めていくことで、メンタルも体調も維持できるというもの。子供も大人も同じです。

夜寝ない、朝起きない、という困りごとは、子育てにはつきものなのでしょうが、特に発達障害の子供には寝ないというものが多く、結果、朝起きないということになりがちです。

3歳くらいまでは、夜寝なくても朝早くから勝手に起きて遊んでいた長男ですが、幼稚園に入ったあたりから起きなくなりました。

そんな長男をなんとかして起こし続けた実例(幼稚園あたりから中2の現在分まで)を紹介します。

発達障害の子供が朝起きなくて本当に困っている、という方の参考になればうれしいです。

朝起きられない状態を脱出!なんとしてでも起こした効果的だった実例

本当にいろんなパターンを試したのですが、おそらく発達障害だからこの起こし方が効果があった、というものではない気がします。

成長や発達の切り替え時などは、今までは寝なかったのに寝るようになったり、起きれていたのに全く起きなくなったりすることもあり、ある種の周期のようなものがあるように感じたこともありました。

私が実際に試してきたものの中で、割とうまくいったものを紹介します。

ただし、人間、なんでも慣れると効果がなくなっていきますので、慣れる前に習慣的に起きられるようにしていけるといいですね。

【一番効果的あり】「朝からお楽しみ時間を過ごす」予定を前夜に決める

朝起きてから学校や幼稚園に登校するまでの間、毎日バタバタしてしまいますよね。

トイレ行って、顔洗って、ご飯食べて、着替えて、持ち物を持って、登校。「早くしなさい!」が連発される時間です。

テレビがついていれば見てしまうし、先の見通しを持って朝の時間を過ごすわけではない発達障害の子供は、どうしても「朝=怒られる時間」になりがち。

朝起きて、布団から出てしまえば、怒られる時間に突入するわけです。

ということで、朝の時間を「怒られる時間」から「お楽しみの時間」に変更しよう、という作戦を実施してみました。

朝は、「朝の時間は〇〇して過ごすんだったよね」と声をかけて起こすだけ。すぐに起きなくても怒ったりせず(朝を怒られる時間にしない)、優しく話しかけることを意識しました。

朝の時間を「お楽しみ時間」に変える方法

前日の夜に、次の日の朝、どんなお楽しみ時間を過ごすのか決めてから寝るだけ。朝の時間を楽しみに寝ることで、「起きれない」から「起きたい」と思うモチベーションを作ります。

でもでも、そんなことしたら、朝からガッツリ遊び始めて、幼稚園も学校も行かないじゃん、って思いますよね。

もちろん、その可能性もゼロではないのですが、

ちょっとだけコツがあります。

お楽しみ時間は決めておく

発達障害児子育ての定番ですが、もちろん、時間は決めておきます。起きてから学校に行く前までの「朝の時間」ですからね。

それこそ、15分や20分でいいわけです。

これまで、ダラダラしていて怒られていた時間を、お楽しみ時間にすり替える、ということ。

まずはこのポイントを押さえたうえで、何をして過ごすのかを子供と決めていきます。長男はタイマーを使って時間を過ごしました。

いちいちセットしなくても、その日に使える時間を上にするだけのタイマー。

スマホのアプリでもいいのですが、タイマーをセットするのにYouTube見ちゃう、ゲームやっちゃう、という方向に行かないためには、別個のタイマーがあると便利です。

お楽しみのタイミングは朝の準備がすべて終わってから

朝起きてすぐにお楽しみ時間に入れたら、おそらく一番効果的だと思いますが、あくまで登校前の時間の過ごし方なので、それはやりませんでした。

とにかく、興味のあることを始めるとやめない。この特性を理解した上で、先にご飯や登校する準備をすべて終わらせます。

先の目的がちゃんと理解できている状態だと、やるべきことも結構早く終わりますので、それこそ、起きて15分でご飯も用意も終わらせて、その後45分はお楽しみ時間、なんてことも可能。

日々の体調や気分で、多少の差こそあれど、長男にはそれなりに効果があった方法です。

お楽しみの内容は子供が決める

朝を楽しみに起きるのは子供ですので、何をして過ごしたいかは子供に決めてもらいます。

ただし、時間の制約があるものは、条件付きにしないとうまくいきません。

例えば、〇分で1つ、みたいなものですね。

  • アニメを1本見る
  • すぐに切れないゲーム(対戦やオンラインなど相手がいるもの)
  • マンガ(先が気になってやめられない)

他に思いつかなかったのですが、きっといろいろあるでしょう。

一番いいのは、すぐにやめられるものですね。

ブロックや積み木、一人でカード遊び、塗り絵などなど。いつやめても支障がないものが良いです。

時間に合わせて複数の候補を出しておく(3つくらい)

朝の準備が早く終わってからの時間に合わせて、内容をいくつか決めておきます。

  • 10分以内
  • 20分以内
  • 30分以上

だいたいこのくらいのパターンがあるといいですね。

30分以上時間が空く場合は、それこそアニメを一本見ることも可能ですね。

一度味をしめると、アニメ見たさに早く起きるようになってきますし、早い時間に起こしてくれと頼まれることも出てきます(長男→平日土日関係なく、毎朝6時起床中)

内容が決まったら、何かしらの物にメモをして、枕元にでも置いておきます。起こして少し目が開いたところで見せれば、「ハッ」と覚醒します。

慣れてしまえば効果は薄くなりますが、やってみる価値はありです。

もちろん、電子パッドである必要はなく(あると便利なだけ)、紙とマジックで少し大きめに書いておくと、寝ぼけていても見えるみたいです。

物で遊ぶときは片付けなくてもいい朝時間専用場所を確保

朝のお楽しみ時間は、とにかく楽しむことに専念するため、片付けはやりません。

ちゃぶ台のような小さな専用台を部屋の隅に置いておき、夜のうちに遊ぶものをセット。朝起きて、行く準備がすべて終わったら、この場所で遊び、時間がきたらそのまま登校。

このカジュアルで身軽な感じが、朝時間を楽しむことにつながり、朝が楽しい時間に変わっていく、ということです。

できれば、専用台や場所は、朝専用で使いたい。

帰ってから片付けなければいけない、こうなってしまうと、片付けることが面倒になって朝時間の効果が薄れてしまうかな、と思い、長男は専用場所を確保しています。

学校にすぐ行けるように準備は済ませておく

朝に学校の準備をすると、それだけで時間が終わってしまうため、あまりよろしくないことは親であればご存じでしょう。

ただ、前日のうちに次の日の準備って、なかなかやらないものなんですよね。

しかし。

次の日の朝にお楽しみ時間があれば、話は別。最初のうちは、親が一緒に次の日の準備を手伝って、前日のうちに準備完了!にしておけばよし。

朝、起きなくて困る方がいいのか、子供が忘れ物をする方がいいのか、親としてどっちがストレスたまりませんか?ってことですね。

朝ごはんはすぐに食べ終わるものにする(念のため)

朝から骨がたくさんある焼き魚や、食欲と一致していない量、または嫌いな食材などを朝ごはんに入れるのはやめた方がベスト。

サッと食べてすぐにお楽しみ時間に入れる。朝時間の成功のポイントは、1つの行動から次の行動に移るときのスムーズさにかかっています。

ゆっくり噛んで、とか、朝からバランスよくすべてのものを食べて、など、あれこれ望まないことも重要。

まずは、朝、ちゃんと起きてもらうために、朝時間を楽しいものに変えること、そこに専念です。

理想となってしまう可能性は高いのですが、「朝はお楽しみ時間を過ごす」はおすすめの方法。

朝の時間を楽しく過ごせれば、充実した感覚を持てるようになっていき、自己肯定感UPにもつながります。

長男の例

ちなみに長男中2現在は、朝6時に起きてフォートナイトをやっています。

部活や勉強で時間が取れなくても、朝から1時間近くゲームができることでゲーム時間を確保しつつ、夕方や夜の人とは違う人が参加しているから面白いらしいです。

さすがに朝からゲームはどうなのよ、とも思いますが、実は長男にはずっとゲームをやらせていなかったので、中1の正月にゲームデビューしたばかり。

自閉傾向の特性がある長男は、現在、ゲームでコミュニケーションが取れる喜びを初めて体感しているため(特性的に顔の表情が見えない方がコミュニケーションがとりやすいらしい)、あえて時間などの制限をつけていないのでした。

小学生の時は、朝からドラゴンボールを見たり、将棋をやったり、ブロックをやったりしていました。

朝ゲームがいいのか悪いのかは別として、とりあえず朝は起きていますし、学校にもちゃんと行っている。ということで今はこの方法で子供を起こすストレスはほぼなしです。

起こしつつマッサージをする(逆に寝てしまうこともあり)

起こしているがぼーっとしているときに、背中をさすったり、手のひらを軽くマッサージしたりすることで、目が覚めていた時期がありました。

ただし、慣れてしまうと逆に気持ちよくなってしまい、2度寝につながることも・・・。

これは小学校中学年くらいまでですね。大きくなってからもマッサージしてたら、子供の嫌がるでしょうし、ちょっとコワイかと。

起こしつつ子供が興味のある質問をする

  • 漫画やアニメのキャラの名前を聞く
  • ゲームのイベントの内容を聞く
  • 楽しみにしているお出かけのことを聞く

などなど、なんでもよいのですが、子供が興味を持っている内容を質問してみると、だんだん目が覚めてきます。

成長とともに「うるさいな」と思い始めたら効果はありませんが、内容によっては中2の長男でも普通に答えてくれます。

質問は1・2個でしょうね。起きるきっかけ、目が覚めるきっかけにすることが目的ですので、あまりに何個も質問すると、うるさがられるでしょう。

【ほぼ強制的に】冷たいタオルで顔をふく(びっくりして怒り出す可能性あり)

子供によっては、効果抜群の場合と、モーレツに嫌がる場合があります。

肌感覚が過敏の子はやめておいた方がよいでしょう。また、いきなり冷たいタオルを顔にのせるとびっくりして怒り出し、逆効果になる場合もありますので、子供の特性に合わせた方が良い方法です。

私は、目は覚めているけどあと一押し、というときに、「顔拭いておくね、朝から〇〇やるんだったよね」と声をかけ、サッと拭く。

ゴシゴシしたりはしません。

ただ、タイミングが悪いと機嫌が悪くなるので、その辺はうまく使い分けています。

【慣れると効果なし】音楽を聴かせる

幼稚園時代、どうしても起きてくれなくて、朝からドラゴンボールやワンピースなどの主題歌を聞かせて起こしました。

始めのうちは、ムクっと起きて、1曲分スマホを見ていましたが、慣れると起きなくなりました・・・。

耳がいい、感受性やリズム感がいい子の場合、良質なイヤホンなどで音楽を聴いてもらうのもいいでしょう。

スマホだと、あれこれ誘惑がつまっていますから、音楽専用にするならMP3プレイヤーもおすすめです。

緒が音楽を入れてあげれば、持ち歩きつつ使えるので、割と重宝します。特に、年齢が上がると、勉強や移動など、いろんな場所で使えるため、本当に重宝します。

【慣れると効果なし】動画を見せる

こちらも音楽と同じで、短い動画を起こしながら再生すると、ムクっと起きていました。

動画の場合、そのまま連続で見てしまい、止めなくなったこともありましたので、うまく調整しないといけないです。

いずれにしよ、何かしらの刺激があればムクっと起きますが、慣れるとずっと寝ていますので、一時的な方法だと考えていただければいいと思います。

1つあると結構便利なポータブルプレイヤー。今はいつでもどこでもスマホが使えますが、小さい画面だったり、親のものであったりと不便なこともありますよね。

俗に言う、動画に子守をさせるってやつに該当すると思いますが、物は使いようです。便利グッズをうまく使って、ストレスをうまく逃していく手段にしていければいいのでは?と思います。

振り返り:発達障害の子供が朝起きる目的を持ったことがうまくいったポイント

長男が朝起きれないときは、「学校がウザイ」とか、「単に眠い」ということが原因のようです。

翌朝のお楽しみ時間を決めてからというもの、たまに起きれない日があったとしても、毎日起きれないということはほぼなく、起き続けられています。

発達障害の子供は、何かしらの目的があった方が動きやすい、と私は考えているのですが、長男にはこのパターンが合っていたのでしょう。

ちなみにHSCの次男にもこの方法は使えますが、逆に楽しみになり過ぎてしまったり、起きれなかったときにプレッシャーを感じたりし過ぎてしまうので止めました。

やはり、子供に合った方法が一番であることは間違いありませんね。

子供の特性を知り、子供とよく相談して決めて実践することで、もしかしたら朝の起きるということがすんなりいくかもしれません。

発達障害の子供が、朝起きなくて困っている、という方は、一度試してみることをおすすめします。