【実践編】独学でピアノが弾ける具体的な方法解説~後半~

ピアノ

こんにちは!自分の思った通りにピアノが弾けると、ピアノとの一体感が楽しすぎて止められなくなる花緒です。

独学でピアノがひけるためにはどうやって練習していけばいいのかを10項目に分けて解説しています。今回は実際に楽譜を購入し、弾く練習~完成までを解説します。

すでに楽譜が読める方はこちらの記事から参考にしてみてください。

独学でピアノが弾けるための具体的な方法と4つの研究

キーボードを弾く女の子

こちらの続きになります。

独学でピアノが弾けるようになるための10項目はこちら。

  1. 指の筋肉をピアノが弾ける動きにする
  2. 腕や肩など、座る姿勢を含めた身体全体の筋肉をピアノ用に整える
  3. 鍵盤の名前と音の場所、ペダルの構造など、楽器の特性を覚える
  4. 楽譜を読めるようにする
  5. ピアノで弾きたい曲を歌えるようになるまで覚え、弾きたいイメージを持つ
  6. 弾きたい曲の楽譜を探し、購入
  7. 楽譜を読みながら、運指の研究
  8. 弾きながら自分のイメージする通りの音色を研究
  9. 弾きながら運指やペダル、音の強弱や表現などを研究
  10. イメージ通りに弾けるようになるまでひたすら研究

前半で1~5まで解説しています。今回は6~10の解説をしていきます。

今回シリーズで解説している独学でのピアノ練習法は、実際にピアノ教室で教えていた頃に、生徒に教えていた内容です。

結局、ピアノが弾けるようになるとか、上達するというのは、独学でどれだけいろんな気づきを得て練習に反映していけるのか、というところがポイントになるため、教室に習いにいかないとピアノが弾けないということではないのです。

レッスンでポイントや生徒とは違う私の見方や考え方を吸収し、家に帰って試行錯誤しながら練習することで、自分で考え、自分で練習を組み立て、自分でゴールに向かっていけるようになるわけです。

他力本願ではなく、自ら学ぶ姿勢と意志の固さが、独学を成功させると思っています。

弾きたい曲の楽譜を購入する

弾いてみたい曲の楽譜を購入しましょう。

すでに楽譜を読めるように勉強していると思いますので、楽譜を見て、このレベルなら自分が弾けそうだと予想を立てることができると思います。

もし、楽譜を見てもよくわからないようであれば、もう一度楽譜の勉強に戻りましょう。

独学の場合、学習の積み重ねが目標達成につながるので、土台部分である基礎をしっかり勉強しておいた方が、実際にピアノを弾く段階になった時に各段に成長スピードが変わってきます。

逆を言えば、基礎である土台を中途半端にやっていることで、その先にある演奏部分のつまづきを超えられず、自分はピアノが弾けない、才能がない、などと思いがちですが、単なる勘違いです。

通らなければいけない道は必ずあり過去にスキップしてしまった結果が現在に響いているだけのはなし。スパルタでも何でもなく、言い訳ですね。

最低限の音符の読み方や音符の長さ、調号と調の関係あたりまでは知識として覚えてから先に進みましょう。

さらに言えば、楽譜の勉強で音符が読めない、楽譜がわからない場合、

  • 学習障害を疑う
  • 本気でピアノを弾けるようになろうとは思っていなかった

ということになるでしょう。

本が読めない、文字は読めても内容が理解できないなど学習障害の傾向がある場合は、教本での勉強はやめて、YouTubeなどの動画での勉強に切り替えましょう。

忍耐力を鍛えると思って、しっかりと勉強してから、もう一度楽譜選びをしてみると、明らかに自分が弾けるレベルかどうかの判断がつくと思いますよ。

運指の研究

運指はピアノを弾く上でとても重要な役割があります。

初心者ほど、運指にこだわらず、運指を指摘されることをイヤがりますが、運指を無視してピアノが思い通りに弾けることはないと思って下さい。

運指の研究が必要不可欠な理由は手の構造にある

私達の手の構造をよく見てみましょう。

88鍵あるピアノを弾く上で、私達の指は左右にそれぞれ5本ずつ。

1オクターブはドからシまでで7音。指が2本足りませんね。

そして指は、基本的に上から下におろして鍵盤を叩くしくみなので、弾く指が他の指を超えて離れた鍵盤を弾くことは不可能。

さらに曲は1オクターブだけで成り立っているわけではなく、効率良く88鍵の上を打鍵して曲を演奏するわけです。

理屈で考えれば、運指が必要不可欠であることは理解できると思います。

自分が弾きやすい運指を研究することに意味がある

楽譜に書いてある運指の通りに弾けば良いというわけではなく、自分ならこの運指が弾きやすいという方法を研究し、見つけることに意味があります。

  • 演奏している間中、全ての指番号と音を記憶することは難しいから
  • 指定されている指番号はあくまで推奨だから
  • 自分で考え出す方法が、自分に一番合っている運指になるから

演奏に慣れてしまえば、指番号なんて考える必要はなくなりますが、スムーズに弾けない場合は運指を改善することで対処ができます。

初心者のうちから運指に意識を向けておく必要性

不思議なことに、基本の運指でピアノの練習をし続ければ、考えなくても指が勝手に動くようになるんです。そこまでくるには何年もかかりますが、だからこそ、初心者のうちから運指を意識することが大切なんです。

運指を無視した演奏で慣れてしまった後から、やっぱり運指が必要だと意識しても、すでに演奏のクセがついてしまって、直すことが難しくなります。

演奏のゴールは、自分のイメージの曲を演奏することで、指の運指に意識を向けて演奏するわけではありませんね。

ですので、楽譜を買って、これから練習するぞ、という始めのうちに、運びのいい運指を研究しておくことをおすすめします。

楽譜を見ながら、鍵盤上で実際に弾いてみて、研究をしてみましょう。

運指の教本|ラクラク運指のピアノ・ソロ

運指の勉強ができる本。ついでに有名な楽譜付です。

自分のイメージする音色・音の強弱を研究

子供や初心者の方は、ピアノを叩いた時の音、音の強弱をつけるくらいで、音色に関しては無頓着です。

通常、趣味でやっているピアノでは、音色に関してまで注意されることもありません。

しかし、ピアノという楽器で音を楽しむわけですから、音色にはこだわりましょう。

音の強弱を研究する方法

一番わかりやすい方法は、鍵盤を叩く位置を変えること。

  • 鍵盤から指を離さずにそのまま降ろす
  • 鍵盤から指を3cm上げて鍵盤へ向けて指を落とす
  • 手首や腕ごと鍵盤から20cm上げて鍵盤を叩いてみる
  • 鍵盤をゆっくり押してみる など

このあたりで、音の強弱は変わります。

一番小さい音と一番大きい音を弾いてみて、その間を埋める強弱を決めていけば良いだけです。

いろんなタッチを試してみて、音色がどう変わるのかを意識して聞き、調整をします。

目に見える方法ですと、プロのピアニストがピアノを弾いている時、体を揺らしたり、首を振ってみたり、上を向いてみたり、手を思い切り上げて弾いたりするのを見たことはありませんか?

鍵盤の上で指をすべらせたり、一度弾いた鍵盤を押し込むように指を左右に揺らして押さえていたり、すごいスピードで連打したりすることもありますね。

鍵盤とハンマーの位置関係は変わりませんが、鍵盤のタッチの仕方ひとつで、ハンマーに伝わる何かが違うのでしょう。

アコースティックのピアノであれば、確実に音が違ってきます。

自分のイメージする音色が演奏の質を上げる

何をどうするとどう変わるのかなど、科学的な根拠は調べていませんが、自分のイメージする音色をピアノで再現できるようにタッチの研究をすることで、曲を演奏した時の完成度が全く違ってきます。

さらに、自分のイメージと近い音色で演奏ができることで、ピアノと自分が一体になったような一体感を感じることができます。

「ピアノが代弁者になる」というと大げさになるかもしれませんが、音色に意識を向けることはピアノ弾きにとっていずれ必要になること。

上級者だけが音色にこだわれるわけではなく、初心者のうちから意識しておく必要がある要素だと私は思います。

さらに、音色に意識を向けてピアノを練習することで素人感がなくなり、独学のレベルが一気に上がりますよ。

ペダルの調整・表現を研究

ペダルを意識なく踏んでしまうと、バコンバコンと音が出てしまいますね。

ペダルは弦を押さえている部分を話して、音を伸ばして、響かせたり音をつなげたりする役割があります。

なめらかなペダルの切り替えが、演奏をスムーズにしたり、微妙な音の表現を可能にします。

初心者のうちは、ペダルを使う曲はないかもしれませんが、エリーゼのためにを弾くレベルになったら使う時がきます。

ペダルの踏み加減を5つくらいに分けて、2・3あたりで踏み込む練習をしましょう。

慣れるまでは難しいかもしれませんが、 演奏をしながら微妙な調整をしつつ、 意識することで足が勝手に覚えてくれるようになります。

できるかできないかより、意識するかしないかで大分違います。

全体を通して自分のイメージ通りになるまで研究

ようやく、ピアノで演奏するところまできましたね。

最後は自分のイメージ通りになるまで、自分の演奏を調整していきます。

やり方は、次の4つ。

  1. 自分の演奏を録音する
  2. 演奏を聴く
  3. 自分のイメージ通りになるように調整する
  4. 自分のイメージ通りに弾けるようになるまで繰り返す

録音して聴くことが一番わかりやすいです。演奏を聴いて、自分で指摘して、自分で修正の練習をする。そしてまた演奏を録音する。この繰り返しです。

自分のイメージをどこまでのレベルで設定するかによって、1曲仕上がるまでの日数が変わってくるでしょう。

こうしたら→こうなる、ということを繰り返すことで、独学でもピアノが弾けるようになったと思います。

振り返り|独学とは自分が追い求めるイメージに向かって研究を続けること

都会のイメージを持つ女性

子供でも大人でも初心者でも、独学でピアノを弾けるようになるための心得から解説までやってきました。

ただピアノと楽譜に向かって、音符を追って鍵盤を叩いているだけでは、自分の思っている演奏との差はいつまでたっても埋まりません。

結局、他力本願でいるうちは、何をやっても上達していくことはありません。何事も、自分で考え、改善していくことで、習得できるスキルもあるということですね。

独学でピアノを弾けるようになりたいのであれば、いい音楽をたくさん聴いて、自分の演奏との違いに気づきましょう。

何をどう練習すれば、自分の理想に近づくのかを発見していきましょう。そのためには、教本だけではなくいろいろと調べ、勉強していきましょう。

私もまだまだ勉強中です。

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