育てにくい子供の癇癪と徹底的に向き合う対処法【実践手順あり】

育てにくい子ども

次男の癇癪に困り果てた末に対処した方法を実践手順付きで紹介しています。

科学的根拠はありませんし、私が次男用に考えた対処法ですが、根本から考え向き合った結果、次男の癇癪はほぼなくなりました。

子供の癇癪に困っている方へ1つの案として参考になればうれしいです。。

【はじめに】育てにくい子の癇癪と向き合う前に気を付けておきたいこと

考える女性

子供の癇癪にはもううんざり、どうやって対応したらいいのかわからない、外出時に癇癪を起されると本当に困る、など子供の癇癪は想像以上に親のストレス要因になると思っています。

これから子供の癇癪の対処法を順にお話ししていきますが、なんとかして子供の癇癪をなくそうとするあまり親の思いを子供にそのままぶつけてしまう危険性があります。

もし本気で子供の癇癪をなんとかしたい、癇癪を起こす子供をその辛さから解放したいと考えているのなら、まず親が大人になりましょう。

まずは気を付けておきたいポイントからお話ししていきます。

子供の癇癪は表現がうまくいかないことの代替手段

子供の癇癪は、自分の感じている感情をうまく人に伝えられない、表現できないために起こると私は考えています。

要するに、自分の感情や伝えたいことを、相手に伝えられる、もしくは表現できれば、癇癪を起こす必要がなくなるわけです。

ということは、癇癪の対処法のゴールは、

子供が感情表現をできるようになる

ということになりますね。

このゴールを念頭において、子供の癇癪に大人として対処していきましょう。

癇癪を起こしている事実のみを把握する

<実践1>
癇癪を起こしている子供の様子を現状把握する

【ポイント】
何も考えずに対応をする(感情を通さない)

つまり、癇癪になっちゃいました→また??今度は何?と考えてしまうと前回のイライラも思い出して、現状を過去のイライラを思い出してイライラしてしまいます。

なので、癇癪になっちゃいました→条件反射的に現状を把握して→次の対応に移る

子育ての対処に感情もセットにすると正しい判断ができない

ここに感情は不要です。子供がどんなに泣き叫んでも「癇癪を起こしてまで伝えたいことがある」と受け入れる。ここがスタート0地点。

有り得ない!と思うかもしれませんが、癇癪を起したくなるまで伝えたい何かを、こだわりが強いとかわがままとか、大人の対応が大変という理由で怒ってしまうと火に油を注ぐようなもの。

  • 親の思い→癇癪をやめてほしい
  • 子供の思い→癇癪をおこしても伝えたい

このズレをなくすには、親がまず感情を介入させないことです。

とにかく親は怒らない

親が怒って怒鳴って恐怖で子供の感情をあきらめさせるのではなく、親が受け入れて癇癪とは別の表現で伝える方法を教えていく必要があるのです。

癇癪とは違う、正しい出力方法(言葉でのコミュニケーションなど)を地道に教えていきましょう。

癇癪の原因をきちんと把握して正しい出力方法を教える必要がある

おもちゃを貸してほしかったら、「貸して」って言うよ。貸してもらったら「ありがとう」というよ。といった感じ教えます。100回くらい同じことを教えましょう。

  • 叩いたり、無理やり取ったりすれば→問題行動
  • 貸してと言えば→良い行動

問題行動は怒ってもなくならないと思います。子供の問題を親が上から叩きつぶすだけ。

何で叩くのか、何で無理やり取るのか。問題をうやむやにしないことです。

  • 自分のもの、相手のものの境界線がない
  • 所有権を知らない
  • 言葉を使って相手に伝えばもめごとにならないということを知らない
  • その理解まで脳が発達していない

こう考えれば、次のステップは怒ることではなく「教えること」「発達を待つこと」

言葉を教えることは、例え子供が何もしゃべらなくても、伝え続け、問いかけ続けることで覚えていくのではないかと思います。

もちろん、伝え続けても覚えられない子供も出てきますが、それはまた別の問題ですね。

癇癪を起こす子供を否定しないこと

癇癪にイライラしても、怒っても、子供の癇癪は減らない。本質を理解することをクセにしましょう。

癇癪を起す子供を否定すると、癇癪をおこす度に、親に否定されることを子供が経験として積んでいきます。文章で表現すると結構コワイ。

だから、癇癪を起そうが何しようがどうなろうが、怒らない。否定しない。

親は子供の見方であり、癇癪に困る子供を助けていくと覚悟を決めましょう。

癇癪の原因を瞬時に察知!子供が言えずにいることを高速で予測する

<実践2>

癇癪の原因になったもの、人、事を瞬時に察知する

【ポイント】
わからなければ、わからないでOK

原因を見えないように対応する

癇癪の原因になっているものを予測し、当たりをつけたら、癇癪を起こしている子供の目に移らないよう、対応します。

具体的には、

  • 対象物(人)を子供から離す→物や人を動かす
  • 対象物(人)から子供を離す→子供本人を動かす

このどちらかです。

子供の年齢や、癇癪を起こした状況、環境によって出来る方で対応しましょう。

どちらも難しい場合は、子供の目に移らなければOK。音などの場合は聞こえないようにヘッドホンで音楽をかけたりイヤーマフで少しでも癇癪の原因が聞こえないようにします。

原因がわからなければ「現状はわからない」でOK

原因が見当たらない場合は、

  1. 周りにある物を見る→物から状況を推測(ぶつかった、あたった、痛かった)
  2. さっきまで接していた人を見る→人に様子を聞く、様子から推測
  3. 本人の問題を推測→失敗した、うまくいかない、納得がいかないなどの感情面
  4. 過去の癇癪から推測→同じ状況になっていないか、

うまく話せない年齢の場合は、推測に推測を重ねるしかなく、結局推測してもわからないことがほとんど。

それは仕方がないことですので、わからないという結果を出しましょう。

親はエスパーではありませんので、今はわからない→次回もわからない→少しわかるかもしれない→わかってきた、と経験を積む事で見えてくることはあるはずです。

また???もういい加減にして!!と思う気持ちはわかりますが、私たちは大人なので言葉を使って冷静に状況を分析しましょう。

我が子の癇癪パターンを記録する

癇癪のパターンは人それぞれです。

なぜなら、人間はみな違うから。おそらく、似た傾向はあるにしろ、同じパターンは自分1人しかないでしょう。

ならば感情も1パターンしかないはず。子供の癇癪パターンはこの世に1つしかない、と考えてみましょう。

前例がないので、今後の検証に使うために記録を残していきましょう。

ファーブルのように、子供をよく見て観察してみる。そこからわかることはたくさんありますし、推測のヒントになりますよ。

子供が言いたいことを大人が通訳!親にしかできない表現で子供にわかるように言い換える

<実践3>
推測した状況からわかることを、子供にわかるようにフィードバックする

【ポイント】
状況を短く伝える→感情をフィードバック→ストップウォッチで計測→おさまるまで待つ

【例】

  • お菓子、買ってほしかったんだね→残念だったね
  • おもちゃ、貸してほしかったんだね→悲しかったね
  • ブランコ、乗りたかったんだね→辛かったね
  • うまく、いかなかったんだね→頑張ったんだね

こんな感じで状況を伝え、推測する感情を言葉に置き換え、感情がおさまるまでどのくらいかかるのかストップウォッチで測ります。

時間を測り記録することは感情に左右されずに結果を残すため

時間を測るのは、どんな表現で子供が落ち着くのかを数値化しておくことで、親が感情に流されても正しい結果を知るためです。

また、次回癇癪を起した時に、親がどれだけ付き合うべきかの判断材料になりますからね。

感情を代わりに親が表現してフィードバックした後は、癇癪がおさまるのを待ちましょう。

  • そうかそうか辛かったね。残念だったね。買ってほしかったね。ホント残念だったね。
  • たまに時計を見る→また待つ→くりかえし

慰められるのがイヤな子であれば(小学校高学年とか)、親はその場から離れてもいいし、声を掛けずにそばに座っているだけでもいいと思います。

親が疲れたなと思ったら終了予告をして退散(またはその場で親の時間を過ごす)

<実践4>

対応に疲れてきたと感じたら終了宣言をする。
「ママが付き合うのは今日はここで終わりにするね、落ち着いたら教えてね」
そして退散する

【ポイント】
退散できない場合(年齢や発達などで)は側にいながら自分の時間を過ごす

癇癪のすべてに付き合う必要はない

私は5分くらいしか待ちません。

  • 家事をやる
  • 本を読む
  • ヘッドホンでハードロックを聞く

いくら親が冷静に癇癪の対応しても、そんなに急におさまったら苦労していないですよね。

親だって疲れるじゃないですか。よくわからないことでずっと泣かれてるとね。

親だからっていつでもどんなときも子供の全部を受け入れ続けられるわけではない。

みんな適度にスルーしたり誰かに変わってもらったりしながら、子育てをしているのですよ。

人から何を言われようと理性を保てる親になる

世間一般の方々に何と言われようと、癇癪で困る育児をいていない人たちに、この大変さはわからない。

夜泣きとはまた違う癇癪のストレスは、やっぱり当時者じゃないとわからないです。

要するに、誰になんて言われたっていいから、適度なところで休憩しようってことです。

親だから、子供の癇癪にずっと付き合い続けて親のメンタルが壊れたら意味がない。

適度に付き合い、適度に分析し、適度に状況判断をして自分のメンタルを守り、休憩しながら癇癪と向き合うということです。

親のメンタルを守ることは親の必須項目

それに親のメンタルを守るというのは、結局は子供のメンタルをも守るということ。親のメンタル低下は敏感気質の子供にバレバレです。

「いつまで泣いてるのよ!いい加減にしてよね!」と思いながら「辛かったね」と言ってみたところで、HSC気質を持つ子供にはバレてます。

小さな嘘のかけらがたくさん集まると大きな「信じられない大人像」を作ってしまうので、適度にやめてしまいましょう。

今、親がやれることはやったよね。それで十分です。

親が冷静に対応した→癇癪はおさまらなかった

という結果を残し、次の癇癪時にまた対応しましょう。ちなみにおさまった時間だけは今後の参考に記録した方がいいと思います。

外出中の癇癪対応は

屋内の場合

癇癪レベルに到達した時点で一旦、外に出ましょう。注文していた料理があっても、長引きそうなら今回はあきらめる。会計をして外へ出る。

そして場所があるなら癇癪の対処法をやってみましょう。

癇癪のせいでお店にいられなかったことで子供を責めたりしないでくださいね。そして、屋内に出かけたことを親の判断ミスだと責めることもやめましょう。

癇癪とお出かけは関係ありません。

できるだけシンプルに考えて、癇癪がおきたら、癇癪のことだけを考えて対応する。

そのために外出中でも家に帰るなら、その方法がベストだとなんだと思います。

子供の成長と発達とともに、お出かけは可能になります。大丈夫。一生、子供の癇癪が続くことはありません。

屋外の場合

場所によっては迷惑に感じられるところもあるでしょう。

公園や広場のようなところに移れるなら移りましょう。移れないなら帰る。これが一番です。

子供と自分を責めない話は先ほど同じ。大事なことなので忘れないでくださいね。

普段から、ここなら癇癪がおきても大丈夫だな、という場所を確保しておくといいですよ。

子供の癇癪の対処法を実践するために参考にした本

参考までに、私が今回の対処のために参考にした本は次の5つあたり。

  1. 発達障害のパニック対応を中心とした発達障害の対応法全般
  2. SST(ソーシャルスキルトレーニング)
  3. 認知行動療法
  4. アンガーマネジメント
  5. アドラー心理学

本を読みこんで理解した上で、次男用にカスタマイズして花緒流に変換しました。

長男の発達障害育児で、1~3まではすでに知識として知っていたので、次男用には4・5の2つを追加した形で勉強しています。

特にHSC傾向が強いな、と感じているなら、アドラー心理学はとても参考になると思いますよ。

「脳コワさん」支援ガイド

直接的にパニックに対応法などが載っているわけではありませんが、脳がどういう状態になってその行動がおきるのか、ということがわかりやすく図解されています。しくみがわかれば対応ができるというもの。地道な情報収集が育てにくい子の対処法につながります。

あたまと心で考えようSST(ソーシャルスキルトレーニング)ワークシート―自己認知・コミュニケーションスキル編

ワーク形式で子供が自分でソーシャルスキルを身に付けていく本です。通級などでも使われているタイプのワークですが、子供にどうやって通訳すればいいのかを考えられる本です。小学生以降なら、子供自身にやってもらってもいいですね。

マンガでやさしくわかる認知行動療法

小学生以降になってもまだ、癇癪で感情を出しているのは、認知のパターンに一定の癖があるのかもしれません。HSCの子供のように思考に癖があるタイプには、認知行動療法がいいと思います。ちなみに知っておくと自分のストレス解消にも役立ちます。

イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント

子供が1人で読み進めながら、自分の怒りと向き合っていく本。子供にどうやって伝えたらわかりやすいのかを参考にするために、次男と一緒に少しずつ読みました。

マンガでやさしくわかるアドラー心理学

主人公が気づいていくタイプの漫画です。心理学と言っても、漫画なのでとてもわかりやすい。初めての分野はまず漫画で読むことをおすすめします。

振り返り|子供の発達や成長も考えながら癇癪の対処法を実践する

振り返り

子供の癇癪は、自分の感情をうまく表現できず「癇癪」という行動で表現しているのでしょう。

  1. 実際に表現できるレベルの違い
  2. 完璧主義+伝えたい思いの強さ
  3. 頭の回転とアウトプットのアンバランス

そこには、子供の発達や成長とも関連づいていることを忘れずに考えなくてはいけません。

もし子供が1歳だったら、2歳だったら、乳児期と幼児期では実践した結果も変わってくると思います。

癇癪の対処法を参考にする場合は、スタートする年齢も加味した上で、実践してみてくださいね。

コメント

  1. みどり より:

    花緒さん、以前アプリ経由で相談させていただいた者です。子供がHSCではないかと思ってます。
    この記事とても参考になりそうなので、Twitterでシェアさせてもらいました!

    1つ1つの手法をやり続けるのが大変そう…と思ってしまいますが(^_^;)
    癇癪を静めるには確かにこんな地道なやり方しかないのかなとも思い、共感してます。

    メモとるのは親の冷静さを保つためにも必要だなと思いました。
    いつも疲れて果ててメモする気力がないのですが(笑)
    来年小学校なのでまた荒れるだろうからその為に、
    また学校の先生に伝える時に過去データ引っ張り出せるように、
    メモやってみます!

    • 花緒(kao) 花緒(kao) より:

      コメントありがとうございます。
      超地道な方法ですが、データを集めている時って不思議とイライラしないんですよね。
      私だけかもしれませんが。

      小学校に入って環境が変わると、慣れるまでいろいろとあると思いますが、
      日常の記録がきっと役にたつと思いますよ!