【感動・怖い・面白い】読み聞かせにおすすめの日本の昔ばなし6選

絵本

日本の昔話にも、いろんなタイプの内容がありますよね。

どの昔話にも教訓になるものや、考えさせられるものがあるため、家での読み聞かせはもちろん、幼稚園や学校の読み聞かせにも、とても向いていると思います。

今回は、日本の昔話の中から、「感動・怖い・面白い」に該当するなーと思う話を6つ、選んでみましたのでご紹介します。

日本の昔話の絵本選びに困っている方の参考になればうれしいです。

異空間の体験もできる日本の昔話6選

日本の昔話には、人間、動物、以外にも現世にはない異空間の登場人物が出てきますよね。

子供の頃から、どこかで読んだ、読んでもらった昔話を覚えているからでしょうか。仙人や神、地獄、などのことですが、結構みんな、同じ世界観を持っていると思いませんか?

そんなことを考えつつ、今度は自分がどんな昔話を読んで、伝えていこうか、ということを念頭に置いて絵本探しをしてみると、楽しいと思いますよ。

仙人のおしえ/9分

母の目の病を治すために仙人の元へ旅をする若者のはなし。

道中で会う人達の頼まれごとを聞くうちに、母の病を治す方法を聞きそびれてしまうという、人がいい若者です。

途中で絵本を縦にして読む箇所が6場面分あるので、幼稚園や学校などで読む場合は事前に練習した方がいいかもしれませんね。

良き行いをすると良き良き結果になる、心休まるパターンは、幼稚園や学校などの読み聞かせにも向いています。年齢に関係なく、受け入れられるお話だと思います。

しばいのすきなえんまさん/5分

芝居上手な役者が死に、地獄の入り口でエンマ大王になり切って、本物のエンマ大王と入れ替わるというお話。面白いジャンルにしていいのかな、と思います。

エンマ大王は好奇心で「芝居を見てみたい」と思っただけなんですけどね。役者にマンマとはめられてしまいました。

今から、現世での悪き行いの罰を受けるというのに、まさかのエンマ大王をだますとは。しかもそんな雰囲気、1ミリも出していないし、とんちっぽい雰囲気もゼロ。本物の悪人じゃないですか。

ダメじゃーん!!って突っ込みが入る感じですが、最後のページで、もう1度、ダメじゃーん!!って突っ込みたくなることが書かれています。

なので、「芝居が好きなエンマ大王」の話ではなく、「エンマ大王の芝居をしている死んだ役者さん」のお話です。

けちんぼおおかみ/5分30秒

アイヌの神様の子供とおおかみのお話。

くじらの肉をくわえた犬が、途中で会った子供に肉をくれとせがまれたがあげなかったら、子供に予言されたとおりになってしまったという内容。

その予言の内容が、おおかみが倒れて→土をかぶり→実のなる木が生えて→動物たちが暮らす、というもの。

本当におおかみは、小さな丘になってしまって、他のおおかみに「よくばるなよ」と食べ物を分けるように助言をしているという、情けない展開。

死んでしまうのではないところが、この昔話のポイントでしょう。死なずに生きているから、自分の失敗を後世に伝えていけるんですからね。

食べ物の恨みはおそろしい。

相手が誰であろうと、独り占めしないで、みんなで分け合いましょうね。

てんぷくちふく/4分30秒

働き者のじいさんばあさんと、怠け者の隣のじいさんの、福(お金)をめぐるお話。

舌切すずめや、花咲かじいさん、的な展開とかけひきは似ていますが、こちらの場合は一つの入れ物から出てくるものが、お金とへびに瞬時に変わるんですね。

つまり、幸せとは気持ちの持ちようってことですかね、なんてことを感じました。

墨絵にきれいな色がつけられた絵にも注目。人の良さや悪さをしようとする様子が、目の前で動いているように生き生きと描かれています。

昔話をたくさん読んでいる子供には、どうにも先の展開が読めてしまうので、小学校低学年くらいまでの読み聞かせにおすすめですよ。

子そだてゆうれい/5分40秒

飴屋に、夜な夜な飴を買いに来る女の後をつけると、死んだ女の墓で、中には赤ちゃんがいた、というお話。

女の後をつけて行った男が、墓がある寺のお坊さんに話を聞くうちに、状況が明らかになっていく、というサスペンス的な話の展開です。

結果、女はゆうれいだったのですが、出産間際の妊婦さんが出産直前に死んでしまって、それでも子を産み、墓場の中で育てようと飴を買いに来る。

現実では考えられないことが並んでいるようではありますが、昔、本当にあったお話なんですよ、と言われるとそうなのかも、とも思えてしまうのは、私が子育て中だからでしょうか。

ゆうれい=怖い、というヒューどろどろどろ・・・という雰囲気はゼロ。

ゆうれいである女の、子供に対する切実な思いが結構ダイレクトに伝わってくるお話です。子供はこのお話をどう受け止めるのか、何を感じるのか。やっぱり怖いかな。

お話的に年齢は関係ないと思うので、コロナ禍が過ぎたら、次男の学校の読み聞かせで読んでみたいですね。中学まではいけそうです。

たいへんたいへんたいへんだー/5分40秒

木こりのじいさんと、山のどうぶつたちのふれあいのお話。

じいさんも、どうぶつたちも、心優しくあったかく、読み終わった後に間違いなく笑顔になれる内容です。

日本の昔話らしく、「~での。」や「~しませんて。」みたいな表現や、言わんとしていることはわかるのですが、おどろきの単語の表現が独特な大川悦生氏の文章。私、結構好きなんですよね。

ちょっと田舎言葉的な、東北の方言っぽい感じで読むと、そのまま読むだけなのにモーレツに昔話の雰囲気たっぷりに変わります。(もちろん標準語で読んでもいいんですけどね)

たいへんだ、と騒ぎしている動物たちの様子が、超スピード感のある絵に感じられるところがまた、この昔話がおもしろかったな、と思えるポイントかと私は思いました。

途中、1場面だけ縦になっているので、人前で読み聞かせをする際は、事前に練習することをおすすめします。

振り返り:何世代にもわたって伝えていきたい日本の昔話の世界観

日本の昔話なので、昔の暮らしの雰囲気がわかるものが大半ですよね。

しかし、中には仙人や神や地獄など、私たちも現世では体験できない異空間がたくさん描かれているところも、世界を含めた昔話が面白いと思うところかなと、私は感じております。

誰も見たことがないのに、ほぼみんな、共通認識を持っていますよね。仙人も、神も、地獄も。

それって、昔話がちゃんと言い伝えられてきているってことですよね。現代の私たちには伝わっているってこと。

私は、これは(昔話の共通認識を大半の人が持っていること)なかなか面白いことだと思うのですよ。

あと何世代、伝わっていくのか、もしかしたら未来の昔話では、何かが変わって伝えられていくのかもしれませんね。

未来の時代の昔話は読めないけど、興味あるなー、と思う今日この頃です。