こんにちは!「まんが日本昔ばなし」を見て育った花緒です。
今日は学校や幼稚園で読み聞かせをするときに選びやすい、オチのある日本の昔話を5つご紹介。
さらに、東北出身の私が昔話に使われている田舎言葉をどのように読んでいるのか、読み方のコツをご紹介していきます。
「どんな昔話を読めばいいのかわからない」「昔話の読み方が不自然」という方の参考になればうれしいです。
絵本の読み聞かせに向いている日本の昔話5選
昔話の絵本は、同じ話でも出版社によって話の内容や使われている表現に差があります。
どのバージョンの絵本を読むかによっても、読み聞かせがしっくりくるこないの違いが出てきますので、まずは声に出して読んでみてください。
自分が知っているオチと違う、話の展開がちょっと・・・と気になる場合は、違う出版社で絵本を探してみましょう。
これから紹介する10冊の昔話は私が実際に学校の読み聞かせで読んだ本です。
私は問題なく読めたので、絵本選びに迷ったら、参考にしてみてくださいね!
ききみみずきん
動物を助けてずきんを手に入れるパターン、神様にお祈りして手に入れるパターンなど、何パターンかのタイプがある「ききみみずきん」のおはなし。
昔話から得る教訓はいろいろありますが、清い心の少年が報われるパターンのオチは、読み手も気持ちがすっきりしますね。
腹黒くない、そしてガツガツ見返りを求めない。
何よりも周りの声をよく聞く事で、問題を解決するあたりが、昔話っぽくていいですね。
若返りの水
昔話っぽく「じさま」「ばさま」という呼び方と、「~したと。」という語りくち。
そして、昔っぽい雰囲気がたっぷりと描かれている挿絵がとても魅力的な絵本です。
横長なので、若干、字が読みづらくもありますが、練習すれば大して問題ではありません。
こういう、人間の欲に関することは、昔話で教えてもらわないと教訓として入ってこないですからね。
そして、温かい人のつながりを子供達にも感じ取ってもらいたい絵本です。
十二支のはじまり
「十二支のはじまり」とか、「十二支のおはなし」とか、そんなタイトルでたくさんの絵本があります。
この話こそ、全パターン違うんじゃないのかとも思いますが、十二支の最終的な順番は変わりませんので、気に入った絵などで選んでもいいと思います。
学校の教科書にも載っているところもあるかもしれませんね。うちの子たちは3年生の教科書の読み物的な感じで載っていました。
スマホが普及してから、年賀状などのやり取りも少なくなった現代では、干支の感覚もあまり身近に感じられないかもしれません。
日本に住む日本人として、こういう昔話は知っておきたいですね。
はつゆめはひみつ
正月明け、みなさんは子供と初夢の話をしたりしますか?正月をすぎたいろんな「初」ばなし。
家庭によって知っている子と知らない子に分かれるところでもあります。「十二支のはじまり」と同じですが、日本の風習や習わしを伝えていくおはなしは、昔話で読むのが一番です。
12月や1月の読み聞かせには、時期的にもちょうどよく、また時期に関係なく読める昔話としても私はピックアップしています。
場面がどんどん切り替わっていきますので、スピード感を持たせたり、考えながら読んでみたりと、読みのスピードを変えるだけで、グッとインパクトに残る読み方ができる絵本です。
島ひきおに
前の4冊は、結構軽快で明るめの昔話でしたが「島ひきおに」は超切ないおはなしです。
しかも話が結構長くて、ゆったり読みすぎると10分近くかかって眠くなってしまうので、ある程度テンポ良く読むことをおすすめします。
長めのおはなしではありますが、中学年以降であれば聞ける長さでしょう。
昔話に出てくる「かっぱ」や「おに」は、時に悪さをするだけではない立ち位置で登場しますよね。
「かっぱ」に生まれただけで偏見を受けたり、「おに」として生まれただけで見た目で怖がられたり。
差別や偏見の積み重ねで、メンタルが病んでしまうのでは?と心配になってしまうくらいの「かっぱ」や「おに」だっているわけです。
絵本や昔話のキャラクターなだけなんですけどね。
期待するようなオチではないと思いますが、読み手の方まで心が痛くなってくるようなお話しもありますので、楽しいだけではない、愉快なだけではない世界も、ぜひ子供達に知ってもらいましょう。
【絵本の読み聞かせ用】昔話の方言の読み方のコツ
次に、私が昔話を読む時に、田舎言葉っぽく読んでいるのですが(正確には東北なまりで読んでいます)そのやり方をご紹介します。
ちょっとしたコツでグッと方言っぽくなるので面白いと思いますよ。
「か行」と「た行」を濁点にする
名詞以外のか行、た行を、軽く濁点をつけて読む漢字にしてみましょう。
「たきぎ」とか「かわ」とかの名詞を濁点風に読んでしまうと意味が変わってしまうので、名詞以外にかるーく付けてみます。
なんなら、少し音を伸ばしてもよいです。
やり過ぎると間延びしすぎて眠たくなっちゃうので、雰囲気だけという気持ちでちょうど良くなると思います。
終わりに「な」をつける
日が 暮れてきて→日が 暮れてきてな
やり過ぎるとウザくなるので、たまにポンと「な」止めを入れてみましょう。「か行」「た行」の濁点と一緒に使うと、レベルが上がります。
滑舌を悪くする
読み聞かせなのに、滑舌が悪くていいの・・・?
と思うでしょうが、ちょっと悪いくらいなら問題ないと思いますよ。
何喋ってるのか聞き取れない程、滑舌を悪く読み聞かせる方はいないでしょうから、そんな感じで、気持ちだけでもはっきりハキハキと昔話を読まなければいいと思います。
ちょっと口を閉じれば滑舌悪くなりますから、難しく考えずに、そんな気持ちで。ね。
「し」は鼻から息を抜いて「し」の口で「す」と言う
こちらは結構本格的バージョンです。
名詞を含め、「し」の文字はすべて「し」の口で「す」と発音します。
自分で喋ると笑ってしまう方は、危険なので止めておきましょう。
結構本気で、田舎言葉っぽく読むぞ、という方は練習すればすぐにマスターできますので、チャレンジしてみてくださいね。
田舎言葉特有のイントネーションパターンを使う
イントネーションは一番わかりづらいと思います。そして文章で表現するのもとても難しいですが、できるところまでやってみます。
- トトトタ→「じさまは」などの人物系
- トトター→「すずしい」とかの形容詞系
- トトータトトタ→むかーしむかし
- トッタ→なって
「タ」にアクセントがつきます。いっぱいあり過ぎるとわからなくなってしまうと思うので、代表的なパターンを伝授します。
「ト」がドの音程なら、「タ」はラの音程くらいの開きがあると思ってください。
あとは、「まんが日本昔ばなし」を見て、たくさん真似してみましょう。
いろんな昔話の読み方があって、とても参考になりますよ。
振り返り|昔話の読み方のコツをつかんで絵本の読み聞かせを楽しもう
完璧じゃなくてもいいので、田舎言葉風の読み方ができると、読み聞かせの幅がグッと広がってきます。
また、子供が絵本に集中できていないときなど、急になまりを入れてセリフを読むと、子供がハッと集中することもあります。
何よりも、田舎のおじいさんおばあさんたちの言葉を聞く機会が少ない子供達に、こんな話かたもあるんだよ、と教えることができますね。
読み聞かせなので、もちろんおはなしメインで考えていただければいいと思いますが、こういう小ネタを引き出しに持っておくと、読み聞かせで困った時に役に立ちます。
恥ずかしがらずに思い切って田舎言葉風で読み聞かせをしてみる機会も日常ではありませんから、興味がある方は、ぜひこの機会にチャレンジしてみてください。
私は素の状態でいくらでも読めてしまいますが、結構子供は面白がって聞いてくれますよ。
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