小学校高学年の読み聞かせ担当になると「何を読んだらいいのかわからない」という方が多いのではないでしょうか。
実は高学年になる程読める絵本は増えてくると思っています。今回は高学年にぴったりな絵本の選び方をお話しします。
高学年は読む絵本がない?発想を変えてみよう!読み聞かせる絵本は何でも良い
極論ですが、読み聞かせる絵本に制限はないと思います。
あまり深く考えず、自分がこれにしようかなと思った絵本でいいと思うのですが、ここでみなさんが不安に思っていることを整理してみたいと思います。
読み聞かせの絵本を選べない7つの理由
- 絵本=小さい子供向けの本というイメージがある
- 絵本=高学年になると話が簡単で面白いと思ってもらえない気がする
- 絵本=そもそも自分があまり絵本を読んでこなかったので何の絵本があるかわからない
- 読み聞かせ=何か子供達に特になる話を読まなければいけない気がする
- 読み聞かせ=じょうずに絵本を読む自信がない
- 読み聞かせ=高学年になると「ダサッ」って言われそうでコワイ
- 読み聞かせ=子供がいる学校での読み聞かせだからうまく読めないと子供がバカにされたらイヤ
大体、こんな感じでしょうか。
読み聞かせの絵本を選べない7つ解決策
読み聞かせの絵本を選べないと思う7つの理由は先ほど挙げた通りです。
学校の読み聞かせじゃなくても、家で子供に読んであげるパターンでも絵本選びの参考にしていただけたらうれしいです。
絵本は小さい子供向けの本というイメージがぬぐえない
小学校高学年になれば、子供ではあっても、小さい子供という感じは全くと言っていいほどなくなりますよね。
背も私より大きい子もいますし、個人差はあっても大人と会話をしていると勘違いする程、しっかりとした意見を聞くこともあります。
だからと言って、絵本を読むこととはあまり関係なく、そもそも論で言うと、「読み聞かせ=絵本を読む」という固定観念から抜け出したっていいわけです。
読んで聞かせれば良いのですからね。理屈っぽいかもしれませんが、こうじゃなきゃ、という固定観念が行動を止めてしまうのであれば、その固定観念は一旦捨てましょう。
絵本を読んでも高学年になると話が面白いと思ってもらえない気がする
これも固定観念の類ですね。確かに、考え方が大人に向かっている高学年は、おはなし慣れもありますので、面白いと思わないこともあるでしょう。
それは子供本人の感性の問題であり、感じ方は自由です。読み聞かせで絵本を読んでもらったら、面白いと思わなければいけない。わけではないですよね。
例え今は面白くないと感じたとしても、そのはなしの1部が知識となり、将来何かの発想のきっかけを作ることだって可能性としてはありますよね。
面白くなくたっていいんです。もっと読む方も読まれる方も自由でいいと思います。
そもそも自分があまり絵本を読んでこなかったので何の絵本があるかわからない
それなら今すぐ図書館へ行きましょう。お金にかなり余裕のある方は、ネットで絵本をかたっぱしから注文してください。
「数打ちゃ当たる」じゃないですが、まずはどんな絵本が自分の好みなのか、どんな絵本に興味を持てるのかを知るためにも、たくさん読むことが一番です。
幸い、絵本の場合、早いと3分、どんなに長くても20分あれば読み終わります。5分くらいの長さであれば、1時間も読めば12冊読めます。
その中の1冊くらい、読んでみようかなと思う本はあると思いますよ。もし、全くピンとこなかったら、図書館の司書に聞く、ネットでおすすめをたくさん検索し、口コミも参考にしましょう。
昔ばなしはどの学年でもOK。昔ばなしの読み方のコツも合わせて紹介しています。
全ページ読み、口コミも参考になる絵本探しは絵本ナビが一番便利!
登録するだけで、絵本の試し読みができます。絵本によっては全ページ読めるものもたくさんあるので、とても助かります。
さらに登録している方々の口コミがかなり参考になるので、私はいつもこの口コミから次に読むものを決めたりしています。
図書館に行かなくても、本屋に行かなくても絵本が読めるし選べるので、絵本ナビはとても便利です。図書ボランティア仲間も、ほとんど利用しています。
ママ友と組んで2人以上で読み聞かせる方法もある
- どうしても絵本が選べない
- 読み方もイマイチわからない
- 1人だと心細くて勇気がでない
こういう時は、ママ友に声を掛けて2人以上で読み聞かせを遂行しましょう。何も1人でやる必要はないのです。
誰かと一緒なら、できることも発想も増えますし、何よりも当日、心強いです。
ただし、学校の読み聞かせですので、キャピキャピママ友仲良しの会にならないように気をつけましょう。
2人以上で読む場合の読み方のコツはこちら。
読み聞かせは何か子供達のためになる話を読まなければいけない気がする
これは読み聞かせをやる人にとってはあるあるだと思います。「子供達のため」という観点で考えれば、誰かがおはなしを読み聞かせている時点でクリアされている問題です。
何が「子供のため」なのか?ためになる話を読む義務はない
絵を見ながら耳で聞いた話を頭で想像するわけですからね。そして、自分の過去の体験と情報をリンクさせて、おはなしを読んでもらいましたという1つの経験にするわけですから。
要するに一般的に言われている「良いおはなし」「ためになるおはなし」「感動するはなし」「勇気がわいてくるおはなし」という類にカテゴリー分けされるような絵本を読まなければいけない気はします。
でも気にしなくていいんじゃないですかね。結局は「読まなければいけない気がする」だけで、絶対に子供達の身になるようなはなしを読んでくれと頼まれたわけではないのですから。
ある程度のテーマを決めてから絵本を選ぶと探しやすい
気がするのであれば、気にしないことが一番。もしくは、テーマを決めて絵本を選ぶと気にしなくても良くなります。
私はなんとなくですが、学年ごとにテーマを決めています。
2年生・・・地球
3年生・・・自分や他人などの人
4年生・・・命
5年生・・・共存共栄
6年生・・・古典、差別、自然破壊、学術、文学、将来につながる内容
大体、こんな感じでテーマに沿った絵本を探し、その中から自分にヒットする内容のもの、なおかつオチ(伝えたいことのテーマがはっきりしているもの)を選んでいます。
多少、シュールな内容であっても、1年間はこのテーマから選ぶので、そんなに迷わないかな。だから、子供にとってためになるならないも関係なくなるという仕組みです。
知識と経験が多い分、読める本の数が増えるので高学年の方が読み聞かせがラク
こういう風に見てみると、6年生が1番テーマが多く、選べる本の数も圧倒的に増えるので、高学年の読み聞かせが実は一番ラク。
まだわからないかな、と思わなくていいので、あとはどういう風に読もうかな、とはなしの組み合わせと割り振られた時間との兼ね合いを考えればいいだけだから。
そして、理解できる分、意外と反応が多いのも高学年の特徴です。
どう思われるかより、自分が本を通して何を投げかけられるのか、もしくは子供が自分で選ばないであろう本とのきっかけを作るのが読み聞かせだと思えば、十分子供のためになっていますよね。
絵本の組み合わせについて詳しく解説しているのはこちらの記事です。合わせて参考にしてみてください。
じょうずに絵本を読む自信がない
気持ちはわかりますが、じょうずに読まないと死んでしまうわけではありません。それにじょうずに読まないと読み聞かせにならないわけではありません。
じょうずに読めるかどうかより、何を伝えられるかの方が100倍大事だと思いますよ。選んだ絵本の何を子供に伝えたくて選んだのか。特にないなら、ないなりに工夫すれば良いのです。
それに誰も判定しませんし、評価もありません。子供たちは読み聞かせをしてくれる人を評価したりしませんし、もししていたとしても、それは子供の世界のことであって、大人には関係のないはなしです。
子供に媚を売ることなく、読み聞かせの使命を全うしましょう。
固定観念にとらわれずに読み聞かせるコツはこちら。
高学年になると「ダサッ」って言われそうでコワイ
先程と同じ理由です。「ダサッ」って言いたい子供には自由に言わせてあげて。それを寛容に受け入れるのも大人の役目ではないでしょうか?
子供の言動行動に大人がいちいち反応しなくてもいいですし、ドーンと構えてドーンと読んだらいいのです。子供のご機嫌取りをするために読み聞かせをするわけではないですから。そこを間違えないように。
ダサッと思う暇もないような読み聞かせのスピードコントロールのコツはこちらを参考にしてください。
子供がいる学校での読み聞かせだからうまく読めないと子供がバカにされたらイヤ
これは、バカにする子のモラルに関係することなので、絵本を読む人には全く関係のないことだと思います。
「おまえのかあちゃんデベソ」的なことを言いたいなら、言わせておけばいいと思いますし、そんなくだらない冷やかしに反応して落ち込むほど、お子さんはヤワなのでしょうか?
おそらく親が勝手に思っているだけで、逆に「ダサッ」と言い返すかもしれませんよ。ただまれに、親が学校に読み聞かせにくることを恥ずかしく思って、子供本人が嫌がってしまうことがあります。
この場合は、読み聞かせをやらない方がいいのかもしれませんし、役員などでどうしてもやらなければいけないのであれば、シラーっと学校にいってサラっと読んでサッサと帰ってくればいい気がします。
親にも親の事情がありますから。そこは高学年。
年齢的に年頃ではありますが、親の事情も理解してほしいものですね。まあ、 絵本を読んだくらいじゃ死にませんから。大丈夫です。安心して読みましょう。
振り返り|高学年であっても読み聞かせは絵本を子供をつなぐきっかけづくりだと思えば良い
高学年になると子供も多少生意気になりますが、あまり気にせずに読み聞かせに徹しましょう。
要するに、読み聞かせは、絵本と子供をつなぐきっかけになればいいと考えてみるといいのではないでしょうか。
読み手としては子供の反応が気になってしまうかもしれませんが、それは子供のものであり、読み手のものではありません。
おはなしを読んだ感性は自由にしてあげて、こちらは絵本に触れる機会を作る、自分では選ばないようなお話しに出会うきっかけを作っている、と考えると、「読む本がない」という事態は起こりません。
中学生になる前までに、いろいろな絵本やおはなしに触れる機会を作れることに、自信を持っていいと思いますよ。