【読み聞かせにおすすめ】いろんな動物が出てくる絵本7選

絵本

絵本には、動物が出てくるお話がとてもたくさんありますね。

親しみやすい動物をキャラクターとなっているもの、現実に起きている事実をそのままお話にしているものなど、設定も内容もさまざまです。

今回は、そんな動物が出てくる絵本の中から、読み聞かせにおすすめの絵本を7選、紹介したいと思います。

ぜひ、参考にしてくださいね。

読み聞かせにおすすめの動物が出てくる絵本7選

動物が出てくる絵本は本当に多いので、絵本選びには困らないと思いますが、多すぎてどれを選んだらいいのか、何をテーマに選べばいいのか、迷うことはあると思います。

変身したり、人を騙したり、というタイプのお話ではなく、極力動物のままお話が進んでいくものを選んでみましたので、興味がありましたらぜひ読んでみてくださいね。

牙なしのゾウのレマ/滝田明日香/10分45秒

出てくる動物:ゾウ、サイ、人間、ワシ、フクロウ

両親を象牙取得のために人間に殺された、牙がないアフリカゾウの話。

自分だけ牙が生えてこないことを悩んでいたのに、牙がなかったことで自分だけ生き残り家族が殺されるという悲惨極まりない内容です。

絶滅危惧種や共存共栄、また密輸などの闇取引的なことがからんできますが、文体は優しく、お話の内容もわかりやすいので、小学校中学年以上の読み聞かせにいいのではないでしょうか。

ただ、10分超えるのでお話自体は長いです。が、先を聞かずにはいられないくらい心が痛くなるような事実話なので、飽きたり眠くなったりすることはないと思われます。たぶんですが。

低学年までの子供だと、なんで牙を取るのにゾウを殺すの?という根本の疑問が飛び交いそうなので、そんなこともあるんだという状況をいったん聞ける年齢がいいでしょうね。

NPO法人の方が書いたこの絵本なので、アフリカゾウの危機や団体の活動内容などもお話の後に載っています。

最後のページの、ゾウ家族の後ろ姿が、とても切なかったです。

おんがくねずみジェラルディン/レオ=レオニ/4分25秒

出てくる動物:ねずみ

音楽を知らないねずみが、チーズの像から出てくる音楽を聴き、自分がその音楽を奏でられるようになるというお話。

様々な名作があるレオ=レオニ作品。読み終わった後の不思議な残像といいますか、「こういうお話だったよね、チャンチャン」という感じではなく、「うーん、あれはこうなのかな、あーなのかな」と考えてしまう感じっていうのでしょうかね。

そんな感想を持つのは私だけかもしれないのですが、ずっと絵本の内容について考えてしまうんですよね。

そういうのって、お話とかの面白いところだと私は思っていて、そういうところが好きで今でも本を読み続けているんですけど、レオ=レオニ作品は、そういうタイプの絵本の中でもダントツで考えてしまう作品が多いと思います。

だから、いい絵本とかそういう話ではなくて、こういうタイプの絵本を読み聞かせで読むと、子供の感想がたくさん出てくるので、読み手も結構楽しめますよ、ということです。

低学年の方が、遠慮しないでポンポン感想を伝えてくると思いますが、高学年であれば、子供の発想でこのお話が伝えたいことをジャストで当ててくることも考えられますね。

いろんな解釈があって、想像力を養える。そんな絵本だと思います。

かばのベロニカ/ロジャー・デュボアザン/6分30秒


出てくる動物:かば、人間

川で生きていたかばが有名になりたくて人間の街に行く、かばの大冒険的なお話。

人間社会にかばがいたら、こうなりますよね、という展開で、結局お金持ちのおばあさんに助けられ、元の川に戻ってきます。

さらに、人間社会での話を仲間のかばに話して聞かせることで、かばの中でも有名になれてよかったねという内容。

おそらく、武勇伝的に話しているんだろうな~、とついその先の想像してしまうほんわかタイプの絵本です。

短いお話ではないのですが、かばが次々と人間社会で起こすトラブルと、それに関わる人間たちの対応など、内容的には盛り込んであるので、読み聞かせで読んでも割と面白い類の絵本だと思います。

文字が全部ひらがなで書かれているので、小学生以下でも文字が読める子供へのプレゼントにもいいんじゃないかなと思いますよ。

オオカミから犬へ!/ハドソン・タルボット/5分

出てくる動物:オオカミ、子供、犬

今ではペットとして人間とともに暮らす犬の起源について書かれているお話。

私はNHKかなにかのテレビで犬が元はオオカミであったことや、人間の暮らしに合わせて小さく進化していったことなどを知りましたが、絵本の方がわかりやすいかも、というくらいちゃんと根本からお話が作られています。

5分くらいで読めて、ほぼ全貌がわかる。
さらに、犬というとても身近で、子供でも知っている動物が元はオオカミだったという事実。

絵も詳細に描かれているところと、ほんわか描かれているところがあり、全体的にとても優しいオーラを放っていると感じました。

文章が難しいわけではないのですが、こうしてこうしてこうなった、という多少の論理を理解していく必要があるので、小学校中学年以上の読み聞かせに向いていると思います。

文体やお話の展開的に、中学生くらいまでいけるので、読み聞かせで読むものが決まらない場合(特に高学年とか)は、この絵本をおすすめします。

うみがめぐり/かわさきしゅんいち/4分45秒

出てくる動物:ウミガメ、アライグマ、サギ、海の魚たち、プランクトン

赤ちゃんのウミガメが、海をめぐって見たもの感じたことを綴ったお話。海の上からでは見えない海の中の世界を、ウミガメの視点で紹介しています。

直接指摘しているわけではないのですが、食物連鎖、ゴミ問題が、とても簡単な文章と絵で表現されてるのですが、どこかズシーンと心に残るお話。

海の中と魚の絵、水の描き方というか、その臨場感がすごいと感じます。

どちらかというと、内容的には科学絵本のような知育的な絵本だと紹介してもいいと思うのですが、リッチな絵がすばらしく、自分の手でページをめくって海の世界観を見るだけでも十分に楽しめるので、ダブルで楽しめる絵本だと思いました。

こういう、絵本だからこそ伝わる世界観のあるものも、子供たちへの読み聞かせで選んでみるといいんじゃないかなと思います。

あそぼう!むしのもり/タダサトシ/7分45秒

出てくる動物:男の子、森の虫全般(クワガタとか)、水辺の虫全般(トンボとか)

男の子と虫たちが仲良く遊ぶお話。
虫たちが男の子と同じくらいの大きさで、かくれんぼをしたりして遊びます。

一番の見どころは、絵が図鑑並みにリアルに描かれているところ。読み聞かせにはちょっと時間が長い気もしますが、虫が好きなお子さんや幼稚園などの読み聞かせにピッタリです。

子供達が小さかった頃、森にあった公園で見た何かわからない虫が、カメムシの幼虫だったとこの絵本で知ったんですよね。

てんとう虫の何かだと思っていたのに、カメムシだったというのが、ちょっとした衝撃でした。

個人的にはジャンケンのシーンが一番面白いと思うので、大人の方々、注目してみてください。

あつさのせい?/スズキコージ/2分40秒

出てくる動物:馬、きつね、ブタ、牛、やぎ、くま

帽子を脱いで汗を拭いていた馬が帽子を忘れ、それを拾ったきつねが自分の持っていたものを忘れ・・・。最後に、自分が忘れた帽子をかぶったきつねと道ですれ違ったが、暑さのせいだろうと通り過ぎるという話。

動物の話ではありますが、ほぼみなさん、一度ずつしか出てこないのと、落し物を拾って自分の物を落とすということを繰り返しているだけの内容。

だからどうした?という結末で終わるタイプの話ですが、こういうシュールな展開もお話としてアリですよね。ちょっとずつ、みんなつながってるってことです。

因果関係がどーの、とか、原因と結末、みたいなものではなく、この範囲のことでこういうことが起きてたんですよねー、みたいな、全体を鳥の目で見て見ました、みたいな。

最後に馬が、自分が忘れた帽子かぶったきつねとすれ違ったとき、暑さのせいで、自分の帽子に似ていると見えたんだろう、と思ってすれ違っていく、というエンディングが、映画みたいじゃん、と思って読んでいたら、背表紙が映画撮ってました、という図になっていて、さらにシュールな笑いがあるなと思いましたね。

大人は「シュールでおもしろい」で済ませてしまうと思うのですが、子供は割と個々の場面で感じたこと、印象に残ったことをバンバン話してくると思うので、幼稚園や学校などの読み聞かせで読むと面白いことになると思います。

低学年以下だと、シュールなお話なのに笑い声が聞こえてきそうな気がしますし、逆に小学5年生以上の高学年になると、「だから何?」と言い始めるので、読めて4年生くらいまでにしておくといいような感じです。

私ならちょっと生意気になってくる3年生あたりで読みたいと思います。

振り返り:さまざまなテーマの動物の絵本は読み聞かせにおすすめ

動物園や水族館などで一度は見たことがある動物は、私たちの生活に欠かせない存在です。

素敵な絵があるおかげで、直接その様子を見る事ができなくても動物たちの様子を知ることができますし、また、想像力も豊かになる絵本。

中には、心に重くのしかかってくるような内容もありますが、今の事実を次世代に伝えていくのも、絵本の役目なのでしょう。

子供に読み聞かせをする側として、1冊でも多くの絵本を子供達に読んであげられたらいいなと思い、絵本を選んでいこうと思っています。

家での読み聞かせや学校の読み聞かせ用の絵本選びの、参考になればうれしいです。