中学生になって、ある程度生活が落ち着くとふと自分のやりたかったことに意識が向くことがあります。
実は小さい時からピアノを習ってみたかった、小学生の頃にやめてしまったピアノをもう1度ならってみようかな、とピアノを弾けるようになりたいという思いがわいてきたとします。
でも、、中学生からピアノを始めるのって、遅くない?中学生から習い始めてもピアノって弾けるようになるの?と思ってしまいませんか?
結論から言いますと中学生からピアノを始める事は、全く遅くないのですよ。でも、なぜか遅いんじゃないかって思ってしまいますよね。
今回は、中学生からピアノを始めたいと思っているけれど、遅いの?遅くないの?という思いでいっぱいになっている方へ、ピアノ講師経験から「遅くないよ」というお話しをしていきます。
中学生からピアノを始めるのは遅いと感じる理由

さて、私達はこれまで生きてきた中で、さまざまな固定観念に触れてきています。その中でもピアノを弾くという事は、なぜかある一定の固定観念で固まっているような気がします。
ピアノ=幼少期から始めるものというイメージが強い
おそらく、大半の方が「ピアノを始める=幼少期から始めるもの」という固定観念を持っているのではないでしょうか。
または、幼少期から始めないと弾けない、くらいに思っている方もいるかもしれませんね。
子供の習い事ランキングでも常に上位のピアノ
1つ目の理由は、子供の習い事としてピアノは常に人気ランキングの上位にランクインされているからでしょう。ピアノを習う=幼少期からやるもの。
みんな子供の頃から子供時代にピアノを習っている子をたくさん見てきていますから、そういうものだと思っているのでしょう。
大人の音楽系習い事としても上位にランキングするピアノ
ピアノを習っている方は、実は子供と同じくらい大人もピアノを習っているということを知っています。
でも、これからピアノを始めようとする人、長い間ピアノの習い事から離れている人は、この実情を知らないのかもしれませんね。
さらに言えば、大人になってから初めてピアノを習う人も結構います。子供の頃からやってみたかったと言って、入会してくる大人の方は、働いている方から引退されたおじさままで、とても幅広い層がピアノを楽しんでいるのが現実です。
指が動かないと思っている=神経関連で遅いと思ってしまう
これはある程度関係ありますね。というのも、神経は小3~小4辺りで、大人とほぼ同じ数の神経がつながると言われています。
そう考えると、幼少期の頃にピアノを弾くという神経を使っておけば、楽譜を覚える事も指を動かす事も有利になるような気がします。
参考:学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす|中山芳一
確かに、関連が全くないとは言い切れないのかもしれませんが、小3以降でも新しいスキルを習得する事、新たなスポーツや乗り物の技術習得は問題なくできるんですよね。
いかに毎日指を動かすかだと思います。「ピアノを弾く事は日常であり、生きるために必要です」と脳が判断すれば、ピアノは弾けるというのが私の持論です。
脳にピアノを弾くスキルは必要だと思い込ませるというアプローチ。これならピアノを始める時期に遅いかどうかは関係ないのではないか?と思います。
中学生からピアノを始めるのが遅いと感じる境目は?ゴールの設定方法が原因

結論がわかってしまっているので先にお話ししますと、中学生からピアノを始めるのは遅いかな?遅くないかな?というところが気になっている時点で、できないかもしれないという不安があるのではないかと考えます。
やってみたいけど、できなかった時に傷つきたくない。もっと早くからピアノを習っていれば、という類の後悔をしたくない、と思っているのではないでしょうか?
そこでピアノが弾けないかもしれない、できないかもしれない、と思ってしまうちょっとした勘違いをお話ししておきます。
ピアノができた・できなかったの基準の違い
はじめに、ピアノという楽器は、鍵盤を叩けば音が出ます。小学校で鍵盤ハーモニカを習うので、鍵盤の演奏経験は中学生のみなさんは一律で経験済みです。
逆に言えば、小学校で習ったレベルであれば、メロディだけですがピアノは弾けると思うのです。音色や音量を気にしなければ、誰にでも弾けます。
外国人の方達が「おはよう」「こんにちは」「さようなら」「いただきます」この4つの言葉を覚えたら、日本語喋れます!と宣言するように、鍵盤ハーモニカができるようになった時点で、ピアノ弾けます!と宣言していいのです。
しかし、このレベルではピアノができた、弾けたとは思えない。
そこがまず、中学生からピアノを始めるのは遅いのではないか?と不安になってしまう種の1つです。
ピアノはレベルの高い演奏をしないと弾けたと思わないイメージがあり過ぎる
本当に不思議な事に、ピアノが弾けるという定義は、はなぜか次の5つが求められます。
- 両手で弾く
- 1曲を通して弾く
- 間違わずに弾く
- 気持ちが伝わる演奏をする
- できればショパンなどの有名曲を弾く
かえるの歌、やチューリップ、ちょうちょのメロディを弾いただけでは、ピアノが弾けるうちには入らない。と考えている人が圧倒的に多いです。
ピアノという楽器だけは、一般の方達のイメージが固定化され過ぎているように感じます。
正直、この5項目をクリアしているのは、クラシックのピアニストだけです。ピアノの講師ですら、練習時間を取ると思います。
ちなみに私は「間違わずに」という項目に毎度ひっかかりますので、このイメージで考えられてしまうと、私もピアノが弾けない分類に入ってしまいますね。
思い通りに弾けたかどうか?ポイントは達成感の違いにアリ
特にピアノを弾かない方に覚えていただきたいのですが、ピアノが弾けるかどうか、ピアノができたかどうかは、他人からの評価ではなく本人の達成感の問題です。
往々にしてピアノの場合、誰もが知っている楽器で、有名曲もたくさんあるため、ピアノを全く弾けない方達が「弾けてない」「できていない」という評価をしがちです。
しかし、ピアノを始めるという事は、 ピアノをやってみたいと思っている本人が、どれだけ自分の思い通りに弾けたのか、そこに向かって頑張って練習できたのかが重要なポイント。
人が持っているピアノに対するイメージを背負う必要はないのです。だからこそ、中学生からピアノを始めるのは、全くもって遅くないと私は思うのです。
さらに言えば、一般的なピアノの固定観念にとらわれる必要もありません。好奇心に従って、ぜひ中学生からピアノを始めて欲しいと思います。
振り返り|中学生からピアノを始めても全然遅くない!やるかやらないかの2択のみ

中学生からピアノを始めても遅くないよ、というお話しをしてきました。
ピアノに対する一般的なイメージや固定観念にとらわれる必要もないと思います。やってみたいと思っている事は、できるだけ早く始めることをおすすめします。
なぜなら、大人になっていくにつれ、どんどんやらなければいけない義務が増えていくからです。
毎日の仕事や生活、結婚すれば家事や育児。義務で一日が終わる日もやってくるかもしれません。
中学生であるあなたの人生、そして中学生の子供からピアノを始めたいと言われた親の人生、目の前にあるのは常に「やる」か「やらないか」の2択です。
自分でやりたい事は自分で選択して決断する。生きる上で何よりも大切な事だと思います。
自分にできる事とできない事をしっかりと把握し、プロセスが合っていればピアノは弾けるようになります。中学生からピアノを始めたら遅いかな?と思っていてもピアノは上達しませんから、すぐにでも行動に移しましょう。
親の方はできるだけ口出しをせずに応援してあげてください。
ピアノをやってみたいと思って、これから頑張ってみようかなと思って、不安をなんとか横に置いてチャレンジしようと勇気を振り絞っている時に、その気持ちに穴を開けるように「中学生からピアノを習っても遅いじゃないの?」「本当にできるの?」などという針を刺さないでくださいね。
自分の子供がどうやってゴールに向かっていくのか、成長を実感できるお楽しみポイントです。見守りながら、応援してあげましょう。
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