絵本はもちろん、本も漫画本も全然読めなかった長男は、ある2つのトレーニングをきっかけに読めるようになりました。今回はどんなトレーニングをしたのかについてお話します。
母発案!学習障害でも読めるきっかけを作った2つの訓練(科学的根拠なし)
個人的な考えて始めた実験ですので科学的根拠はありません。ご了承ください。
読みの訓練その1:映画を使った読み訓練法
文になると映像に結びつかないなら、文章と映像がリンクするような訓練をすればいいのかなと考えました。
やり方
興味がありそうな映画を選び、映画の場面に合った文章を作成します。映画の小説版を使ってもいいですね。
映像と文章を完全にリンクさせたかったので、自分で書き下ろしました。
また、アニメより実写の方が、文章とリンクしやすいと思い、実写版で実験しました。
【準備編】
- 使う映画を決める。
- 決めた映画を観ながら、文章を作成。作家になったつもりで情景を入力。セリフはそのまま入力。
- チャプターごとに区切りを入れ、できるところまで作成。チャプター3つ分くらい用意。
- 行間、字の大きさ、フォント、紙の大きさ、縦書き横書きの選択、など微調整をして印刷。
- 実験を始める前に、映像の再生準備をしておく。(すぐにチャプター1が観れるように)
【実験編】
- チャプター1の文章を読む。読み方は自由。その際、文字や文章から映像が頭に浮かぶかどうか意識できれば尚良し。できなくても良し。
- 読み終わったらチャプター1の映像を観る。
- もう1度、1で読んだチャプター1の文章を読む。その時、頭に2で観た映像が浮かぶかどうか意識してみる。浮かばなくても良し。
大体、1回の実験が15分から30分以内で終わる長さが理想。長いと疲れてしまうので。
長男は週1回、チャプター2,3個分でしょうか、訓練しましたね。45分くらいかかっていたと思います。
長男はパイレーツオブカリビアンの映画が好きなので(ホントは観ちゃいけない年齢ですが)、映画観たさに文章を読むのも苦ではなかったようです。
楽しい訓練になったらしく、3か月くらい続けてみました。
どういうことなのかの詳細について
私が何をやりたかったのかというと、
1回目は何の映像も頭には浮かばなかったけど、映像を観てから文章を読むと、あ、さっきの映像を文章にするとこうなるのか、ということが分かるんじゃないかな、と思ったんです。
そして、文章が映像になるとこういうことだったのか、ということが分かるかな、という、文章と映像の両方面から意識することで、神経が間違ってつながってくれないかなと思ったわけです。
文章から映像になることが仮にできたとして、その後、文章理解ができるようになるのかなんて、まったくわかりません。
ただの母親ができることなので、このレベルでも結構精一杯でしたよ。
映画を文章にするところなんて、真面目に大変すぎました。ノベライズ本、書けるかもと本気で思うくらい頑張りました。
※著作権の関係上、お見せできないのが残念なくらいです。
読みの訓練その2:音読に似ている?!ピアノの練習法
これは本当に何となくピアノがいいのではないか?と思って始めてみました。
脳トレになるので、読みの神経に刺激を与えてくれたらうれしいなと。
レッスン内容
楽譜を見ながらピアノを弾くということは、音読に似ているな、と思ったわけです。
目的としては音符が読めるようになることではないので、楽譜に音名を書き、覚えた上でピアノを弾く弾く練習をしました。
こんなやつです。1年半くらい週1で練習しました。
読みの訓練実験の結果(長男の場合/科学的根拠なし/医師の判断もなし)
漫画が読めるようになった&文章題が正解するようになった
ピアノと映画の実験は、同時に始めたわけではないのですが、重なって両方できていた期間3か月くらいでしょうか。
ある時、長男が漫画本を読み始めたんですよ。
読みたくて買っていた『ドラゴンボール』。以前は絵を見て楽しんでいたり、気になる単語を読んで楽しむ、といった感じで、話の流れがわかるような読み方ではなかったんですね。
今までは長い時間、漫画本を読む姿を見たことがなかったのですが、日に日に漫画本を読んでいる時間が長くなっていったんです。
ある時、アニメで先に観ていた『キングダム』の漫画全巻(発売されているところまで)を大人買いしたところ、一気に読み始めました。
アニメでは途中までしかやっていなかったので、漫画本の途中からは全く知らない話でありながら、結構早いスピードで読み切り、しかも内容までしっかり理解していたのです。
さらに、実験の結果を知るために、文章問題があるテストプリントを何枚か用意していたのですが、もちろん本文の内容は知らない内容ばかりのものなのに、90点以上を連発し始めたのです。
- 通級で文章題の練習
- ピアノで脳トレ
- 映画を使った読み訓練
私が考えた2,3の2つの方法に通級の練習結果が重なり、長男は爆発的に漫画本が読めるようになりました。
キングダムに至っては、
- 漫画に出てくる名前の中国漢字の全把握
- 人物の名前と相関図
- 話や歴史の流れ
- 一瞬しか出てこなかった人物や細かなセリフ
- 人間関係や性格
驚くべき記憶力を発揮しています。
もともと記憶力については、人並み外れた部分があることはわかっていたのですが、本から得た情報だというところが母にとってはこの上なくうれしかったのでした。
ただしこの結果には1つだけ条件がありまして。
全ての漫画本が全部読めるか、というと若干疑問が残りますが、結果オーライと言えると思います。
「読み」という意味で言うと、長男には効果があったと言える結果になりました。
思いつきでやってみた失敗例2つ
まずは読む訓練として実験してみたことは次の2つ。でもこれは長男にはまったく効果なかったヤツです。
- 文章を絵にしてみる
- 絵を文章にしてみる
根本的に文を読んで理解するということがどういうことなのかがよくわからなかったので、まずは文章を絵にしてみました。
逆も同じで、絵本の挿絵から文章を考えてみたところで、解釈が違うと文章にはならないし、読む訓練とはほど遠いのですぐにやめてしまいました。
読むことと長男の脳(学習障害)のしくみ(私独自の考え方:科学的根拠なし)
学習障害の長男の場合:読むことのどこでつまづくのか
長男は文章理解ができないに等しいと考えていいと思います。漫画も読めて4コマ漫画程度。
コロコロコミックのドラえもんすら「ちょっとわかんないな」と言ってあまり読みませんでした。
私は、文を読むということはどういうことなのか、私達の脳は何をしているのか。そのどこにつまづくと文章理解ができないということになるのか。
そこで私は考えました。
- 文字は認識・理解できる。
- 単語も認識・理解できる。
- 文になると理解できない。1文ならわかる文もあるがわからない文もある。
ここだ。2と3の間で何かが起きている。文の中の単語まではわかるけど、「てにおはが」がつくとわからない。
形容詞や副詞など、単語以外の言葉と一緒になると理解が難しくなる場合がある。
そして、3文くらいまではなんとか頑張って理解できることもあるけれど、絵本や本のように、がっつりと話がまとまると、読むのに時間がかかるし、頭も痛くなってくる。
そして何の話が全然わからなくなる。ここに何かがあるなと思ったわけです。
私が読むとどうなるのか
では、私と何が違うのか。
私は文章を読むとすぐに関連の映像が浮かんできます。単語や状況から知識として関連している情報がリンクとして一瞬浮かびあがってきたりもします。
そして読み進めていくと、その映像が動いていくので、文章を読みながら動画を見ているような感じになりますね。
表現が難しい文章や、知らない単語があったりするとうまく映像化されないので、理解しにくい、分かりにくいなと思ったりします。
文章が映像化しないことが問題なのか?
これは私が感じたことなのですが、おそらく無意識のうちに単語や文章が自分の知識と結びつくと思うんですよね。過去の記憶とか、知識とか、常識とかそういうものと結びつく。
長男の脳のしくみは、そこがいまいちリンクしづらいのかな、と思ったわけです。
『リンゴ』という単語をみたらリンゴの絵は浮かぶ。
でも、『真っ赤なリンゴが突然空から降ってきて、頭に当たった瞬間に目の前に花火が上がったみたいになった』という文章になると、その映像は浮かばないようでした。
さすがに私は脳科学ではないのでこれ以上のことはわからず、ならば単純に、文章から映像が浮かぶ訓練をしてみようかなと思ったわけです。
学習障害で本が読めないとどうなってしまうのか?
これは、私が医師にした質問です。その時の医師の回答は、次のような感じでした。
- 本や雑誌などから情報や知識を得ることができない
- 漫画本など、本を通じての共通の話題に入れない
- 本の世界観を疑似体験することができない
なんかもうちょっとあったような気がするのですが、、、、忘れてしまいました。
この事に対して、医師からのアドバイスは次の通り。
- Youtubeでいいから動画をうまく使って知識や情報を得る
- 電子辞書をうまく使って単語や言葉の使い方を覚えていく
- テレビや映画、アニメを積極的に見る
その後、動画を見方について長男とルールを決め、積極的に動画から情報を取るようにしました。
今の時代、本が読めなくても全く大丈夫だと思います。もはや文字を追って読むよりも流れは動画の方へ向いている気もしています。
しかし、学校にいる以上、教科書を読み、テストの問題を読むことは必須項目。
テストで問題を読んでもらうことは学校の対応としては難しい以上(相談したけど無理でした)、自力で文章を読んでいかなければいけないわけです。
文字を認識できるなら、何か方法がある気がする。そこで長男が小学4年生の時、実験に踏み切ったわけです。
振り返り:学習障害でも少しだけ読めるようになった!
4コマ漫画が精一杯だった長男の脳にきっかけができたからか、長男は『日本の歴史』『世界の歴史』という漫画本を図書室で借りて読んでいました。
長男が借りてくる本と言えば、ほぼカブトムシ・クワガタ系の図鑑ばかり。
読書感想文もおすすめの本も6年間、ブレることなくカブトムシ・クワガタ系の図鑑でした。
どうしても中学になる前にやってみたかった実験ができて、しかも結果として目に見える違いが出てくれて本当に良かったと思っています。
今回の実験に、科学的根拠は全くありません。医師にも話をしてみましたが頑張ったねと言われただけで特に医師の判断のようなものはありません。
なんでもチャレンジしてみることが大切なんですね。
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