【HSCの不登校対応案】時短や別室など登校のスタイルを変えてみる

不登校

HSCの次男は、小3の5月に学校内に入れなくなりました。

HSCの気質上、先生やクラスメイトの感情に敏感になりすぎて、入学3年目にして疲れてしまったようです。

そんな次男の気質に合わせ、不登校対応として実践したことの中から、登校スタイルを変えてみたことについてご紹介します。

お子さんの不登校に悩んでいるかたの参考になれば、うれしいです。

学校に戻ることを前提とした不登校対応

不登校の対応には、大きく分けて2パターンあると考えました。

  • 学校に戻ることを前提とした対応
  • そもそも学校以外の選択肢を前提とした対応

次男の不登校が始まった当初、学校に戻りたいかどうかなどわかりませんでした。

次男の不登校で学校に理解を求めた4つのこと

  • 学校にくることを求めないでほしい
  • 短時間登校を認めてほしい
  • 休みたいときは休ませてほしい
  • 学校行事もできるところまでにさせてほしい

学校に行くたび、先生方に「なんで学校にこないの?」「学校においでよ」などと言われると、行けない自分の感覚との葛藤で、完全に行かなくなると思いました。

当時の次男の担任が、

  • 給食ならこれるのでは?
  • 朝だけならこれるのでは?
  • 休み時間だけは?

と何とか学校に来る理由を見つけようと次男にあれこれ言うので、すべてやめてもらいました。

担任の先生にお願いした接し方

行ったら行ったでOK。休んだらそれでもOK。ご自由にどうぞ、というスタンスで扱ってもらった方が次男としてはラクだから、以下の2つのスタンスで接してもらうことを依頼。

  • 学校に行ったからって先生は大喜びしない
  • 早退するからといって引き留めない

先生の指導法やキャリア、信念や教育方針にも関わることに口を出すことには気が引けましたが、本質をごまかし学校に行ったところで次男の不登校の理由は解決しないと思い、お願いしました。

子供が感じている矛盾を具体的&明確にすることが不登校を乗り越える鍵

逆に先生のこういう、上辺だけの対応、といったら失礼なのですが、見た目上学校に来ていればOK、というスタンスは、HSCの気質の子には納得できない部分だと思うのです。

まだまだ子供ですから、なんで自分が学校に行けないと感じるのか、他の友達が難なく通っているのに、なぜ自分だけこんなに辛いのか、なんて説明できるわけありませんよね。

そういう矛盾を感じていること自体、間違いではないと思いますし、実際感じていることは事実。

関わる大人は、子供のこういう一般論的な矛盾をスルーしてやり過ごしてはいけない。それは、大人の事情による都合のいい逃げだと思うのです。

先生も親も、子供の矛盾と真正面から向き合い、

  • 子供が何を感じ取っていてどうしたいのか
  • それを言葉でどう伝えあっていくのか
  • そのために必要なことは何なのか

を具体的に、明確にしていくべきだと私は思います。

次男の不登校をクラスメイトにカミングアウトしたことも結果プラスになった

次男の不登校が本格化し始め、休んでみたり登校してみたり、遅刻してきて早退したり、イヤーマフをつけていたり。

明らかに今までの次男と違う様子にクラスメイトの子供たちが疑問を感じ始めました。

  • 次男君、どうしたの?
  • なんで帰っちゃうの?
  • 明日は来るの?
  • なんでヘッドホンしてるの?

普段、教室で怒ったり泣いたりするわけでもなく、別段騒ぐタイプでもなく、なんでもソツなくこなし、クラスで過ごしていたはずの次男に何が起きているのか、理解できないクラスメイト達。

当然ですね。

朝の読み聞かせの時間を使って次男の不登校を説明

私は、次男が1年生の頃から、1学期に1回、朝の読み聞かせボランティアをやっていたので、朝の読み聞かせ時間を利用し、クラスメイトに説明することを決意。

ちょうど隣のクラスのボランティアさんの都合がつかず、私一人で2クラスの子供を集めての読み聞かせだったのでベストな機会をいただくことになりました。

いつもよりも少し早めに終わる絵本を読み、その後、次男に起こっていることを正直に説明。

先生が嫌とかは言いませんでしたが、感覚が過敏であること、育つ環境が違うところで生きようとすると、辛くなってくることを話しました。

成長していくにつれ次男が生きられる環境は「みんなとは少し違ってきた」だけ

海と川の魚の環境の違い、空で生きる鳥と地上で生きる鳥の違い、わかりやすいところで、教室や学校で飼っている虫や動物の環境を、その虫や動物に合っていないまま飼育したらどうなるのか、ということを例に話したところ、すんなりと理解してくれたようです。

気質的に先の未来を推測しすぎて、怖くなって動けなくなることもあるから防災訓練には出られない、話したところ「次男=未来を予測するエスパー」というちょっとしたすれ違いもありました(笑)

ですが、ちゃんとクラスメイト達に理解してもらったので、次男は次男のままでOK、見た目では人の感覚の違いってわからないもんなんだね、とすんなりと受け入れてもらいました。

子供の不登校に親が理解を求めに行くのは年齢的なことも加味した上で検討した方が良い

登校すればみんなに囲まれ、帰るときもみんなに囲まれ、異例なスタイルを貫き通す次男と私に居場所を作ってくれた学校と先生、クラスメイト達に本当に感謝でした。

ただこれは小学3年生だった、という年齢的なことも大きく、また、学校や関わる人達の人柄の良さが関係し、いい方向に向かったという一例です。

もし、次男が中学になってまた不登校になったとしても、親が出ていって説明することはないでしょう。そこは学校の先生の領域ですね。

HSCの過敏ストレスを減らす2つの不登校対策

次男が通う学校には、もちろん、それまでも不登校の子供は毎年数名いたようです。

次男の本心は「学校に行きたくないわけではない」のに、「行くときつくなる」。

次男の場合はここで揺れ動いていたようなのですが、メンタルの限界を超えて、校門で足が止まる、という見える行動になりました。

  1. 友達と遊びたい
  2. 参加したい授業はある
  3. できるなら学校に行きたい

この3つを解決するために考え、実行した対策は次からご紹介する2つです。

時短・時差・早退で在籍時間を調整

1日学校で過ごすと疲れるなら、時間を短くすればいいのでは?と思い、学校に提案。

  • 午前だけ
  • 午後だけ
  • 2時間だけ

基本この3パターンで固定し、ほぼ2時間スタイル(参加したい授業&前後1時間登校する)で学年末まで過ごしました。

行くのか行かないのかはっきりしないのは、本人も学校も私も、予定がたたなくて困るので、1週間の時間割予定を先生にいただき(行事の関係なので結構時間割が変わるのです)、参加する時間を事前に先生に報告。

参加する時間のみ、遅刻&早退で学校に行き、帰ってくるという毎日を過ごすこと1年。

学校行事や体験学習、縦割り学習や社会科見学なども、2時間くらいの参加になるように途中抜けてまた戻るということをやりました。

行けそうであれば3時間、参加したければ給食や昼休みまで、と少しずつ時間が長くなることもありましたね。

送迎や付き添いをする私は大変ではありましたが、フリーランスの在宅ワークだからできたこと。

今しか本格的に付き合えない、と私も覚悟を決め、積極的に次男のスタイルを貫くサポートに徹しました。

おかげさまで今の私に、不登校当時の次男の対応で、後悔していることは1つもありません。やりつくした感じです。

保健室・校長室などの別室登校

不登校になり始めの頃、どんなスタイルなら学校にいられるのかを試してみるために、別室登校も試しました。

別室、と言っても、保健室や校長室、スクールカウンセラールーム、特別支援教室(通級教室)は、他に先生がいるため次男は嫌だということで、在籍級の隣にある空き教室(算数や合同授業で使うような教室)で自習をして過ごすことに。

これは結構効果的だったようで、授業中、次男に用があるクラスメイトや先生が、その時だけ隣のクラスにきてくれて、用を済ませて戻っていましたね。

【HSCの過敏対策に使えるアイテム】学校内でイヤーマフを使う

使うだけで落ち着く効果&雑音系をシャットアウトするイヤーマフ

ちょっとガッチリめのヘッドホンタイプが多いイヤーマフ。イヤーマフの締め付けがきついと感じるかもしれないし、逆に安心すると感じるかもしれません。

うちは長男・次男・私と3人使っていますが、使用感は人それぞれですね。

私は1時間を過ぎると、少し締め付けが気になってきますが、途中何回か外して休むことで、無理なく仕事中に使えています。

防音効果が高いものは、それなりの締め付けがありますし、つけ心地の好みがあるかもしれませんので、買って使ってみて合わないな、とすぐにあきらめず、2・3個試すつもりで検討してもいいと思います。

機械音的なものをシャットアウトするものなので、人の声は意外と聞こえます。なので授業中に使っても問題ありません。

次男使用:軽くて使いやすいキッズタイプのイヤーマフ

小学生や幼稚園児が使うなら、軽くてすぐに使えるキッズタイプがいいでしょう。大人と兼用で使えるタイプもありますが、つけるときの開きやすさとか、耳部分の厚みとかが違います。

  • ランドセルに入れて毎日持ち運ぶ
  • 学校に置いておく
  • 家用も用意しておく

など、いろいろなパターンを試してみるといいでしょう。

長男使用:子供から大人まで使えるガッチリタイプのイヤーマフ

長男使用のイヤーマフ。長男は頭も顔も大きいので大人まで使えるタイプを使っています。自閉傾向がある長男の場合、イヤーマフをつけるだけで何かと安心するみたいです。

ただ、長男本人は、学校では使いたくないらしく(恥ずかしいようで)、家ではイヤーマフ、学校では耳栓を使用しています。

花緒使用:足音も聞こえない!フリーサイズタイプのイヤーマフ

私が会社で使用しています。社内は電気の音や社員の携帯バイブレータ、何かわからない機械音、足音などの音であふれているので、音が気になるときに使用。

本当は高い声の人も遮断したいのですが、声は遮断できないので、打ち合わせや話し声など特定のピッチの声が気になる場合はプラス耳栓です。

足音は本当に聞こえないので、快適に集中してしまうと突然隣に人が立っていて結構びっくりします。

短時間なら子供でも使えると思いますが、割と大きめのサイズですので、ランドセルで持ち運ぶにはちょっと大きいかと思います。

怒っている声や鳴き声などの声も遮断したいなら耳栓

先生や友達がしゃべっている内容は聞き取れなくなりますが、遮断加減が一段と上がります。

読書や自習などで集中したい場合、教室内のいろんな音が気になる子供はイヤーマフと耳栓を併用するといいでしょう。

もちろん、耳栓だけでもいいと思いますので、イヤーマフは大きくて恥ずかしい、なら耳栓もあり。ただし、内容が聞き取れなくなってしまうので、授業中の使用は実質難しいと思います。

さらに、授業中など先生が怒りだした時などに、あからさまに耳栓して、イヤーマフをつけると、もしかしたら先生の怒りがヒートアップするかもしれませんのでご注意ください。

ただHSCの気質としては、先生の怒りやクラスメイトのいら立ち、鳴き声などを遮断したいわけですから、事前に先生に許可をもらっておくことも対策の1つです。

本人が怒られているとき以外は許してもらえるといいのですが、低学年だと連帯責任系の先生の怒りとかはわからないでしょうから、先生に理解してもらい、大目にみてもらうしかないでしょう。

なくなる心配がないひも付き耳栓

首にかけておいて、必要な時にさっと使えるひも付き耳栓。片方だけなくなったりしないので便利です。

長男はほうきで掃く音や習字の筆と紙がこすれる音など、苦手な音があるので、いろんなタイプの耳栓を持っています。

このタイプは押し込むだけだし使いやすいらしく、学校での使用頻度は高いみたいですね。

ただし、見た目的にも首のひもが見える状態なので、気になる子はひもなしを選びましょう。

完全に遮断はできないけどあると全然違うフィットタイプの耳栓

私が会社で使っているタイプの耳栓。あるとないとでは全然違います。

ただ、会社の場合は授業とは違い、人の声を聞かなくてもいい作業時間がありますが、学校の場合は先生の言っていることが聞こえないのは時として致命的な結果になることも。

授業中は自習中心で、先生の声を聞くと辛いなら、耳栓プラスイヤーマフでもいいかもしれませんね。登校しただけOKってことで。

長男は、どうしても苦手なタイプ(しゃべり方や声の大きさ)の先生がいて、学校には行きたいし授業は遅れたくないので、耳栓をして授業に参加。このタイプも持っています。

一人で教科書を読み、黒板を写し、半自習形式で特定の授業(1教科だけですけど)参加。

担当教科の先生も耳栓使用は了承しています(声が大きく聞こえすぎるのが苦手という理由にしています)。

担任曰く、授業態度だけは満点だそうです。

耳栓のみの使用ならちょっとカッコイイ耳栓がおすすめ

次に耳栓を買うならどうかと検討中の耳栓。長男用にと検討してみたのですが、絶対なくなるなと思っていて、数を買うには値段が気になって保留中。

これからの学校生活で耳栓があった方がやっぱり快適だと長男が希望した場合は、このタイプを購入しようと思っています。

髪が長い女の子とかなら、カラフルな耳栓もかわいくていいですよね。

振り返り:不登校の対応は子供の様子に合わせてカスタマイズすることが重要

次男は不登校でありながら「1日2時間だけ登校する」というスタイルを1年通させてもらいました。

不登校なのに、遅刻と早退の繰り返しだったので、成績表には欠席の日数が月1日とか多くても3日くらいでした。ほぼ休んでないじゃん、と担任の先生と笑いました。

次男のこの不登校スタイルは、学校にとっても新たな試みだったようで、十人十色の子供の特性や気質に合わせることで、不登校は減らせると感じてくださったようでした。

他に私が感動したのが、当時小6だった長男の学年の担任2人の先生が、

  • 運動会のリレー練習に参加しただけで十分だよ(リレーの選手でした)
  • また明日ね

と、学校に来る来ないに一切触れず、すれ違えば声をかけてくれたこと。

そして、長男のクラスメイトが学校を遅刻してきて早退してきても、廊下の遠くからでも次男の名を叫んで手を振ってくれたこと。

誰に言われたのかもわからないのですが、学校的にこのような雰囲気があることで、不登校でも学校に居場所があるという安心感が生まれました。

私も堂々とカミングアウトしていますし、担任が嫌ということ以外はすべて本当のことを学校にも子供たちにも伝えていますから、次男の素の状態、つまりHSCの気質が激しくて学校が辛くなっていることを受け入れてもらえることができたのかもしれません。

1日学校にいると辛くなるなら→時間を短くすれば?はとても単純な発想ではありますが、たまたま次男にはこの方法が合い、1年の変わった不登校生活は終了。

4年生からは私がフルタイムで仕事を始めたこともあり、週1休みでフル登校していますので、実質、不登校は乗り越えた形で現在に至ります。

不登校の対応はとても難しい。

実際に次男の不登校に関わることで、さまざまな本を読み、ネットで情報収集をし、さまざまな取り組みにチャレンジしてみましたが、やはり子供に合わせてカスタマイズするしか対応策はないと思いました。

  • 本で読んだ情報がこうだから
  • ネットで検索した方法がこうだから

始めのうちは不登校になった子供の対応なんて、右も左もわかりませんから、こういうスタートでもいいでしょう。

しかし、その先、もし学校に戻りたい、不登校を乗り越えたい、なんとか克服したいと、子供本人が望んでいるなら(親や先生ではありませんよ)、子供に合う方法をとことん追求して対応するしかないでしょう。

次男の例は、ネットで検索した不登校児の一例として、こんな方法もあるんだな、というレベルで参考にしてもらえるとうれしいです。