ADHDの子供はどんな特徴がある?ポイントを押さえた4つの接し方

ADHD

忘れ物が多い、席に座っていられない、喋りっぱなし、すぐに気が散るなどADHDの子供は興味や好奇心でいっぱいです。ときには危ないことも起こるので、一緒に過ごす親や大人はハラハラドキドキしてしまいますよね。

今回はそんなADHDの特徴を確認し、特性のポイントを押さえた接し方についてお話ししていきたいと思います。ADHDの子供の対応に困っている方の参考になればうれしいです。

子供のADHD基礎知識|特徴と考えられる困りごと

個性のある5つの人形

ADHDのイメージは?というと、ずっと動いていていたり、ずっとしゃべっていたり、すぐにどこかに行ってしまうのに気が散っている感じ。忘れ物が多くて片づけられない。そんなイメージがあります。

子供のADHDとは?

注意欠陥多動性障害のことで、ADHDと呼ばれています。

ADHDの主な症状は「不注意」、「多動性」、「衝動性」で、こうした症状が少なくとも2つ以上の状況(学校と家庭など)であらわれます。
これらの症状のあらわれ方は人によってさまざまですが、そのあらわれ方の違いから「不注意が目立つ群」「多動性・衝動性が目立つ群」「混合群」の3つに分けられます。

親と子のためのADHD.co.jp/  症状・特徴は? より引用

ADHDには3つの特性がありますが、不注意の症状が強いか、それ以外が強いか、と診断で言われることが多いです。

不注意優勢

いわゆる不注意という意味でも使われますが、長男の診断の時に医師から聞いた説明では、あちこちに意識が飛び過ぎて、1つのことに集中し続けることが難しい、と聞きました。

ちなみに長男は不注意優勢。興味があちこちに移りやすいのですが、集中すると過集中になります。

過集中は、不注意優勢だからなのか、自閉症のだからなのか、微妙なところです。

多動・衝動型

俗に言う、座っていられない子供、はこの類でしょう。ただ我慢ができなくて座っていられないんじゃないそうです。

長時間飛行機とかに乗ってると、一回立ちたくなったりするじゃないですか。ああいう感覚らしくって、動かないと体的に難しいようです。

あとは思いついたら即行動、気づいたことはすぐ口に出す、ということで、言ってはいけないことを言ってしまったり、どこかへ行ってしまったりします。

混合型

上記2つの特性を併せ持つ子供です。長男は不注意優勢と診断されていますが、多動性だって衝動性だって十分に特性としてありますし、子供なんてこんなもの、と思う人もいるでしょう。

診断がつくかつかないかは、どこまで親子で困っているか、ということがポイントになるそうです。

ADHDの子供に起こり得る困りごとの例

頭の回転が速すぎる|他の神経と同じスピードで連携できたいための困りごと

基本的に、頭の回転がモーレツに速いと思います。もちろん、子供によって、人によっての差はあると思いますが、頭の回転が速くて、その他の神経の動きが頭の回転と一致していないから、いろんな困りごとになる気がしています。

長男は、頭で計算するスピードと手で答えを書くスピードの差があまりにも大きく、書字障害と診断されています。

目も頭も次問題を解いているのに、手はまだ前の問題を書いているので答えが混ざってバツになる。切ない現実です。

多動・衝動|どこかへ行ってしまう

子供の頃は、一番困るのが多動・衝動だと思います。まだコミュニケーションが取れない小さい子供の場合は、自分の興味でふっとどこかへ行ってしまいますからね。

スーパーとか商業施設とか遊園地とか、とにかく家の外に出たらスイッチオン!みたいな感じで、親も気を張っていないと本当に危ない。

かといって家の中で過ごしても、走り回って飛びまくってぶつかりまくるから、ソファもベッドも壊れて、ドアにも穴が開いて、窓も壊して。

どっちにしても本当に危ないと思います。

そして、幼稚園や学校に入ると、椅子に座っていない、みんなと一緒に並ばない、同じ行動をしないとことあるごとに注意されます。そして「僕はできない子なんだ」と二次障害に落ちていくきっかけにもなってしまいます。

多弁|ずっとしゃべりっぱなしで親が疲れる

女の子だけじゃなくて、男の子でもおしゃべりな子は本当におしゃべりです。次男も「もう一回お休みさせてくれ」とお願いする程多弁です。

幼児期のうちはまだ良いのですが、本当にADHDの子供が困るのは幼稚園や学校に入ってからでしょう。

先生の話を聞かなければいけない時でもしゃべってしまうし、それ地雷だよっていうことも目につけば言ってしまう。

子供なので、周りを察することも経験的に難しいですが、地雷は本当に何度か踏んでしまうと思うので、親はある程度覚悟しておいた方がいいでしょう。

忘れ物・失くしものがひどい|約束も持ち物も必要な物も忘れる・失くす

ADHDの永遠のテーマ、忘れ物や失くし物が多いこと。

私はADHDの脳では覚えておかなければいけない物に対して「意識」が向けられないことが問題なんじゃないかと思っていて、その辺りの神経が、いろいろとうまく連携していないと推測しています。

だから本人の意志でどうこうなるものではない、と思っています。

それこそ、薬とかをうまく使って、成功体験を積むという方法もありますが、脳のしくみは変わりませんので薬を飲み続けるか、忘れてしまう脳のしくみのまま、生きていくしかありません。

この辺りは、スマートフォンなどのツールをうまく使い、誰かに助けてもらえるようにした方が賢いかもしれません。専属秘書を雇う、というようなイメージです。

片づけられない|行動パターンが一目でわかるくらい出しっぱなしで動く

ADHDの困りごとの代表、片づけです。先程の忘れてしまう特性があるから、片づけられないのか、片づけられないから忘れてしまうのか。

結構、脳のしくみから考え始めると「片づける」ということだけでもいろいろな認知が関わっていることがわかります。

片づけの作業は、超シンプルにしないと永遠に難しそうです。

片づける=大きな箱にしまう、くらいシンプルがいいかもしれません。その大きな箱を見たら、全部入っているという状態であればなくなることもない・・・はずです。

1つの問題を最後まで解けないorやめられない程の過集中

言動や行動が忙しいということは、脳の中が忙しいということです。

いろんなことに興味がポンポン移動するので、1つの問題や1つのことに集中することはなかなか難しいです。興味がないことに関しては、とことん興味がないので集中は難しい。

逆に興味があれば即実行しますし、やめられなくなってしまう程の過集中に陥ってしまう場合もあります。

もう疲れたから辞めたいのに頭が辞めてくれない、という表現がピッタリなのではないでしょうか。前頭葉がうまく働いていないらしい発達障害の場合は、いろんな面をバランスよくコントロールすることが難しいそうです。

その代わり、やるならやる!徹底してやる!興味さえ消えなければどこまでも追及する!ので、数々の業績や実績、発明なんかをやり遂げられるのだと私は思っています。

圧倒的に怒られる機会が多い

なんとなく予想できると思いますが、ADHDの特性があると、子供時代から圧倒的に怒られる回数が多く、批判されて否定されてしまうきっかけになっていると思います。

自己肯定感が下がるのも無理ないのかもしれません。なぜなら、脳のしくみで勝手に動いてしまう結果が行動となって表れているだけで、子供は自分が怒られている理由なんてわからないのです。

怒られている理由と、自分の脳のしくみと、自分の認知によって起きている行動や言動。

そのつながりがわかれば、対策も立てられるというものですが、子供ですから理解は難しいでしょう。だからまた今日も怒られてしまうという悪循環がADHDの子供には起こっています。

ADHDの特徴をつかんで子供を動かすポイントを紹介!試してほしい4つの接し方

子供に勉強を教える大人

ADHDの子供の特性や困りごとを理解できたら、次は支援の方法をお話ししていきましょう。

思考の速さを利用して早口で短く指示を出す

子供だからゆっくり話すのではなく、 頭の回転が速いと思われるADHDの特性を利用して、早口で話してみましょう。

早口で話すと自分の頭の回転も速くなるし、聞く子供の頭の回転もちょうどよく刺激されるのでしょう。何言ってるんだ?と子供は驚き、一瞬こちらを向くので早口で短く話してみましょう。

じっくり腰をすえて、長い時間取り組むよりも、何事も短い時間でサッと終わらせた方がいい。

座らない方法も効果的

勉強などもも、いっそ座らないという選択肢もあります。バランスボールなど安定しないものに座らせながら宿題やらせたら、面白がって宿題が終わるかもしれませんし、一気に全部は無理でも、3問ずつならやれるかもしれない。

ダラダラ宿題をしているんじゃなくて、特性に合わせて宿題をしてるのです。

小さい子供は競争すれば一気に終わる

小さい子供の場合は、競争が効果的です。

「○○やるよ。ママとどっちが速いかな~。よーいドン!」

と言えば猛スピードで動きます。あとはカウントダウンとかすると、自動的にスイッチが入るっぽいです。

10からだと待ち時間が長いから、3から数えましょう。短く、すぐに始めてすぐに終わらせることがポイント。

物・目的・役割が目に見えるようにしておく

目に見えないもの=ないもの=この世に存在しないもの

くらいの認識だと思っておきましょう。

「○○どこ?」と子供に聞かれた場合、大抵は「探しなさい」となりますよね。「探したよ~~でもないよ~~」という子供。

きっと、どこも開けずに何もよけずに、自分の目でサーっと見ただけで「ない」と言っていると思いましょう。実はランドセルの中に入っているとか、引出に入っているとか、探せばあることが大半です。

物はもちろんのこと、目的(宿題をやるとか、習い事に行く)とか、役割(学校の委員会とか、当番系)とか、目に見えないものは忘れてしまうので、見えるように紙に書いて貼っておきましょう。

ホワイトボードとかに書いておいてもいいですし、スマホやスマートスピーカーなどをうまく使ってアラームをかけてもいいですね。

この辺は脳のしくみ的に難しい部分だと思いますので、全面的に支援が必要です。そして、タイマーやアラームを使って時間を管理したり、メモをしていくスキルを、ちょっとずつ子供に引き継いでいきましょう。

即行動に移せる環境を提供する

やってみたいことや興味がたくさんあるADHDの脳は、「おもしろい」と思えるものを探しつづけます。これをやってみたい!と思ったら、とりあえず体験させてあげられる環境があるといいですね。

もちろん、全部が全部は無理でしょう。

でも、テントで寝てみたいと子供が言ったら、一緒にキャンプに行ける。恐竜博に興味を持ったら、都合のいい休みに一緒に見に行ってくれる、というように、親のフットワークを軽くしておくと、子供の才能が伸びると思います。

  • これやってみたいな→ダメ
  • ここ行ってみたいな→ダメ
  • あれ食べてみたいな→ダメ

これでは、何も望まなくなってしまうと思うのです。

おそらく興味の数が健常の子供よりも何倍も多いのでしょうから、大変かもしれませんが、興味の芽は伸ばしてあげたいですよね。

できないことは人や物に委託|見切りをつける発想をを持つ

忘れてしまうことは、スマホやデジタル機器をうまく使って補助すればいいですね。片づけも子供に全部やらせず半分はお母さんがやってしまってもいいと思います。

そうやって、子供本人じゃないとできないことにフォーカスして、子供じゃなくてもできることは子供の負担から外しましょう。

ただし、この考え方はあくまでも理想。現実はそんなにうまくはいきません。

それでも、できないことは得意な人・できる人にお願いすればいいと思います。そうやって、助け合っていくんだと思います。

大人の話をすれば、そこに雇用が生まれるわけですから、できないことを人や物に委託をすることは、あながちデメリットだけでもないわけですね。

どこかで見切りをつけて、特性的に難しいものを頼まないようにしましょう。

振り返り|ADHDの特性をうまく使えばできることが多くなる

ギターを弾く女の子

簡単にうまくいくことではないと思いますが、ADHDの特徴と接し方をご紹介してきました。

極論の発想をしますと、ADHDの特性をいい方向にだけ使えば、できることばかりになる気がするんです。

できないことに目を向けずに、走っていくためガソリンだけを考え走り続けるようなもの。ガソリンがなくなってエンジンが切れるまでやり続けるので、結果成功していくのでしょうね。

思考の速さを利用して、目で見えるように掲示して、興味を持ったら実行してみる。そしてできないことは人に頼み、できることだけに集中していけば良いと思います。

まずはこの4つの接し方を試してみましょう。その後、少しずつ子供に合わせてカスタマイズしていけばいいと思いますよ。

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