【小学生の読み聞かせにおすすめ】心に響くものがある世界の昔話&童話6選

絵本

昔話や童話を読むと、「なるほど!」とか、「賢いな」と感心してしまうお話が多々ありますよね。

人として生きる上で忘れてはいけない大切なものが語られている昔話や童話は、読み聞かせにとても向いているジャンルです。

今回は、世界の昔話や童話から読み聞かせにおすすめのお話を6選、紹介します。

ご家庭で、学校での読み聞かせの参考になればうれしいです。

小学生の読み聞かせに昔話や童話がぴったりな理由

冒頭ですでにおはなししてしまいましたが、昔話や童話には「人として生きる上で忘れてはいけない大切なもの」が多々語られています。

幼少期よりも語彙の数も増え、会話でコミュニケーションも取れ、多少の生活経験もある小学生だからこそ、理解できる昔話・童話の世界。

少し長めのおはなしでも楽しめる小学生の読み聞かせに昔話や童話がぴったりだと思う理由を私なりに考えてみました。

比喩的な表現を使い生き延びる術を伝えている

  • 生活の知恵やとんち
  • 人の欲と愚かさ
  • 地域ならではの生活スタイル

などを、比喩的な表現を使い、子供や後世の人々に伝え、危険なことや生き延びる術を伝え続けています。

「山に入るときは気を付けないとあぶないことがありますよ」と子供に話しても、好奇心旺盛な子供には伝わりませんよね。

でも、やまんばが出てくるようなおはなしを読み聞かせることで、山には危険なことがあるのかもしれない、ということを子供が知ることができる。

行動範囲が友達との交流が増えてくる小学生に、言葉や教訓的なものの知識や考え方を教えたい場合、いちばんわかりやすいものが昔話なのではないでしょうか。

良い例・悪い例が明確に描かれている

登場人物のキャラクターが、本当にはっきりと良い例・悪い例として明確に描かれていますね。

さらに、望ましい行動と結末がはっきりしているため、社会経験の少ない子供でも理解できます。

欲をコントロールできないがために人生が悪い方向へ転がっていく人がいることは、時代が変わった現代にも通じるところがあります。

人の「欲」を「前・悪」として描き、どう向き合ってコントロールしていくのかは、大人が子供に身に着けてほしいスキルの1つでもありますよね。

言葉で教えることが難しい教訓が自然と知識になっていく

  • 失敗してもやり直せる
  • うまくいかなくてもあきらめない
  • 自分の人生は自分で切り開く

言葉で教えるのは到底難しいこの類いのことは、昔話や童話を読むことで自然と知識として入ってきます。

伝えられてきていることには、何かしらの教訓があり、それを知ることで命をつないできたのでしょう。

日本とは違う国があることを知ることができる

世界の昔話や童話には、

  • 王さま
  • 地方の民族衣装
  • 建物
  • 自然の情景
  • 気候

など、日本とは違う国の様子や風習があります。

絵で見るからこそ、違和感なく知ることができるんですよね。

さらに、その土地ならではの風習や生活スタイルなどは、当然ですが日本とは違います。

子供の頃に絵本で得た経験は、その先大人になってからもイメージが残っているもの。

ふとした時に思い出されることもありますので、楽しみつつ知識をつけていける昔話や童話をたくさん読んであげたいですね。

小学生におすすめの世界の昔話&童話6選

短いおはなしから長いおはなしまで、世界の昔話とグリム童話から3選ずつ、6話分ご紹介します。

子供と先を予測しつつ、一緒に楽しんでみてくださいね。

【ロシア民話】うさぎのいえ/3分

雨にぬれたきつねを助けたうさぎが、きつねに追い出され、森で会う動物たちがうさぎを助けてくれようと頑張るおはなし。

困っている人を助ける&同じリズムとパターンで次々と動物が出てくるという定番なパターンでありながら、最後はあっぱれな知恵で乗り切る爽快な内容です。

たくさん昔話を読んでいると、この先の展開はこうだな、と読めてくるのですが、私の予想とは全く違った結末でした。

割とさっくりと読めるし、学年関係なく楽しめる内容&時間も3分と短めなので、何冊か読む場合の昔話セレクトにちょうどいいと思いますよ。

【イランのおはなし】白い池 黒い池/12分45秒

継母と継母の娘にこき使われていた女の子が、ふしぎなおばあさんの頼みを聞き美人になり、欲深い継母とその娘がその不思議な体験と同じことをやってみたが逆の結果になってしまうおはなし。

シンデレラのように、舌切り雀や花咲かじいさんのように、正直者と欲深い人のやり取りが語り継がれてきた昔話です。

このおはなしでは、こき使われていた女の子がふしぎなおばあさんの頼みを聞くときに、相手の言葉を、言葉通りに受け取るのではなく、相手が望んでいる心の言葉に目を向けているんです。

「人は思ったことを素直に言うとは限らない。人の心に寄り添って、心の声に耳をすまし、その人が本当に望んでいることができた、やさしい少女がいたこと」

結構ダイレクトに伝えたいことがおはなしになっているので、学校の読み聞かせなどにおすすめ。

ただ、おはなしが長いので、中学年以上か、読み聞かせの時間が15分くらいあったほうが安心して読めますね。

【スウェーデン・サーメのむかしばなし】巨人の花よめ/6分40秒

娘が住んでいる地域で恐れられていた巨人。その巨人の花よめになることになってしまった娘が、知恵を絞り巨人を退治するおはなし。

よくある昔話、と言ってしまえばそれまでですが、昔話はその知恵やトンチ的なものがおもしろい。

また、スウェーデンという極寒の地ならではのトナカイとの暮らしが描かれています。

鮮やかな色合いの民族衣装などもとてもきれいなので、日本とは違う雰囲気の生活スタイルが見られるのも、昔話を絵本で読むの楽しみの1つですね。

【グリム童話】いばらひめ/6分30秒

「眠り姫」「眠りの森の美女」など別のタイトルもありますが、グリム童話では「いばらひめ」。

姫系の昔話は、女の子がいる家庭では読み聞かせる機会もあるとは思いますが、意外と男の子の家庭では姫系のおはなしをセレクトしないこともあり、知らない子もいるのではないでしょうか。

定番中の定番のお話は、各絵本によって少しずつ話が違うのが難点。大筋と結論は同じではあるのですが、子供の頃にどのバージョンで読むのかによっても、イメージが変わってきますよね。

こちらの絵本は、まるで絵画のような絵なので、学校での読み聞かせだけではなく、家庭での読み聞かせにも向いています。

これぞ絵本の醍醐味、と言える美しい絵本。細かく美しく繊細な絵なので、大人の方にもおすすめです。

【グリム童話】つぐみのひげの王さま/10分

平気で人をバカにするうぬぼれ屋のおひめさまの性根を直すめに、結婚相手候補だった他国の王さまが、こじきになっておひめさまの心を正してくれるおはなし。

今あるものにありがたみを感じず、失ってはじめて気づく。ということがメインのおはなしになっています。

おはなしの中で、おひめさまは自分の傲慢さに気づき、反省し、考えを改めることで、人生がいい方向に変わっていく。

基本のことなのかもしれませんが、自分の非を認めることはなかなかできないことだったりもしますよね。

おはなし自体はパターン化された文章の繰り返しで成り立っているので、学年に関係なく読み聞かせに向いていますよ。

【グリム童話】あくまの三本の金のかみの毛/9分

勇気ある若者が知恵を使い、いじわるで欲深い王さまをやっつけ、自分の道を切り開くおはなし。

あくまをやっつけるような冒険ものではなく、あくまは、単なる情報提供者、というところもおもしろいポイント。

若者の臆しない勇気ある行動力と、一休さん並みの知恵は、昔話の王道ですよね。

ハラハラドキドキな場面もありますし、おはなしの展開も気になる構成になっているので、読み聞かせにとても向いていると思います。

まるで点描画のような細かな絵もとてもステキな絵本。おはなしだけではなく絵にも注目してほしいおすすめの昔話です。

振り返り/小学生だからこそ理解できる世界の昔話や童話を読み聞かせを通して共感しよう

まっすぐな正直ものが幸せになり、欲深くいじわるな人には天罰が下る。単純と言えば単純な昔話や童話の世界ですが、読むたびに心に響く奥深いものを感じます。

語彙力が増した小学生は、学年によって差はあるものの、読み手と聞き手の共感も生まれてくるでしょう。

幼少期とは違う、ストーリーや知恵の理解、絵をみたときの感じ方など、成長したからこそいろんな会話もできるようになりますよね。

今回ご紹介したのは6話分ですが、本当にたくさんの世界の昔話や童話がありますので、ぜひいろいろ読んでみてくださいね。