小学生中学年向きのおすすめ絵本第2弾のご紹介です。
こんにちは!次男クラスは小1の1学期から毎学期読み聞かせをやり続けている花緒です。読みたい本がたくさんありすぎて、毎回絵本選びが大変です。
今回は、読み聞かせで選ぶ絵本の組み合わせはどんな感じがいいのか?ということについて私の案をご紹介しています。
小学校の読み聞かせ担当になってしまった、絵本の組み合わせがわからない、という方の参考になればうれしいです。
第一弾はこちら。
深い話がわかってくる小学3・4年生向け読み聞かせの絵本10冊Part2
まずは、小学生中学年におすすめの絵本を10冊ご紹介します。
光の旅かげの旅|アン・ジョナス|3分
なんと、しかけ絵本です。影絵とお話しがあるのですが、絵本の最後までいくと、上下をさかさまにして、さらに読み進むというおどろきの絵本。
影絵のすばらしさと、絵本を戻ってくるのに、絵も話もつながっているという、絵本でなければできない世界観が面白いと思います。
発想が豊かな子供のうちに、こんな絵本があるよということをぜひ教えてあげたいですね。
八方にらみねこ|武田英子|6分40秒
昔話です。蚕を飼って生活をしているじいさんとばあさんに助けてもらったネコが、蚕を食い荒らすネズミを退治するために、山猫に修行を頼むというお話しです。
じいさんとばあさんに恩返しをするためだけに、1年も山猫の修行に耐え、目つき顔つきも立派になって、見事に猫をにらみで退治してしまうという感動的な最後です。
その意気込みたるや結構すごくて、ネコの健気さにやられます。
文房具のやすみじかん|土橋正|5分35秒
ある男の子の文房具たちが、男の子がいない間にトイストーリー並みに動いて喋ります。ただ、文房具が喋るだけじゃないんです。
「消す」ことがテーマになっているのですが、鉛筆はどういうしくみで書けているのか、消しゴムはどういうしくみで消しているのか、というしくみを知るための知識絵本。
完全なファンタジーチックなお話しの中に、大人でもへーって思える知識が満載で、おもしろいです。
このままじゃ学校にいけません|ベン・ブラッシェアーズ|4分40秒
主人公の女の子は学校に行きたくないのです。友達とうまくいかなくて、先生ともうまくいかなくて、気持ちがモヤモヤしているんですね。
だから、自分をいろんな動物に例えて、これじゃ学校に行けないわ、といろんな屁理屈を並べるというお話しです。
誰にだって、「あーあ、ナントカだったら、こんなことやらなくてもいいのに」みたいなこと、ありますよね。
ちょうど中学年の子供達はギャングエイジと呼ばれる世代。脳の神経は大人並みにつながっているのに、経験も身体もまだ子供。
深い話もわかるようになり、いろんな矛盾にも気づきはじめ、いろんなモヤモヤを抱え始める年頃でもあると思うのです。
そんな子供たちと同じような思いを抱えて、現実逃避しようと頑張ってはみるものの、鏡の前にいるのはやっぱりいつもの自分。
私は私でいいのか、と様々な現実逃避の末に気づいて学校に行くという、背中を押してくれそうな絵本です。
小さなサンと天の竜|チェン・ジャンホン|6分30秒
村が災害でつぶれてしまって、残った1軒の家に生まれた子供がサン。
生まれつきちょっと変わっていたサンが、親の不遇な環境を助けるために、地道に努力して努力して努力して、最後は仙人らしきおじいさんと、竜の不思議な力に助けられ願いがかなうというお話し。
中国らしい絵の雰囲気と、やっぱり竜が出てくると一気に物語っぽくなるなと思う絵本です。
どろぼうがないた|杉川としひろ|3分50秒
はじめは普通に人の家から宝物を盗むどろぼう。でもある時、アクシデントに遭って小さな鉢植え1つしか盗めなかったことから、どろぼうの人生が大きくかわります。
小さな鉢植えを育てるうちに、どろぼうは稼業をやめ、更生して、鉢植えと一緒に野菜を育てて、野菜を売って生計を立てることに。
小さな鉢植えが、そんな平和な暮らしの中で花が咲くまでになった時、戦争でどろぼうの畑も花もふみつぶされ、泣いたことがなかったどろぼうが、はじめて泣いてしまったという話。
鉢植えの花を育てている時の、うきうきした感じとそのうれしい心が、手に取るようにわかる表現になっています。それだけに、踏みつぶされた時の悲しみは痛い程わかるところが共感ポイントでしょう。
誰を責めていいのかわからない戦争だけに、怒りの矛先もなく、泣くしかないどろぼうに同情してしまうお話し。
ころべばいいのに|ヨシタケシンスケ|5分50秒
学校の下校中に女の子が、「嫌な人がいる」ということについて掘り下げて考えていくお話し。
心理学的なアプローチでポジティブシンキングに至っているのでは?と思う程、順序立てて1つずつ論理的に妄想を広げていくところがヨシタケシンスケワールドだなって思います。
そう。ヨシタケシンスケワールドはメインが妄想のお話し。話の設定はいつも短い時間の中に、頭の中で考えていることを、ロジカルに絵で表現し、お話しで表現しているところが本当に面白いです。
そして、友達とのグループとかができ始め、トラブルとかが出てくる中学年でまずは読んでおきたいかなと思います。
嫌な人なんて石につまづいてころべばいいのに、といういい面もいやな面ももっているからこその人間だなって思える絵本です。
急行「北極号」|クリス・ヴァン・オールズバーグ
クリスマスの絵本です。サンタを待つ男の子の元へ急行列車が止まり、北極を目指しついた先はサンタクロースのところ。
子供の時だけしか味わえない独特の感覚でもあるサンタクロース。信じていない友達もいる中、信じる自分の気持ちに正直なところがとてもステキです。
現実なのか幻想なのか夢なのか、その狭間の次元を描いた作品が多いオールズバーグ絵本。ちょっとミステリーな部分もありますが、この絵本は怖くないです。
「となりのトトロ」みたいに、大人になると見えなくなるもの、聞こえなくなるものがあるというラストが私の印象に強く残っている絵本です。
かみなりむすめ|斉藤隆介
かみなりの娘と地上の男の子のちょっと切ない恋のはじまりっぽいお話し。恋愛ものではないけれど、そんな雰囲気が感じられるね、程度な感じ。
ちょっとわかってくる年頃ですよね、気があるんじゃないの?とか、気になるんじゃないの?みたいな感じ。
かみなりの女の子が地上の子供たちと、一緒に「せっせっせ」をして遊びたくて地上に降りてきて「せっせっせ」をする。それだけの話なのですが、なんともいい話になっています。
子供時代にしかないコミュニケーションの取り方や、ちょっと昔話っぽい雰囲気がこの絵本の魅力的なところです。
わすれられないおくりもの|スーザン・バーレイ
読み聞かせ絵本としても、かなり有名な話ですよね。誰かが死んでしまう絵本はたくさんありますが、とても切なく感じて、感極まって涙をこらえながら読む読み手もいるくらい。
いつもそばにいたはずの人の「死」は、いつか私たちにも訪れるものだけれど、教えてくれた知恵やスキルはずっとわすれられないおくりものだね、というお話しです。
子供にも伝わる優しい絵とアナグマの語り口調がまた、切なさUPです。
【小学校の読み聞かせ】選ぶ絵本の組み合わせ案
学校などの読み聞かせで絵本を読む場合、時間によっては1冊の絵本で終わらないことがありますよね。
小学生中学年であれば、10分を超える長い話は、まだ我慢できない子もいるでしょう。
そうなると、2冊をうまく組み合わせて、読み聞かせの時間を過ごすことになりますね。ということで、読み聞かせでの絵本の組み合わせ、どんな組み合わせだとうまくいくの?というお話しをします。
これからのお話しは私の案であって、正解というわけではありませんので、ご了承くださいね。
読むスピードについてのコツはこちらで詳しく紹介しています。
読み聞かせで選ぶ絵本の組み合わせ案
- 日本の昔話+現代絵本
- 外国の昔話+現代絵本
- 科学絵本+現代絵本
- 知識絵本+現代絵本
- 現代絵本+現代絵本
※昔話には民話・童話も含みます。
ざっくり分けると5パターンくらいでしょうか。
現代絵本にも何パターンかあると思っていて、
- シュールな現代絵本
- 物語風な現代絵本
- ファンタジー・SF的な現代絵本
- 女の子にしかわからない現代絵本
- 男の子の共感を誘う現代絵本
ということは、
- 日本の昔話+シュールな現代絵本
- 日本の昔話+物語風な現代絵本
- 日本の昔話+ファンタジー・SF的な現代絵本
- 日本の昔話+女の子にしかわからない現代絵本
- 日本の昔話+男の子の共感を誘う現代絵本
×残り4パターン分ということですね。現代絵本と現代絵本の組み合わせとか考えると面倒ですが、結構なパターン数があるわけです。
要するに、子供の小学校6年間、読み聞かせ担当になったとしても、この組み合わせパターンで毎回読んでいけば、事足りるということになりますね。
違うカテゴリの絵本を選べば、絵本選びには困らずに済むわけです。
カテゴリがある程度絞られていると、絵本探しの手間がグッと省けます。
読み聞かせるにあたり、絵本選びはとても重要です。しかしそれ以上に組み合わせが大事だと思います。
同じパターンを2つも読まれたら、眠くなっちゃいますからね。ギャップのようなものや、別の展開は欲しい所です。
困ったら、昔話と組み合わせる。それでほぼ解決します。読み聞かせの時間と相談して、絵本を選んでみてくださいね!
時間調整のコツについてはこちらを参照ください。
振り返り|小学生中学年だとわからないのでは?という思いは捨てていい
確かに、言葉が難しいとか、中学年ではまだ体験しないような大人の世界がテーマの話だとわからないということは起こりますが、子供の想像力は割とスゴイと思っています。
わかんないかなー、と思って読んでみても、わからないどころか、いろんな発想が浮かんできて質問攻めに合うくらいです。
それよりも、やっぱり絵本の世界を、読み手と聴き手である子供が、「共感」という同じ空間で感じられるものを共有していくことに重点を置いた方がいいと思います。
何なら、わからなければ、それはそれで良いのです。
今はわからなくても、いずれわかる日はきます。わからない感じや言葉は、脳のどこかに記憶されていますから、「あ、これか」と思える日が来たら、読み聞かせ成功じゃないですかね。
読み聞かせって、そのくらいのモノでいいと思うんです。
お金をもらってパフォーマンスをしているわけではなく、素人がボランティアで子供達に読み聞かせているだけなんですから。
子供の反応を気にする必要はなく、自分の読みたいように絵本の世界を読みましょう。
コメント