子供の偏食は、毎日の食事を作る親にとって悩みの種ですよね。
栄養を考えメニューを試行錯誤してもなかなか食べてくれないと、子供の健康面に不安を抱いてしまい、つい怒ってしまうこともあるでしょう。
発達障害の子供の中には、感覚的な苦手さからくる偏食がみられると思っています。今回は子供の偏食と食事の考え方をお話します。
発達障害の子供の偏食には感覚的な苦手さがあると考えてみよう
せっかくごはんを作ったのに、また食べない・・・
発達障害の子供の偏食は、結構手ごわくて、食べないと決めたら本当に絶対に食べないんですよね。
そんな発達障害の子供の偏食には、さまざまな感覚過敏が関係しているかもしれません。
そう考えると、子供の偏食を違った角度から考えられるのではないでしょうか。
食感は食事の大事な要素
葉物野菜などは特に、その食感が嫌で食べられない、という子供は多いと思います。
えぐみとか、緑の葉っぱの味とか、確かに「おいしい」と食べられるものではないのかもしれません。
噛めない、飲み込めない、というのも何となくわかる気がします。
においに敏感であることを理解する
食材そのもののにおい、調理したもののにおいなど、食べ物のにおいが苦手な場合もあるでしょう。
にんじんやピーマンなどは、においが苦手なのかもしれないですね。
新鮮な野菜ほどにおいは強いですし、魚や肉のにおいも独特ですので、いやな子はいるかもしれません。
知らない味などの感覚に恐怖を感じていると考えてみる
大人にとっては、いろいろな食材を長年食べてきていますし、栄養素だと思って食べている人もいることでしょうが、初めて食べる子供にしてみたらそもそも食べれるのかも理解できないでしょう。
一説によると、何でもかんでも食べてしまうと、命の危険があった時代の本能的なものが残っているのかもしれない、とも言われています。
私もトライポフォビア(ブツブツしている連続模様)があり、ハチの巣とかカエルの卵とかをみると一瞬で「ギャー!!」となるので、本能的に危険なことを察知する能力が残っているというのは信じています。
もし、偏食もこの類のものならば、理屈でどうにかなるものではない、と私は考えています。脳が自然に危険物と判断しているということですから、食べられないのはある意味、仕方がないですね。
【偏食の子供向け】ご飯メニューの考え方
あれはダメ、これもイヤ、という場合、じゃあご飯のメニューはどうすればいいの?となってしまいますよね。
そんなときは、一度、一般常識を忘れてみましょう。
無理に食べさせようとしなくても大丈夫
苦手な食材や料理を無理に食べさせる必要はないと思います。
必要な栄養素をなんとか食事でとらせないと、と必死になってしまう気持ちもわかりますが、相手はまだ子供です。
本当にひどい偏食の子供の場合、本当にこんなに食べなくても大丈夫なのだろうか?と思ってしまうこともあるでしょう。とても心配になりますよね。
どんなに調理法を工夫しても、食べれないものはたぶん食べれないのでしょう。今は、食べれなくても、成長とともに食べれるようになることもあります。
食べないなら食べなくてもよいのです。
毎回、食事にも出しますし、食べられますよ、と教え続けることは親にできることだと思いますが、怒ってまで無理に食べさせる必要はないのではないでしょうか。
あまりに偏食がひどすぎる場合は、無理にごはんから食べさせようとせず、一旦、小児科で相談してください。
ご飯は怒られて食べるものではないですからね。
無理においしいフリをしなくても大丈夫
大人はしっかりと自分たちのご飯を食べましょう。子供を意識することなく、自分のためのご飯を作り、自分が生きるために食べます。
ご飯を食べない子供のことは放っておいて、自分のご飯を済ませてください。
無理においしそうに食べなくてもいいですし、イチイチ食べる?などと子供に聞く必要もありません。
食事は生きるために食べるものです。それを実践すればよいだけです。
食事を楽しもうと頑張らなくても大丈夫
育児書などでは、「食事を楽しんで」などと書かれていますが、正直、偏食だらけの子供との食事は、まったく楽しくありません。
どちらかというと、若干、腹が立ちますよね。もう、なんなの?って思います。
それなのに、とりつくろったように食事を楽しむなんて無理。それならそれでいいと思うのです。
食事を楽しむというのは、料理を味わっておいしくいただき、会話をしながら食事の時間を楽しむということであり、強制で楽しまなくてはいけないわけではありません。
要するに偏食の子供に、なんとか食事を食べさせようと、親が顔色を伺う必要はない、ということです。
偏食の子供を育てる方へ|参考になるおすすめのレシピ本
あれこれなんでもバランス良く食べたほうがいい、というのは大人の理屈です。
偏食というのは、ある意味、本当の味をわかっているのかもしれませんので、玄米採食や糖質オフメニューなど、あまり添加物や加工品のないものがいいのかもしれません。
偏食の子供のメニューに参考になる本を紹介しておきます。
子ども元気レシピ―じょうぶな子どもをつくる基本食|幕内 秀夫
ごはんとみそ汁となにか1つ食べておけば大丈夫、という偏食の子供向けに作られたのでは?と思う本です。
長男の偏食が激しかったころ、この本に出会い救われました。だよね、って思いました。
長男の感覚は間違っていないので、本物志向の舌が狂わないような食生活に気を付けた結果、食事がつらくなくなりました。
食事でよくなる! 子供の発達障害|ともだ かずこ
現代の食事は糖質過多で鉄分とタンパク質が足りていないという本です。発達障害の子供が実際に落ち着いた、という例も載っています。
発達障害は治らない、という考え方を食事を変えることで落ち着かせているという、結構衝撃的な本でした。
発達障害のことは置いておいたとしても、タンパク質と鉄分不足は、確かに現代の食生活に不足している、と感じました。
糖質制限で子どもが変わる!三島塾レシピ|三島 学
私が糖質制限を始めたころ、たまたま目にした本なのですが、食事によって子供の成績に変化がでるという興味深い話でした。
糖質過多の理屈がわかれば、確かに取りすぎになっていること、取りすぎることの影響なども理解できます。
親の食生活は、子供の成長や発達にも大きな影響が出てしまうのだと痛感しました。
成功する子は食べ物が9割 最強レシピ|細川 モモ
こちらの本でもやはり鉄不足が指摘されています。どれだけ鉄分不足なのでしょうね。今の世の中の食事は。時代の流れとともに本当に動かない生活が増えていますので、食事のとり方も見直さなければと思いました。
振り返り|偏食でも死なずに生きられれば良いくらい大雑把に考えてみよう
子供の偏食にはとても悩まれますが、考え方ひとつでそこまで悩まなくても大丈夫そうだな、と思っていただけたらうれしいです。
子供のことですから、親がどうこうしようと思ってできることと、できないことがあるのです。
偏食に関しては不可抗力の部類に入ると私は思っています。
成長するまではかかりつけ医と相談しながら、鉄シロップやサプリメント系のものをうまく使い、成長したら子供と話し合いながら食事をとっていけばいいでしょう。
何よりも親が子供の偏食に悩み、食べない子供を怒るというのは本末転倒。
子供が食べない理由をわかってあげて、ある程度諦めることも必要だと思いますよ。