【経験談】通級に行く意味がない!発達障害の長男が通級をやめた理由

発達障害

発達障害の長男は、小1から通級に通っていましたが、中1の2月にやめました。

過去にも何度か通級をやめることを考えてきましたが、中1で、しかも年度の途中で決断。そしてやめました。

今回は、通級をやめる決断をした理由と、過去にやめなかった理由をお話します。

通級をやめたいと思っているけど、本当にやめてもいいの?と迷っている方の参考になればうれしいです。

通級をやめる決断をした3つの理由

まずはやめた理由からお話しします。

本人が通級に通う意味がないと感じたため

一番の理由は、長男本人が通級に通う意味を見出せなくなったためです。

長男が通級に通っていた目的

小1から毎年、「次年度も通級を続けるかどうか」の判断は、長男本人の意思を優先して決めてきました。

長男が通級に通っていた目的は主に以下の3つです。

  1. 在籍級で過ごすことがきつくなった時の逃げ場確保のため(息抜き)
  2. 運動面(鉛筆での書字を含め)の補佐
  3. 学習障害の補佐

コミュニケーション的なことも通級に行く理由にはなっていましたが、長男と私の間では、この3つの補佐のために、通級に通う選択をしていました。

中学になっても、基本的な目的は同じ。主に学習障害の個別補佐と在籍級が辛くなった場合の出席日数確保の場として利用しようと考えていました。

個別授業では学習障害の個別補佐をやってもらえなかった・・・

在籍校の中に通級がないため、別の学校にバスで通うことになった中学の通級。

小学校の時からずっと、個別の授業では主に読み書きに力を入れて補佐をしてもらったこともあり、中学でも英語や国語の読み書きを主流で進めてもらうよう希望を出していました。

長男もそのつもりで通級に通っていたのですが、実際の個別授業でやったことは、ほぼ切り絵や制作だったそうです。

手先のトレーニングには悪くはないと思います。集中して制作することはメンタルにもいい影響がありますしね。

でも、長男はダイレクトに中学での勉強につなげたかった。なのにいつまでたっても勉強らしきことはやらず、制作ばかり。

長男も通級の担任に希望を出したり、私からも話をしてみたのですが、その後も変わらなかったことで長男は「通級には行く意味なし」と思ったわけです。

1番メインで取り組みたかったことに取り組めなかったわけですから、当然の結末とも言えるでしょう。

通級の担任と相性が悪かったため

長男が通級に行きたくなくなった理由の2つ目は、通級の担任の先生と話がかみ合わないことでした。

それは私も感じていました。春・夏・冬と通級の担任と面談しましたが、こちらが何か通級に要望を出すと、「それでは在籍の担任の先生とお母さんで話し合ってみてください」と言われるのです。

  • 英単語が全く覚えられないから、個別の時間に補佐をお願いしたい
  • 在籍の担任が、長男にも「みんなと同じ」ように反応することを求めてくるので、通級から話してほしい
  • テスト勉強のやり方や予定の立て方、進学するということについてよくわかっていないので、通級でもフォローしてほしい

こういった感じの内容です。

私が家で長男と向き合ってもうまくいかないから、専門のスキルを持っている通級の知恵を貸してほしい、通級の時間を使ってフォローしてほしいとお願いしたことに対し、私と在籍の先生で直接話をするなら通級はいらないんですよね。

あ、今年の通級の担任は話が通じないんだな、と感じ、私も通級を利用する意味を感じなくなりました。

(結局、在籍の担任と直接話をして、2人で協力するようになったので、本当に通級は必要なくなってしまったわけです。)

通級の担任が変わる度に質の違いを感じるのに疲れたため

年度が替わると、先生の配属などの関係で通級の担任も変わります。これは仕方のないことですね。

でも、担任が変わるごとに、先生の質が違い過ぎる。

と言ったら大変失礼なお話なのですが、せめて発達障害の知識やノウハウ的なものを勉強するなりナンナリで、こちらの相談に対応できる状態であってほしいのです。

が、、現実はそんなに理想通りにはいかないものなのです。

ムラがありすぎる過去の通級担任の話

小2の時は、発達障害の知識すらない担任にあたり、逆に対応を教えてほしいと言われ、ブチ切れたことがあります。

教育委員会に連絡して、いったいどういうことなんだ、と文句を言ったこともありました。

だからと言って、どうこうなるわけでもなく、結局、在籍の担任の先生になだめられながら1年を過ごした過去があります。

小6の時は、在籍級からきた先生でした。

療育的な観点での通級指導ではなく、あくまでも6年生として、中学に進級するにあたって必要なことを集中的に学習する時間になり、長男にとって気が抜けない時間になってしまいました。

何度か当時の通級の担任にも希望を出してみたのですが、ガンと変わらず。

中学でも通級を希望していた長男は、1年だし、となんとか乗り切った感じです。

通級だけは専門知識を持って子供と接することができる担任にしてほしい

  • 椅子に座りたくないなら、座らなくてもいいのではないか。
  • 書けないなら書かなくてもいいのではないか。
  • できないならやらなくてもいいのではないか。

小2の時の通級の担任に言われたことです。そんな風に勘違いして、好き勝手を許す通級の担任もいます。

「おいっ!!!」って突っ込みをいれたくなるのですが、現実です。

もちろん、療育方面を目指し勉強されている先生方もいます。要すただ、るに、通級の担任だからと言って、専門知識や経験があるわけではない、ということです。

ただ、療育の専門の先生は、やっぱり全然対応が違うんですよ。理解も違う。親への話し方も違う。

通級に通う子供が増えるにつれ、専門的な先生が足りなくなっている背景もあるのでしょうが、親側の質問や希望に寄り添って一緒に歩んでもらいたいのです。

私の希望ですけどね。結局、やめちゃいましたが。

過去に通級をやめなかった3つの理由

先ほどの話とかぶる部分もありますので、簡単にお話していきます。

在籍の担任に引き留められたから

小2の時、先ほども少し触れましたが、私が教育委員会に文句を言ったところで何も変わらない通級制度に嫌気が差し(変わるわけもないのですが)、在籍の担任に「通級をやめたい」と申し出ましたが引き留められました。

在籍担任が引き留めた理由は「1度通うと決めたことを、年度の途中で投げ出すものではない」から。

この時ばかりは、長男が通級をやめたいと言ったわけではなく、私がやめさせたかったのです。

しかし、在籍の担任に引き留められたとき、ハッと我に返りました。確かに、やると決めたことを本人の意思ではないところでやめさせるのはおかしいですよね。

通級のグループ授業や個別授業が長男の学校生活のプラスになっていたから

小3からは小学校内に通級ができ、必要な授業だけ抜けて通級に参加するというしくみに変わりました。

幸い、SST(ソーシャルスキルトレーニング)クラスの担任の先生の授業が、長男の学校生活に良い意味でプラスになりました。

個別の担任と長男との相性も良く、それまで漢字が書けず、教科書が読めなかった理由が学習障害と判明した長男に、しっかりと向き合って対応してもらったおかげで、問題文を理解できるようになりました。

在籍の担任・通級の担任の連携も良く、私を含めた3者で長男をフォローしていくという理想の形が取れるようになったので、小5までは通級をやめるという選択肢はありませんでした。

中学でも通級を続けたいと思っていたから(6年生だったから)

先ほども触れましたが、小6の通級の担任は、在籍から来た先生でした。

先生としてのキャリアもあり、発達障害の専門知識はなくても、キャリアでカバーできてしまう感じでした。

息抜き目的の通級が息抜きではなくなった小6通級

4歳から療育生活をしている長男は、活動が終わったら「お楽しみ」と呼ばれるリラックスタイム、つまりちょっとした遊び時間を過ごすことが当たり前でした。

小5までも、課題をやる前に、終わったらこんな遊びをしようと決め、課題に取り組み、知育ゲームやカードゲーム、教室の机を使ったプチ卓球などで在籍の息抜きをしていたのです。

しかし、小6の時の通級担任は違いました。

アルファベットを全く覚えられなかった長男が、中学で英語につまづかないように、一生懸命ローマ字を教え、キーボードでのタイピングを教えました。

在籍の息抜きのつもりで通っていた通級なのに、息抜きができず、長男もはじめは戸惑っていましたが、1年の我慢と覚悟を決めたらしく頑張っていました。

子供のためにはなっているけど・・・疑問が残る先生の指導

確かに、アルファベットを覚えることも、ローマ字を練習することも大切なことですし、必要なことなんですけどね。

先生が必要だと思ったことを本人の納得なしに進める、というスタイルに私が疑問を感じていたということです。

通級をやめた方法【やることは3つ】

通級の場合、「やめます」「OK」とはなりません。管轄の市区町村によって違いはあると思いますが、大方同じで、それなりの手続きがあるのではないかと思います。

  1. 在籍学校に申し出る
  2. 必要な面談をすべてこなす
  3. 書類を書いて提出&受理されると市区町村から通知がきて無事退級

在籍の担任に、通級をやめたい旨を伝えると、学校側で必要な対応を教えてくれます。

おそらく、2の必要な面談が、各学校によって違うのではないかと思います。

長男の場合、長男と私(親)が在籍の校長と1対1(校長先生と長男)、1対2(校長先生と担任と親)で納得がいくまで面談で話し合いました。

  • 通級に通う意味を見出せない
  • 在籍に通いたい
  • 1日抜けて(通いなので)授業が遅れるのは思っていた以上に大変だった

という長男の考え。

  • 通級担任と長男・私(親)との相性が合わない
  • 学校の人員配置で通級の授業に影響がでるのは面倒(もう嫌)
  • いずれ通級がなくても日々の困りごとを乗り越えていかなくてはいけない日がくる
  • 結局は家庭でも個別やSSTをやっている(通級とは関係なく)

そう主張する私の考えをくみ取っていただき、年度半ばでの退級を了承してもらいました。

あとは書類を書いて在籍校へ提出。その後の対応は学校側で行ってくれました。

その後、市区町村(うちは市)から正式な退級通知がきたので、無事、通級をやめることができました。

振り返り:通級をやめた1番の理由→本人が通う意味を見出せなくなったから

通級をやめてよかったと思っています。

長男も私も、納得してやめました。

それもこれも、長男がいつも、ちゃんと私と話をしてくれるからであり、長男自信が在籍の担任や校長先生に自分の正直な意思を伝えたから、納得のいく退級ができたと言えるでしょう。

在籍の担任には、通級の退級を引き留められましたが、私と長男の意思は固かった。さらに、通級に行ってなくても、結局家で似たようなことをやっている、というのも大きいですね。

校長先生にも話しましたが、通級に通っているから安心、ではなく、いずれ通級を退級し、自分で社会を生き抜いていかないといけないわけです。

たまたま、長男にとっての退級のタイミングが、中1の2月だった、ということなのでしょう。

通級をやめたからと言って、これからの生活が大きく変わるわけではありません。どちらかと言えば、これから何を選択し、どう過ごしていくか、ということの方が重要なのでしょうね。