運動会が苦手な発達障害の子供向け!走ることが苦手な理由と 走りやすいおすすめの靴

発達障害

発達障害の子供の中には、極端に運動が苦手な子がいます。発達障害の長男も運動全般がとにかく苦手で、特に走るの遅かったのです。

自分が思っている通りに体を動かすことに苦手さがある発達障害の子供であっても、1つ1つの動きを体に覚えさせることで改善されることがあります。

要するに、体が動きを知るきっかけを作るということです。長男の走る動きを分析して動きを修正しただけで、走りがだいぶ改善されました。

今回は長男の動きを参考に、発達障害の子供の走る動きで考えられる理由をまとめてみました。

毎年の運動会のかけっこでうまく走れなくて困っている子供と親御さんの参考になればうれしいです。

発達障害の子供が走ることが苦手だと思う理由

橋の上を走る子供

「走る」ということは考えなくてもできそうですが、「速く走る」となると少し違ってきます。

例えば速く走るにはこうすればいいんだ!と言われたとしても、言われたことを思った通りに体に指示を出すことが難しいのかな、と思います。

発達障害だから走ることが苦手、ということではありませんよ。走ることが苦手な子供の場合と考えてくださいね。

体幹が弱いので重心をうまく移動できないのではないか

走るということは、走るために使う筋肉の問題の前に、体重移動に体がついていけないのではないかと思っています。

というのも、傾く体に合わせて足でうまく調整できない場合があるからです。これは体幹が弱いと体のバランスがうまく取れずにおきること。

例えば手のひらに傘を立ててバランスを取ろうとした場合、傘の重心に合わせて手を動かして、傘が倒れないようにバランスを取りますよね。

手のひらを腰と見立てた時、体のバランスに合わせてうまく腰から上、または腰から下を調整できないのが体幹が弱いということなのかな、と私は考えています。

走るスピードに体がついてこれるかどうか

走るという下半身が出すスピードに合わせて上半身がついてこれなければ、走りは遅くなってしまいます。

そして、発達障害の子供には体感が弱い子が多いと通級の先生に聞いたことがあるので、体幹が弱いと走りに体を合せられない可能性があるなと考えました。

学校で授業を受けている時に、疲れてくると(授業の後半や3時間目以降)机に伏せた状態になっている子供は体幹が弱い可能性があります。

体幹を鍛えるバランスボール

バランスボールに座るだけで骨盤を動かすので(長男もですが骨盤が全く動かない子もいるらしい)一番いい体幹トレーニングです。骨盤が動くようになるだけで、自転車や鉄棒などもできるようになっていきます。

鍛えるつもりはなくても鍛えられるトランポリン

体幹が悪いと上手くトランポリンが飛べないのです。さらに足首を柔軟に使って飛べていないとトランポリンは飛べない。いろんな意味でトランポリンを飛んでみると運動機能がうまくつながっているか否かがわかります。

始めはうまくいかなくても、飛んでいるうちに楽しくなってくると思いますし、雨の日とかのストレス発散にもちょうどいい。

大人もダイエット代わりに飛べるし、1台あっても損はないです。このくらいの小さいサイズがおすすめ。大きいものを買うと置き場に困ります。

運動神経のつながりが弱いので連携が取れていないのではないか

脳神経のつながりについて、専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、神経のリンクがうまくいかないのは発達障害あるあるです。

運動神経においてもリンクがうまくいっていないがために、速く走るという神経がうまくつながっていないという可能性は考えられますね。

これは、見た物を真似する力、ミラーニューロンにも関係しているのではないかと私は考えていて、速く走るにはこうすればいい、というアドバイスを目で見たとしても、うまく体を動かす神経に伝えることができずにいるのではないかと考えています。

普段から走っていなければ神経も筋肉も準備できていない

これはピアノのレッスンでもよく話していたことですが、普段から使っていない神経はどんどん使えなくなっていくものです。

普段の遊びから走っている子供は、走るということが日常なので走る筋肉や神経が常につながっている状態。普段からあまり走らない子供は、そもそも論で運動神経も筋肉も準備できていない状態という可能性はあります。

参考:運動神経は”才能”ではない!? スポーツ上達の秘訣は「脳」にあり

ただ、ADHDの子供のように、衝動的にバーッと走り回っているから神経がつながっているのか、というとそれは違うようです。

要は走ろうと思って走っている、というと表現が変ですが、衝動的ではなく、意識的に走っているかがポイントになります。

走らなくても死なない環境であれば、神経がつながらなくても筋肉が鍛えられていなくても、速く走れないことに不思議はないのです。

【体験談】ADHDの長男が速く走れたのは年中まで

ADHDの特性を持つ長男は、4歳くらいまでとにかく動き回っていました。外に出た瞬間からダッシュで走り、1キロ近く連続で走られると親もついていけない程、体力もあり速かったのです。

でも成長するにつれ、長男の足は遅くなっていき、幼稚園に入った頃には体重の重さも関係していたのか、足は遅い方になっていました。

医師の話では、走るのが速いのは衝動に突き動かされていたからであり、速く走れることとはまた別の話だと言っていました。

成長とともに衝動性が落ち着いてくると、むしろ体の動きが鈍くなってしまう発達障害の子供は多いそうです。だから療育で一生懸命体の神経をつなげる訓練が必要になると言われていました。

走れないと思っている勘違い

広場を走る3人の男の子

僕は、私は、足が遅い、速く走れないと思い込んでいる子供は結構多いと思います。

そもそも走り方なんて教わっていない

そもそも、「走る」時の走り方って、親からも学校でも習わないと思うのです。

ある時から毎年、運動会なるものに参加させられ、「ヨーイ、ドン」と言われたらまっすぐ走れ!と言われて走ってはみたが・・・。

という感じなのではないでしょうか?

その姿を見て親がビデオを構え、キャーキャー言っているわけです。

運動会前に、1人1人に合わせた走るための個別指導なんて、誰も受けていませんよね。もちろん、教えなくても速く走れる子もいますが、教えられてもいないことで、ビリですと言われても何のことかはわからないのが子供でしょう。

教わってもいないことを劣等感に感じている親子の勘違い

たまたま、速く走る子供がいて、よくわからないけど速く走れない子供がいる。それだけのことなのですが、速く走れない子供はよくわからないまま劣等感を感じてしまいますね。

親も「うちの子は足が遅くて・・・」と思ってしまうし、言ってしまいますよね。

言葉とか数とかはちゃんと教えるのに、走り方は教えない。そもそも親も速く走れるのかって話しもありますし、教えてもいないのにできないって勘違いしているんですよね。

これは結構気づいていない方が多いと思います。

発達障害だから走れないと思っている

幼稚園や学校の体育の授業を見ていても、運動が苦手な子供は発達障害の子供が多いと客観的に見ても思います。

通級に通っている子供の半分近くは、運動が苦手だと言っても過言ではないと思います。通級の運動の授業でも、主に神経をつなげる運動(体幹運動のこと)をやりますから、やはり体幹からさかのぼって1つずつ体に動きを教えていく必要があることは確かです。

でも発達障害だから走れないわけではありません。でも、発達障害だから神経のつながりや連携がうまくいかなくて走れないこともあると思います。

本当はどちらかわからない。子供の様子を思い込みではなくきちんと確認した方がいいと思うのです。

運動が苦手だから走れないと思っている

思い込みシリーズなのですが、自分は運動が苦手だと思い込んでいる子供がいます。親が思い込んでいる場合は子供も同じように思い込んでいます

家で「あなたは運動が苦手なんだから」「速く走れないんだから」とう類のことを言われていれば、本当に運動が苦手だと思ってしまうでしょう。

これは元を正せばただの思い込み。本当のことではありません。

現状をしっかり確認してみれば、苦手かどうかという思い込みに左右されるよりも、神経がうまくつながっていないのかも、リンクされていないのかも、とより現実的な方向へ考えられるようになると思います。

さらに言えば、先にお話ししたように、毎日使わない神経はつながりが悪くなっていきますので、運動は苦手なのではなく、毎日使っていない神経だ、と言い換えることができますね。

気持ちで走れないと思っている可能性もある

思い込みシリーズですが、ネガティブ思考の子供の場合、走れないと思い込むことで、実際に運動会の徒競走で1位になれない自分を守ることができます。

HSCのように常に先のことを予測し、できない方面に考えて、失敗しても大丈夫だと安心したいがために始めからできないモードに設定することがあります。

これも単なる思い込みであって現実ではない妄想ですよね。

なので、走れないと思い込むことで、現実の自分を守りたいんだな、と読み替えてあげましょう。

やり方がわかれば1位も夢ではない

発達障害であろうと、運動神経がうまくつながっていなかろうと、その子供の神経のつなげ方、つまり個人に合わせた走り方の方法さえわかれば、1位になることも夢ではありません。

そうなるには、大変な練習をする必要があるかもしれませんが、その練習を超えさえすれば1位にもなれる可能性はある。可能性ですので断言してもいいと思います。

体験と経験を積み重ね「できる」につなげていくことの大切さ

大切なのは、1位を取ることよりも、自分の現状を把握し、目標や目的に向かって何をやったのか、その差を埋めるためにどんな方法で努力し、結果どうなったのか、という体験。

そして、体験のフィードバックから改善するために何を考え、どう行動したのかという経験。

この2つを親や先生と一緒にやれる機会を持てるかに限るでしょう。自分を信じ、親や先生を信じて練習する日々、そして本番で練習の成果を出しきれるために大人にできることはたくさんあります。

子供にとってもこれ以上ないくらい、自己肯定感を上げるきっかけになります。うまくいかなくても、努力した練習の日々に嘘はありませんからね。

大人の役割は、そのやり方を見つけてあげること。そして練習の環境を整え見守ることでしょう。

運動が苦手な子供が少しでも速く走れる靴の見分け方

黒の運動靴

大人にできる環境の用意の1つ。走れる靴を見分け、買ってあげることです。

ある程度走れる子供であれば、どんな靴を履いても速く走りますが、走ることに苦手さを感じているのであれば、少しでも走りを後押ししてくれる靴を選んであげましょう。

短距離走であれば、できるだけ土踏まずよりも前のつま先側にスパイクの代わりになる凸凹があるものを選ぶこと、靴の特性を借りて少しでも速く走ってほしいですね。

靴を半分にまげて柔らかく曲がるものを選ぶ

後ろ足で地面を蹴る時、足はかなり曲がっています。買ったばかりの靴じゃない限り、靴はやわらかくなっているので柔軟に足の形についてくるとは思いますが、中にはとても固い靴もあります。

一応、半分に折り曲げてみて固すぎないものを選びましょう。運動会まで日があるようであれば、履いているうちにやわらかくなりますが、その分、靴底の凸凹もすり減ってしまうので、靴は固すぎないものを選んだ方がいいと思います。

靴底の凸凹の差が大きいものを選ぶ

私が子供の靴を買う時に、特に運動会用に靴を選ぶ時に一番重要視しているのが、靴底の凸凹です。

陸上の大会ではないので(私は陸上部でした)スパイクを履くわけではないですし、何もそこまでしなくてもいいのでは?と思うかもしれませんが、学校のグラウンドは走る専用のグラウンドではありません。

グラウンドが土や砂の場合、徒競走で滑ってしまうリスクを少しでも避けたい

土だったり砂だったり芝生だったりタータンだったり、いろんなタイプがありますよね。

特に土と砂は、徒競走のスタートで滑るのです。またはカーブで滑るのです。これは子供達の走りを妨げる要素になりますよね。

だからこそ、靴底の凸凹で滑りを少しでも防ぎたいのです。

ただでさえ「できない」と感じることが多い発達障害の学校行事。

子供が納得できない理不尽な要素を1つでもカバーできるのが靴底の凸凹だとしたら、親にできることは条件のいい靴を買うことかなと思っています。

運動会の3か月前くらいに靴を購入して履きならす

うちの子供達はだいたい2月くらいになると、次の運動会で履く靴の底を見て、あまりにもすり減っていれば新しい靴と取り替えています。

3か月くらい履けば、慣れてきますのでちょうどいいかと思いますが、日常で履き過ぎるとせっかくの凸凹がコンクリートですり減りますので、通学用とは分けて履き分けた方がいいかなと思います。

直線を走るなら瞬足である必要はない

徒競走は、真っ直ぐな直線を走るだけなら瞬足で走る必要はありません。瞬足はカーブでも力を出せるような靴底になっているので、カーブがある高学年などにはいいかもしれませんが、瞬足にこだわる必要はないと思います。

紐を結べないならゴム紐に替える

運動会だからと言って、無理に紐靴に変える必要はありません。紐靴のメリットは、足首周りをしっかりと締められるという点。

より靴がフィットするので思い切り走れるわけですね。

でも手先が不器用で紐を結べないなら、紐靴にこだわらずベルトタイプが紐をゴムに変えましょう

結ばない靴ひも1|クールノット

長男は足が大きく、ベルト式のスニーカーがありません。でも紐も結べないのでゴムタイプの靴ひもを使っています。引っ張るだけなので手先が不器用な長男でも使えています。

結ばない靴ひも2|The Friendly Swede

次はこのタイプを使ってみようと狙っている結ばない靴ひも。紐先の処理がまとまっていて便利かなと思っています。

紐が結べないなら出場前に親が締めに行くという方法もある

長男は、紐を結べないのに紐靴を運動会用の靴にしているので、出場前に親が靴を取り替えに行き、さらに絶対に取れないようにしっかりと紐を結んであげています。

長男は、親が靴ひもを締めにいくことを嫌がらないので今までやってこれましたが、嫌がるようでしたら1人でできる靴を選んであげてください。

足首が固定されている靴の方が走りやすい

速く走れる靴は、できるだけ足とフィットしていること。

足と一体化されていればいるほど、走りやすいです。

とは言え子供なので、そこまで気にする必要はないと思いますが、足首のあたりがガボガボだと足の動きより靴が脱げない方に気が入ってしまうので、ベルトタイプならマジックテープがしっかり留まることを確認し、紐タイプなら走る前に足首辺りを締められるといいと思います。

短距離を速く走れるおすすめの靴5選

短距離走スタート場面

一応6年間陸上部にいた私が、自分の子供用に選んでいる運動会用のおすすめの靴を紹介します。

陸上部出身なので、短距離を走るならアシックスかミズノ派なのですが、もちろん他のメーカーでもいいと思います。

走るのが苦手な子供はアシックスのレーザービームがおすすめ

アシックス 運動靴 LAZERBEAM RD キッズ|紐タイプ

靴底の凸凹が、短距離走のスパイクのようになっているところが気に入っています。運動会で走るように作られているので、まさにピッタリだと思っています。

アシックス 運動靴 LAZERBEAM RD-MG|ベルトタイプ

先程の靴のベルトタイプです。走るのがとても速い次男もこの靴を履いて走っていますが、2位に大差をつけて毎年ぶっちぎりの1位です。

アシックス 運動靴 LAZERBEAM FD-MG キッズ|ベルトタイプ|サッカーモデル

グラウンドがタータンであれば、サッカーモデルもおすすめです。強力なスタートダッシュを決め、力強い加速が期待できると思います。

次男もこの靴をもっているのですが、日常ではちょっと履きにくいのですよね。サッカー用のスパイクみたいになっているので、コンクリートは過ごしにくいかも。

でも好きな子はずっとこの靴を履き続けていますので、好みの問題なのかもしれません。

少し走れるならミズノも走りやすい

ミズノ スピードスタッズ キッズ

こちらの靴も土踏まずよりも前のつま先側が、スパイクのように凸凹しています。

レーザービームの方が凸凹が大きいので、走りが苦手な子はレーザービームをおすすめしていますが、苦手じゃないならミズノも走りやすく設計されているのでおすすめです。

次男もこの靴を持っていますが、本人も気に入って履いています。わざわざ紐靴タイプを買った程、走りやすいみたいです。

ミズノ スピードガイド ジュニア キッズ

こちらも一番で走れるように設計されている靴です。今までとは靴底が違うのですが、つま先部分のグリップが違うようです。

気になるけどいつもアシックスのレザービームかミズノのスピードスタッズを買ってしまうので、また子供に履かせたことはないのです。

でも毎回、結構気になってはいます。

振り返り|走れない理由を知り走れる靴を買うことから始める

芝生で競争する子供

子供によって速く走れない理由はいろいろあると思いますが、まずはその理由を考えてみることが大事なんじゃないかと思います。

そうやって、自分の子供の仮説を立て、実際に行動し、検証して改善のために次につなげていくことの繰り返しで、できなかったことはできるようになっていく。

その法則は変わらないと思います。

走れる靴はあくまでもサポートですが、やっぱり履く靴の影響は少なからずあると思います。

少しでも条件のいい靴を履き、その靴を履いたから、練習して速く走ってみたいという目標を持つきっかけにもなると思います。

まずは子供の様子を確認しましょう。そして、走りやすい靴、できるだけ靴底が凸凹している靴を選びましょう。

ただしサッカータイプは慣れないと走りにくいのと、日常のコンクリート上で履くには履きにくい可能性があることを忘れずに。

タータングラウンドならサッカータイプはいい感じで走れる靴だと思いますよ。

お子さんと一緒に、靴を買いに行き、次の運動会に備えてみてはいかがですか?

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