HSCの低い自己肯定感をなんとかしたい!という場合におすすめの大人の接し方

HSC

HSCの次男は一時期、自己肯定感がとても低い時期がありました。やる前から「できないかもしれない」不安にかられ、行動に起こせないことも多々ありました。

発達障害の長男がいるので、私の対応は基本的に個性・特性を認めることから始まります。家の中で療育的な対応をしているのに、なぜこんなに自己肯定感が低いのか。私はかなり悩みました。

発達障害とも違う次男の育てにくさからHSCを知り、気質的に自己肯定感が低くなりやすいことも理解した上で、それでも親として何かやろう!と実践した方法。

それが、子供の話をひたすら聞き、いい所もも困りごともすべて肯定し、私自信が自己肯定感高く生きていくことだと気づき、試行錯誤しながら実践。

丸2年以上たった今、次男の自己肯定感は確実に上に向いています。

今回は、自己肯定感の低いHSCの子供と、そのように接していったのか。一例として私が実践した方法をご紹介いたします。

HSCで自己肯定感が低いお子さんが心配な方の参考になればうれしいです。

【脱!低い自己肯定感】HSCの子供に自己認識をさせるための3つの接し方→大人にとっての修行です

HSCの子供の自己肯定感が低くなりやすいのは、情報が入りすぎたり、考え過ぎて妄想が行き過ぎて行動できなくなったりなど、自己認識があいまいなのではないか?と考えました。

子供なので当然と言えば当然なのですが、子供の頭の中だけでグルグルと思いや妄想がめぐってしまうと、情報が多いだけにネガティブになってしまうのはわかる気がします。

そこでまずは、HSCの子供が自己表現をしてきたときに、

  • 感情を出し切る
  • 感情を出し切っても大丈夫だと知る

この2点を確保しようと考えました。

さらに、身近な大人が自己肯定感高く生きる姿を目にすることで、こうやって生きる道もあるのか、という見本になればいいと思いました。

1つずつ説明していきます。

子供の話をひたすら聞く方法

まずは子供が話しかけてきたら、基本は自分の作業の手を止めてひたすら聞きます。目的は、自分の思いや感情を出し切ること。

頭の中で、いろんな妄想を抱いては、ネガティブな方向に解釈していきやすいHSCの気質。メリットもたくさんありますが、自己肯定感が下がってしまうのは困りものです。

ポイントは、

  • 体も顔も正面から向き合うこと。
  • たまに話のポイントを要約すること。

人に話すと自分の考えが整理されたり、自分の言っていることを客観的に再認識したりできるので、本人の悩みや困りごとをただ聞いているだけでも、一人で解決してしまうこともあります。

話を聞くときに使う言葉

  • うん、うん。
  • ふーん、そうなんだ。
  • なるほどねー。
  • 確かに。

100%で聞き続けると大人側も疲れてしまいますので、8割くらいで聞いていました。「聞いてる?」と言われることもありますが、意外とちゃんと聞いているし、話も理解できているものです。

たまに話しのポイントを要約するときに使う言葉

  • つまりそれって~ことだね。
  • それって~ことで合ってる?
  • ~っていう考え方もあるんだねー。

お互いに話がズレていないかを確認する目的もありますが、話をちゃんと聞いていますよというアピールでもありますし、子供自身に自分の話している内容を再認識するためでもあります。

わかってもらってるな、という信頼感や安心感を持たせるために、割と意図的に使っています。

子供のいい所も困りごともすべて肯定する方法

自己肯定感は、その後生きていくためのベースとなるもの。

自分は自分。人は人。泣いても笑っても、怒ってもさみしくても、困ってもうかれていても、私は私。僕は僕。

そう思ってもらうことで低い自己肯定感を脱出してもらいたいですよね。

大人が動じないメンタルを持つ

そのためには、子供が何をしようが、ドーンと構え揺るがない「大人の」メンタルが必要です。

  • 子供が泣いた→大人がイラつく
  • 子供が怒った→大人も怒る
  • 子供が落ち込んだ→大人が心配しすぎる

要するにイチイチ子供に振り回されない、ということ。これ、かなり難しいです。はっきりいって、修行だと思います。

感情の言葉を呪文のように唱え寄り添う

子を育てる大人として、泣いていても笑っていても怒っていても抱きしめる。そうかそうかと抱きしめる。

うれしかったね、おもしろかったね、辛かったね、痛かったね、と感情の言葉を教えるかのうように寄り添う。

何かあったときに、それでも自分が大丈夫だった、と感じられる経験を多くする、と考えてみるとわかりやすいかもしれませんね。

大人が自己肯定感高く生きるお手本を見せるという心構え

私個人の見解で恐縮ですが、身近な大人が毎日暗い顔をして、疲れて仕事から帰ってきて、休日はぐったり寝てばっかり、だと「生きるって何なんだろう?」と子供が思ってしまうと思うんです。

HSCの自己肯定感とどんな関係が?と思うかもしれませんが、毎日疲れた大人ばかり見ていると、夢を持っても意味がない、目標に向かって頑張っても疲れるだけ、など、現実の大人の様子から何かを察してしまうことはHSCの子供あるあるだと思いませんか?

とにかく思考が深いHSCの気質は、自分が生きている意味や自然との共存について、真面目に考えていることも多く、その意味がわからない状態でいると、自分が生きる場所がわからなくなり、生きている意味がわからなくなってしまい、自己肯定どころではなくなります。

答えのでないこのような哲学的なお話は、大人になってもずっと未解決のままになるかもしれないけれど、知識がつき、経験が増えることで、疑問を持ちつつ、自分の道を生きていくことは可能だと思います。

そんなわけで、私が心がけていることを4つご紹介します。

人生を楽しくいきる大人になる

私はもともと、自己肯定感が低いことを自覚しており、だからこそ、「明日死んでも後悔しないように」日々を過ごしています。

子供の頃から、多い親せきの方が、病気や老衰で亡くなっていく姿を見ていたせいか、死ぬと冷たくなり固くなることを知っていました。本当に動けなくなるんだと経験で知っていましたし、病気を放置すると死んでしまうことも知っていました。

だから、生きているうちにできることをやりたいと思っているので、ネガティブな生き方はしていませんが、次男の自己肯定感を意識するようになった時、自分の自己肯定感の低さを改めようと思いました。

「私はバカだから」できないことが多いけど、人一倍頑張らないと追い付けなくて、という言い方をしていたので、自分をバカということをやめました。バカかどうかは関係ないですからね。

うまくいかなくても立ち上がっていく姿を見せる

発達障害や学習障害で困りごとが多い長男ですが、家庭でもできるサポートをたくさんしてきました。うまくいかないことも本当に多く、心が折れそうになることもありました。

でもなんか気になってあきらめきれないのです。

子供のことだから、あきらめたくない、という気持ちもあるのかもしれませんが、他にも方法は必ずある気がする、と思ってしまってやめられないのです。

期間を空けたり、別の方法にチャレンジしたり、どんなにうまくいかなくても何度でも向かっていく姿勢は、「できないからやらない」以外の選択肢があることを知ってもらえると思います。

日々勉強とチャレンジを繰り返すことでやりたいことを実現する術を見せる

お菓子作りや工作など、思っていたものと違うものが出来たとき(失敗したとき)は、私はうまくいくまで再チャレンジします。

私は何でも小器用にこなせるタイプではないので(自己否定ではなく事実として)、試行錯誤しながらやり続けるしか成功する方法がないことを、経験上知っているから。

HSCの子供は、1回失敗すると人生の終わりみたいに感じがち。

子供時代はやり方を知らないだけ、知識がないだけ、スキルがないだけなんですけどね。

1つずつ、うまくいかない要素をつぶしていくことでゴールに近づいていくことを、まずは身近な大人の姿を見て知っていることで、子供自身に活かせるといいなと思っています。

転んでも失敗しても間違えても死なない姿を見せる

何度失敗しても大丈夫、死なない、ということを、リアルに実証していけたらと思っています。

そんなもの、見ればわかると言われそうですが、結局のところ、HSCの子供が感じる妄想では、死なないのです。

死んじゃうくらい辛い思いをするかも。と思うのでしょうが、それも妄想ですからね。目の前の大人が死んでいないことをしっかりと見ておいてもらいたいですね。

注意:自己肯定感が低い時期には意識して控えたいHSCの子供との接し方

私がHSCの次男と接するときに、いくつか気を付けている注意点があるので参考にしていただければと思います。

大人の価値観や一般論を押し付けない:世の中の矛盾に気づいています

  • 家事は母親がやるもの
  • いじめられてもやりかえしてはいけない
  • 学校に行かなければ立派な大人にはなれない

このような類いの価値観や一般論を言わないようにしています。

一般的な価値観と呼ばれるものが存在することは知識として伝えてもいいですが、低い自己肯定感を何とかしようと対応しているのに、あえて一般論や常識的な型に子供を当てはめようとする必要はないと思ったからです。

私も子供の頃は本当にこの類いの言葉が嫌いで、

  • 長女なんだから
  • 初孫なんだから
  • もう中学生なんだから
  • そんなことも知らないで学校で何を勉強しているんだ

みたいなことを言われると、「だから何?私にどうしろと?」と思っていました。

大人の言っている一般論や価値観と、私が一緒なわけないでしょ、人はみんな違う考えを持っているんだし、と思っていたのですよね。

突っ込んだことを聞けば何も答えられない大人の言う通りにしなければいけないなんて、何かおかしい。と大人の社会の矛盾が気に入らなかったですし。

勉強しなさい、学校に行きなさい、ゲームは1時間でやめなさい、野菜はちゃんと食べなさい。

というような子供を動かそうとする声掛けも、みんなやってるでしょ、先生に怒られるから、というような突っ込まれると答えられない対応は避けた方がいい。

もっと根本のところからアプローチした方が、子供は動かしやすいと思います。

何を話してきても否定しない:必要以上に否定された感を感じます

  • この川があふれたら僕は死んでしまうのかな
  • 〇〇君がしつこく遊ぼうって誘ってくるんだ
  • もう二度と学校には行けない

子供がどんなにネガティブな話をしてきても、

  • 考え過ぎなんじゃないの?
  • そんなわけないでしょ
  • バカみたいなこと言ってるんじゃないの!

というように、サラっと否定しないように気を付けていました。ちょっと冗談交じりに「なーに言ってるの、神経質なんだから」みたいなことを言おうもんなら、「怒られた、もうママには何も話せない!」という極論に達します。

そんなつもりで言ってないし、というレベルのことを、超拡大してネガティブに捉えるため、すごいスピードで否定された感に達しますので、本当に要注意です。

何でもかんでも褒めない:すべて見通されています

  • すごいね
  • 天才
  • エライ

子供が話していることに対して、ただただ「すごいねー」「天才なんじゃない?」みたいなことを言っても、本気で思っていないことはお見通しです。

本当は思ってないくせに。適当なことを言って。

という思考回路になっていくみたいです。次男の場合。

さらに、この系の誉め言葉は、間接的に別の意図と捉えることがHSCの気質だと思っています。

  • エラい(すごい)ことをし続けないといけない
  • 天才じゃないといけない
  • 頑張らない子はダメな子

こういうところ、大人としてはちょっと勘弁してほしいところなのですが、こういう思考回路であるがゆえに「ひねくれている」「素直じゃない」と大人の目には映ってしまうのでしょうね。

具体的な理由+I thinkで褒める

よくある褒め方のパターンではありますが、単純にすごいね、エライねではなく、具体的なポイントを入れてからすごいね、というと素直に入っていくみたいです。

  • 10分で(次男の)部屋が片付くなんてママが予想していたよりも早かったよ
  • 毎日(次男が)掃除機をかけてくれているだけで本当に助かるんだよ
  • そんな難しい単語、よく知ってるねー。何で覚えたの?

いかにもな褒め方ではないけれど、間接的には褒められていると思っています。

いい・悪いよりも好き・苦手の表現が使いやすい

いい・悪いは、大人の固定観念になりやすいので、私は好き・苦手を使っています。

嫌い、はダイレクトな表現すぎて、時と場合によってはグサッと傷つく言葉になりやすいので、I thinkと受け取られやすい、好きか苦手かにしています。

嫌なものを「苦手」と表現すると、性格や個性の枠に入る感じがするので、本当に便利ですよ。

嘘はつかない:すぐバレます

これは私が子供の頃に感じていたことですが、大人の見え透いた嘘には本当にうんざりしていました。

気づかないフリをしてあげることが面倒だったので、自分が大人になった今、嘘はつかないように心がけています。

かわい気のない子供と言えばそれまでですが、その場を取り繕うのは自分の気持ちに反する行動になるので、嫌でしたね。

サプライズ的なものや、良心的な嘘(サンタさんはいるよ的な)は別として、年齢や発達に応じて、理解できることは嘘でごまかさない。

子供によりけりではありますが、次男の場合はその方が筋が通っているので、納得がいくみたいでした。

参考情報:HSCの自己肯定関連のはなし

近年ではHSCの情報も増えていますし、私のようにHSPの方々がたくさんのお話をインターネットで情報共有してくださっていますが、総じてHSCの子供は自己肯定感が低い感じという認識ですね。

専門的なことに関しては、参考文献や信頼あるインターネット情報を参考にしていただくとして、ここでは、私が思うHSCの子供の自己肯定感が低い理由をお話します。

HSCの子供の自己肯定感が低いと思う理由

入ってくる情報量から予測できる項目が多すぎる

HSCの感度の良さで入ってくる情報が多いと、関係ないことや余計なことまで気がいってしまい、自己を肯定するわけにはいかなくなってしまうのかも、と思いました。

環境や周りにいる人の感情などに敏感なため、これをやったらこう思われる、など考え過ぎてしまうのでしょう。

結果、自分にはできない、自分なんて、、という思い込みになってしまうのかもしれないと思いました。

妄想と思い込みにやられてしまう

いろんな情報から先のことを推察することに長けているHSCの子供は、これまでの知識と経験をフル活用していろんなことを考えていると思います。

さらに妄想力もハンパないので、どこまでもエンドレスで妄想できるわけですね。

次男の場合、ネガティブ方向への妄想は、関心するくらいすごい。次男の頭で考えだした妄想からくる思い込みがすごすぎて、現実との境目がわからなくなっていることがあるくらい。

妄想と思い込みにやられて、自分にはできない、という結論になっているようです。

実直で真面目な気質

幼稚園や学校などで、先生の言うことは絶対に守らなければ、という真面目な一面があります。

悪いことではないのですが、先生が覚えておいてね、と言えば覚えていられるか自信がないと不安になったりします。

柔軟・臨機応変な対応には、それだけの対策が必要になってくるため、結果として自分には無理かもしれないという結果になるようです。

傷つかないようにはじめからネガティブな想定にしておく

痛みには人一倍敏感なHSCの気質もあり、人一倍メンタルも傷つきやすいのかな、と思っています。

なんとなくですが、失敗したりうまくいかないことで、「自分ができない」という現実を受け入れられないのでしょうか。

やる前からネガティブな結果になるであろう想定をしておくことで、予想通りできなかった、という結論にすれば想定内となり傷つく度合いも少なくて済むのかと。

できないかもしれない、やれないかもしれない、でも大丈夫だもん。みたいに無理に大丈夫を装ってみても、内心は不安でいっぱいなのでしょう。少なくとも、私が子供の頃はそんな感じでした。

言い訳、というのともちょっと違っているのですが「やれるわけないか」みたいな位置に降りやすい気がします。

HSCの自己肯定感に対処できる参考本

私が次男のHSC自己肯定感関連で参考にいした本をご紹介します。

この1冊で、HSCのことはほぼわかると思います。とてもわかりやすいし、学校の先生用の資料も載っています。

私の場合は、まずこの本を熟読し、できることから実践していきました。自己肯定感についての話もたっぷり載っているのでHSCと自己肯定感についてはこの1冊で十分ですね。

その後、知識が増えていくごとに、応用もできるようになり、他の本や情報を参考に次男用のオリジナル子育てを考えていけるようになったので、私にとってはバイブル的な感じです。

初めての知識はマンガだととてもわかりやすいですよね。

子供を肯定していくにあたって、子供の理解を深めるためにも認知行動療法はおすすめです。

振り返り:HSCの低い自己肯定感も大人の接し方によってはなんとかなる場合もある

HSCの子供が、自分なんて・・・と自己肯定感低い感じで答えを出しそうなとしても、大人の接し方によっては変わっていく場合があります。

次男の場合は、意味なく自己肯定感が低い時期は過ぎた感覚がありますが、大人の配慮ある接し方はまだまだ必要。

子供の話をよく聞き、子供のすべてを肯定し、大人も大人の道を生きることで、少しずつですが自信がついていくでしょう。

世の中の常識に流されず、子供の様子をまっすぐと受け止めることで、大人である自分の方まで頑張っていけそうな気になりますよ。