はじめて読むならこの5冊!読みやすくてわかりやすい発達障害の本

発達障害

発達障害の知識の大半は、本から得ることができます。本が出版され、私達の手元に届くまでのタイムラグなどはありますが、知りたい情報に関して網羅的に情報収集ができるのは、インターネットでは結構大変だと感じました。

今回は、私が読んだ発達障害関連の本の中でも、特に読みやすい・わかりやすいと思った本を5冊ご紹介します。発達障害の知識が全くなくても大丈夫。気になった本から読んでみてくださいね。

【子供の発達障害を知る】初心者でもわかりやすい本の選び方

本を選ぶ女性

発達障害がどういうものなのか、まだよくわからないうちは、やっぱり読みやすくてわかりやすい本の方がいいですよね。パッと開いて直感的にわかるような本とか、あとから参考にしやすい本とかがいいと思います。

発達障害関連の本は、3タイプあると思う【花緒流カテゴリ分け】

今までたくさん発達障害関連の本を読んできましたが、なんとなく次の3タイプに分けられるような気がしています。

  • 読み物タイプ(経験談・体験談・知識研究系)
  • 参考書タイプ(知りたい知識、知りたい対応を索引で探せる系)
  • ワークブックタイプ(実際に子どもが実行できるワーク系)

読み物タイプ(経験談・体験談・知識研究系)

発達障害である当事者が書いた本人の体験談、発達障害のお子さんを育てたお母さんの経験談、発達障害のお子さんを指導した先生などが書いた経験談、医師や専門家が書いた知識系の本などです。

発達障害を知る上で、初めて読むなら読み物タイプから2~3冊読んでみるといいと思います。本の中で書かれてある発達障害について、客観的に知ることができるので、理解しやすいのではないかと思っています。

参考書タイプ(知りたい知識、知りたい対応を索引で探せる系)

対応の方法や支援の方法など、発達障害のお子さんと接する人に起きる困りごとに関してこうしたらいいよ、とわかりやすく書かれている本です。

本によって細かく書かれてあるもの、若干大ざっぱでは・・と思う本など、読み手側の好みが分かれる分野でもありますね。

何種類か手元に置いておくと、対応に困ったとき、悩んで前に進めないとき、先行きが不安になったときなどに読み返して参考にすることができるので、辞書感覚で持っておくといいと思います。

また、何冊か読み進めていくうちに、重複してくる情報が出てきたら、発達障害のことが少しずつわかってきたんだな、という判断にもなるタイプの本です。

ワークブックタイプ(実際に子どもが実行できるワーク系)

お子さんが実際に書き込むタイプのワーク、お子さんや支援者が読み進めていく中で理解していくタイプのワークブックがあります。

こんな感じのものですね。

お子さんの向き不向きや、合う合わない、実際にやってみたらわかりにくかった、というものもあるかもしれませんが、結構いろんなタイプのワークブックがあるので、何冊かやってみるとおもしろいです。

家でどんな支援をしたらいいのかわからない、という方は、週1以上のペースでワークブックをやってみることをおすすめしています。強制ではないので、お子さんと一緒に考え、お子さんの今を知る、わかりやすいツールだと思いましょう。

発達障害関連のワークは、道徳的な題材のものがとても多いので、発達障害のお子さんじゃなくても、取り組む効果はあると思いますよ。

うちは、長男・次男ともに2冊ずつのワークを週1から2週に1度のペースで進めています。大人も回答に困るような設問もあり、親子のコミュニケーションにもとてもいいと思います。

わかりやすい本の選び方

  1. 漫画タイプの本を選ぶ
  2. 体験談が書かれた読み物タイプと並行して知識タイプを1冊読んでみる

そもそも、普段からあまり本を読まない人や、本を読んでも頭に入ってこない人は、漫画で描かれている絵本を読んでみましょう。

発達障害の知識が全くない場合、いきなり参考書タイプを読んでもわからない場合は、体験談と並行して参考書タイプを読むとわかりやすいと思います。

何冊か読んでいくうちに、単語を覚え、なんとなくのパターンがわかるようになれば、あとは気になるタイトルの本をガシガシ読めますよ。

【発達障害の知識ゼロの方のために】漫画で理解するおすすめ本3冊

漫画を読む人

後述の本は漫画ではないので、ここで何冊か漫画タイプを紹介しておきます。

ガキのためいき 子どもの発達障害あるある記(1)|沖田×華(Kindle版)

当事者目線での子供時代が描かれている体験談の読み物タイプ。子供の発達障害がいまいちよくわからない、というかたにおすすめです。

人それぞれではありますが、大人ができるフォローや、気を付けて支援したいことにも気づけるので、体験談はかなり貴重だと思っています。

生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした|モンズースー(Kindle版)

親目線で描かれた子育ての体験談読み物タイプ。子育てへの親の気持ちや、子供が発達障害かも?と感じるきっかけなど、リアルに共感できます。

さらに親子で発達障害の場合に、何が起きてどうなるのか、などの例がわかるので、やはり貴重な体験談です。

仕事&生活の「困った!」がなくなる マンガでわかる 私って、ADHD脳!? |司馬 理英子(Kindle版)

ADHD のび太・ジャイアン症候群というADHDの本でも有名な精神科医の先生が書いている本です。知識を知るための参考書タイプ。

おはなし自体は大人バージョンですが、発達障害の子供が大人になると、こういうことが起こり得ますよ、ということがわかります。

本人が発達障害に気づいていないところから、気づくところ、最終的な対処までを1冊で読めるので、参考書タイプの本は1冊あると便利です。

読みやすくてわかりやすい発達障害の本5冊

たくさんの本

今回は読み物タイプと参考書タイプの中から、5冊の本を選んでみました。ワークブックタイプは、別記事でご紹介しますので、まずは読み物タイプと参考書タイプを読んでみてくださいね。

俺ルール!―自閉は急に止まれない/ニキ・リンコ(読み物タイプ)

私が初めて読んだ発達障害の本です。自閉症の特性があるニキ・リンコさんが書いた、自身の体験談を中心に自閉症の思考回路をわかりやすく紹介している本です。

この本の最大の特徴は、次の3つ。

  • 字が大きめ
  • 行間が空いている
  • 1ページの文字が少ない

長男のような学習障害の人でも読みやすく配慮されています。

文字を読む事に何の困難もない私は、この3つの点に全く気が付きませんでした。30分くらいであっという間に読んだ後、ページの残像が頭に浮かんだんですね。一般的な本と何かが違う・・・ぞ。

もう1度開いてみて、「あ、そうか。」1文字が大きめで、行間が広めに取ってあり、1ページの文字数が少ない事で圧倒的に読みやすいのか。と気づきました。

発達障害ゆえの独特の思考回路が、ニキ・リンコさんの中ではとても自然な思考回路なのに、世間の一般常識からはズレている辺り、「あ、そういう見方をしているのか」という理解のきっかけになる1冊だと思います。 とても自然な表現なのに、なぜかフッと笑ってしまう癒され系の本でもあります。

所々にある4コマ漫画でホンワカしつつ、プッと笑ってしまうエピソードもありました。発達障害も自閉症も私にとっては初めての知識。障害という名に抵抗を感じていた私の心をほぐしてくれた1冊です。

この本を読んで、確かにこの特性では、接する人の配慮が必要になるなと感じました。逆に言えば、どういう配慮が必要なのか、どういう所を理解すればいいのかがわかったような気がした1冊とも言えます。

この本をきっかけに、私の発達障害の勉強は急加速していきました。初めて読む発達障害の本として、ぜひ読んでみてほしい1冊です。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ /健康ライブラリー(参考書タイプ)

言葉が遅い子、自閉症の傾向がある子への声掛けと接し方の例がたくさん載っている本です。ちらほらと専門用語が出てきますが、親しみやすいイラストと箇条書きで理解しやすい対応法が特徴の本です。

困っていることから対応法を調べることができる点で、参考書タイプに分けられると思います。言葉を促すという点で言えば、自閉症の傾向がある子向きの本になりますが、幼稚園前までの子であれば、声掛けや対応にそこまで差はないと思うので参考になると思います。

宿題なんかこわくない/塚本 章人(読み物タイプ)

お子さんが小学生になると心配になるのが宿題です。実際、小学生のお子さんがいるママの悩みの種でもある宿題は、本当に苦労することの1つでもあります。

この本では、何が何でも宿題をやらなければいけないのか?という、宿題のあり方について考える本でもあります。元小学校教諭である著者が通常級・特別支援級での指導を通し、感じたことや考えたことが書かれています。

宿題にうまく向き合えない子どもが持っているやれない原因を、やる気がないなどというアバウトな観点からではなく、学習障害や発達障害の特性から考えた見方で教えてくれます。

発達障害の子が、宿題のどういうところで困っているのか。それは発達障害の子の頭で宿題や問題と向き合わなければわからないような事を提示してくれるので、納得のいくヒントの数々が散りばめられている本です。

「当たり前」の概念から離れた時、お子さんを理解するきっかけに気づくことができるかもしれません。宿題をやらなくて困っているお子さんがいる方にぜひ読んでみてもらいたい1冊です。

発達障害の子どものための 体育の苦手を解決する本/西薗 一也(参考書タイプ)

スポーツ教室の先生が、自閉症の子に運動を教えたことから始まる様々な気づきと対応がわかる本です。私も長男の体の動きを研究し、運動のトレーニングをしてきましたが、見て真似をすることが苦手な発達障害の子ども達にとって体を動かすことは思っている以上に簡単なことではありません。

自分に見えていない後頭部や背中、意識して使わない薬指や小指の存在を知らない子もいるくらい(長男も同じく)、体の一部を使うこと、つながりのある動きをすることも、1つ1つ動きを分解してクリアしてからつなげていかなければいけません。

体育の授業でやる鉄棒・縄跳び・マット運動・跳び箱・徒競走や組体操など学校生活と運動は切り離せるものではありません。家でサポートし、できるだけのフォローをやっていくために参考になる1冊です。

アスペルガーを生きる子どもたちへ/佐々木正美(読み物タイプ)

発達障害関連の本を検索していると、必ずと言っていいほどおすすめに出ている有名な本です。長男が発達障害と診断されたばかりの頃、高機能自閉症とアスペルガー症候群は同じだと思っていたので読んでみました。(実際は違いました)

「子どもたちへ」というタイトルがあるのですが、本当にそのタイトルの内容は子どもたちへ向けて書かれている内容でした。発達障害の子どもを育てているママが読んでもとても参考になると思います。何よりも「そのままでいい」という著者の言葉に救われると思います。

発達障害という診断が出たばかりの頃は、現実を受け入れる事が難しく、いろんな不安、いろんな後悔、どうしてうちの子が・・という思いでいっぱいの時期です。そんな気持ちをまるで最初からわかっていたかのように、全てを包み込んでくれる本です。

私のすすめる文より、実際の本を手に取って読んでいただいた方がわかりやすいかもしれないですね。お子さんの発達障害を受け入れられない、ショックが大きくて育てていけるか心配、という気持ちになっているママにはぜひ読んでもらえたらと思います。

振り返り|読みやすいタイプから読んで発達障害の理解を深めよう

本を読む女性

私の独断と偏見ではありますが、発達障害関連の本は3タイプあると分析しました。

  • 読み物タイプ(経験談・体験談・知識研究系)
  • 参考書タイプ(知りたい知識、知りたい対応を索引で探せる系)
  • ワークブックタイプ(実際に子どもが実行できるワーク系)

今、知りたい内容によって、どのタイプの本から読んでいけばいいのかというきっかけになってくれたらうれしいです。

ちなみに私が一番読んだ本のタイプは、圧倒的に読み物タイプ。やはり経験談・体験談は人それぞれなので、私の悩みや長男の特性に合った情報に出会える機会が多かった気がします。

まだ、発達障害と診断されたばかりで心が不安でいっぱいなら、たくさんの本を読むことをおすすめします。たくさんの本を読む中で、共有すること、気づくこと、知ること、勇気づけられること、などなど、たくさんの前に進める活力をもらうことができますよ。

これからもたくさんの本をおすすめしていきたいと思います。ぜひ読んでみてくださいね!

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