【HSCの子供向け】人の目を気にせず行動する超シンプルな方法

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HSCの子供は、友達や親、先生など周りにいる人の感情を気にするあまり、自分が思っていることを言えずにいたり、行動を起こせずに時間が過ぎてしまうことが多々あります。

周りの空気や人の感情がわかることは、悪いことではないのですが、自分が思っていることと行動に差が出てしまうと、いずれメンタルが崩れてしまうと思うのです。

今回は、HSCの子供が人の目を気にせずに、自分の人生を生きていくにはどうすればいいのか?ということを考えてみました。

そして、花緒流ではありますが、HSC独特の思考回路のクセを読み取り、行動に移すための超シンプルな方法をご紹介したいと思います。

HSCの子育てで悩んでいる方の参考になればうれしいです。

HSCの子供が身につけたい!人の感情を取り込まない4つの方法

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まずは、どんな方法なのかを簡単に説明していきます。

事実のみを知る

え?と思いましたよね。何を当たり前のことを・・・。と思うでしょうが、私は、HSCの子供は、ちょっと思考回路が独特だと考えています。

HSCの子供の思考の例

例えば、HSCの子供が何かをやろうとします。「宿題」で考えてみましょう。

何事もなく、すんなり終われば何の問題もありませんが、わからない問題にぶつかって、やる気がなくなったとしましょう。

「もうダメだ、この問題は僕には一生解けない。宿題が全部終わっていないと先生に怒られるから、明日は宿題を出せない。お母さんに聞いたら、“こんな問題も分からないの!’’って言われるかもしれないから、誰にも聞けない・・・。もうどうすることも出来ないんだ。人生、終わりだ・・・。」

極端な例ではありますが、次男がこんな思考回路です。

要点を確認していきます。この場合の事実は2つですね。

  1. 分からない問題がある
  2. 宿題が終わっていない

本来であれば、この2つの事実のみから、これからどうするかを考えればいいだけ。ですがHSCの子供の思考回路は、とても複雑な気がします。

先程の例で考えてみると、

  1. 僕には問題は一生解けない
  2. 宿題が終わっていないと先生に怒られる
  3. 明日は宿題を出せない
  4. お母さんに聞きたいが聞けない
  5. お母さんにこんな〜と言われる
  6. 誰にも聞けない
  7. どうすることもできない
  8. 人生終わり

全部で8コ。実に4倍も多くの物事を考えていることになります。この8コをよく見てみましょう。

HSCの子供の考えはほぼ妄想

注目したいのは、こちらの8個の考えすべてが妄想であることです。

どれ1つをとっても、事実は入っていません。全て、勝手に妄想しているだけなんですね。

「想像力が豊か」なのでしょうが、これは妄想であって現実ではないということを教えてあげた方がいいでしょう。

【要注意】大人の妄想発言が子供の才能を止める要因になる

大人も「宿題をやらないと先生に怒られるよ」「将来、立派な人間になれないよ」的な発言は避けた方がいいですね。

これらの妄想は、現実の行動を止めてしまう強迫だと思っても過言ではありません。むしろ、子供の才能を止める要因になってしまうので、大人も意識して事実のみを把握するようにしましょう。

実は事実を理解していない場合が多い

まず、押さえておきたい事実が入っていませんね。

そうなんです。

いろいろ考えているように感じますが、本当に必要な情報である「事実」を把握してないんですね。

では、何を考えていたのかというと、人の感情です。今回の例は宿題なので、先生や親の感情ですね。

宿題の問題が解けなかっただけなのですが、関わる人からどう思われているかが気になってしまって、そちらに思考を奪われてしまうと考えてみるとわかりやすいかもしれません。

ですのでまずは、事実のみを知ることから始めないといけないのです。

事実のみを知る方法

  1. 何をやったのか
  2. やったことの結果

まずはこの2つに絞りましょう。

HSCの子供に関わる親や大人が質問して聞いてあげると、本人も気づきやすいと思います。

質問方法は、先ほどの2つ。

  1. 何をやったの?
  2. やってみた結果、どうなったの?

以上です。先程の例でお話しすると、子供の答えが以下のようになればいいということになりますね。

  1. 分からない問題がある
  2. 宿題が終わっていない

大人の思い通りの答えが1度で返ってこなくても、何回か試していくうちに、親子で慣れてくると思います。

自分の気持ちを確認する

事実のみがわかったら、次に考えるべきは自分の気持ちです。

「行動を起こす何か」に対しての自分の気持ちです。

  • やりたいorやりたくない
  • 好きor嫌い
  • あまり興味がないorどっちでもいい

など、自分の気持ちや思いがあると思います。それを確認してみましょう。

HSCの子供は自分の気持ちを把握していないことが多い

常に周りの空気や人の感情、行動を察してしまうHSCの子供は、自分の気持ちを自分で把握する前に、他人の気持ちを把握してしまうのかもしれません。

だからかもしれませんが、意識して自分の気持ちを確認しないのでしょう。

自分がどうしたいのか、よりも、人がどう思うのか、ということの方がHSCの子供には重要なのでしょうね。

自分の気持ちをしっかりと把握していないと、他人に流されるきっかけにもなりますし、本心と違う行動に巻き込まれる要因にもつながります。

そうやって、メンタルが崩れていくのであれば、自分の気持ちは始めからきちんと把握しておいた方がいいですよね。

自分の気持ちを確認する方法

常に人の感情を考えてしまうHSCの子供にとって、自分の気持ちを把握することは難しいことかもしれません。

そんな時は大人が質問してみましょう。

  1. あなたはどう思う?どうしたい?どっちを選ぶ?
  2. もし、この世に自分しかいなかったらやる?やらない?

こんな感じで聞いてみると答えがかえってくると思いますが、もし答えられなくても大丈夫。

毎回聞いているうちに、ぽつぽつと答え始めるようになると思います。答えを一切否定せず、「そうなんだ」と傾聴するように対応しましょう。

自分の気持ちと同じ行動を取る

おそらく一番難しい肯定だと思いますが、自分の気持ちと同じ行動・言動を取るように意識していきます。

例えば、宿題の問題が解けずに困っている時に、子供の本心は「宿題をやる意味がわからないからやりたくない」と思っているとします。

自分の気持ちと同じ行動を取る方法

この場合は、次の2つ要素がからんでいますね。

  1. 宿題をやる意味がわからない
  2. 宿題をやりたくない

ということで「宿題はやらない」という行動を取ります。というか、子供に宿題をやらないという選択をしてもらいましょう。

なぜなら、「宿題をやる意味がわからないから」です。

ならば、宿題をやる前に、宿題をやる意味をはっきりさせておかなければいけません。

ということで次にやるべき行動は、問題を解くことではなく、「宿題をやる意味をはっきりさせる」ことになります。

子供の行動だけで判断しない方がいい

この例のように、子供の行動だけで判断すると、

子供の行動=宿題をやらない

となりますが、その行動の裏には「宿題をやる意味がわからない」というとても重要な疑問を持っていたことに気づきます。

子供の行動だけを見て、宿題をしていないからと怒ってしまうと、子供は自分の気持ちを理解してもらえなかった親や大人に対し、敵意を抱くようになるでしょう。

怒っている感情から自分を遠ざけようとするため、何も話してくれなくなりますし、心を開くこともなくなります。

私は問題を解くことよりも、理解してくれる大人と、わからないことを論理的に解決している思考の過程の方がよっぽど生きる力になると考えます。

目的のない行動は強制労働と同じ

論理的に物事を考えることは、若干、面倒だと感じる方もいるでしょう。親も論理的に考えられないという方も結構いると思います。

しかし、納得のいく目的のない行動をやり続けることは、メンタルに悪影響を及ぼすと思うのです。

要するに「強制」ですね。学校に関することであれば、強制労働のようなもの。

世の中のしくみも理屈も何もわからない子供が、学校関連のことを強制労働だと感じてしまえば、当然、嫌にもなりますし、納得もいかないので自ら進んで宿題をすることもないでしょう。

「わからないこと」は時間をかけてもいいので考えた方が子供のため

この類の、大人でも回答が難しいことって世の中にはたくさんありますよね。

特に、子供時代にはわからないけど、大人になるとなんとなくわかってくることもありますので、大人にしてみたら子供の素朴な疑問に答えることは面倒かもしれません。

しかし、1つのわからないことに「大人がどう立ち向かうのか」という姿勢ですね。一緒に子供と考えることで、子供も自分で考える機会を体験できます。

そうやって1つ1つ自分で考えることで、やりたいことを見つけ、率先して勉強や学習をしていくきっかけになると思うのです。

長い目で考えた場合は、やはり目先の問題の正答率よりも、答えのない疑問を大人と一緒に解決していく体験の方が、より生きるスキルになると私は考えています。

行動した結果を振り返る

自分の気持ちと同じ行動をした場合(しなかった場合でも可)、必ず、振り返りをすることをおすすめします。

「振り返り」とは「反省」という意味ではなく、読んで字のごとく、自分の行動や言動、思考などを振り返ることです。

そして、振り返ったあと、自分の気持ちと同じ行動をして良かったかどうかの採点をしてもらいましょう。

行動した結果を振り返る方法

  1. 自分の気持ちを確認
  2. 気持ちを同じ行動を取れたかチェック(取れてなくてもOK)
  3. その結果どんな気持ちになったか
  4. 次の同じようなことが起きたらどうしたいか

簡単に箇条書きでいいと思いますし、大人が効いて子供は口頭で答えてもいいと思います。

できれば記録を残し、数をこなした後(20件くらい)、こなした数をフィードバックしてみるといいですね。

頑張った記録、自分と向き合った記録ですから、自分でも判断や行動ができるんだという自信につながるでしょうし、自分の望む選択をしてもいいんだ、という経験につながります。

これが、「人の目を気にせずに行動できるということ」です。

振り返り|1回で1つずつでいい。HSCの子供の本音を叶えてあげたい

今回のおはなしをまとめてみます。HSCの子供が人の感情に流されないように行動するためには、以下の4つがポイントでした。

  1. 事実のみを知る
  2. 自分の気持ちを知る
  3. 気持ちと同じ行動を取る
  4. 行動を振り返る

一度に全部をやろうとしてしまうと、おそらくキャパオーバーを起こすと思うので、1つずつ試してみるといいと思います。

今日は、事実の確認だけ、今日は気持ちの確認だけ、といった具合に1つずつ進めることで、いずれ4の振り返りまでいきますからね。

絶対にやらなきゃいけないわけではなく、HSCの子供が本当はこうしたいのに友達や先生、親に気を遣ってできなかった、という現実を過ごしていて困っている場合に使える、1つの考え方だと思ってください。

HSPの私が、自分の思考回路や行動、これまで勉強してきた発達障害の対応や、そのた心理学系の本、非認知能力などの本を読んで、こうすればうまくいくかも!と思いついた方法です。

そして、HSCの次男に試してみて、1年と3ヶ月。

次男はまだまだ思考がぶっとんでしまうこともありますし、妄想で行動が止まることもありますが、人の期待に応えるような行動をかなり減らすことができました。

これにより、幼稚園に入園した年中から悩んでいたチックがなくなりました。笑顔が増え、跳びはねて喜ぶこともできるようになりました。

学校で鼻歌を歌ってしまうようなこともあり、先生もビックリ。兄に流されず、自分のやりたいことに時間を使える回数も増えました。

昨年は不登校でしたが、今年度は学校に登校するそうです。

親戚や先生、友達の期待に応えようと必死に自分の気持ちとの不協和音にメンタルを崩した次男。

そんな次男の不安を、1つでも多くの自信に変え、1つでも次男の本音を叶えてあげたい。今でもそんな思いで支援しています。

みなさんのお子さんも、親の理解と配慮で苦しい思いから抜け出せるかもしれません。

まずは、親が他人の期待に応えることなく、苦しい思いから抜け出していただいて、次に子供の本音を叶えてあげてください。

そうすれば、HSCの不登校は、少しずつ少なくなっていくと思います。