高校生からピアノを始めたいと思っている方に、実際にピアノを始められるよう6つの方法をご紹介していきます。
ピアノ講師として教えてきた経験と、実際に自分がピアノを練習してきた方法などを総合し、高校生から初めてピアノをやれるように考えた方法です。
「やってみたい」を「やってみた」に変えるために、ピアノ初心者でもわかるように、学校の勉強や部活、バイトや友達との遊びなどがあっても「高校生からピアノを始めたの」と言えるような内容になっています。
ピアノのある生活を、夢や妄想ではなく、現実のものにしていきましょう。
初心者でも問題なく高校生からピアノを始める方法とは?
高校生になると、中学生とは違い、勉強・部活に加え、バイトや友達との交流が増えてきますよね。部活に打ち込んでいる場合は、合宿や遠征で自分の趣味の時間は減りますし、バイトをしている方は、学校とバイトが主な生活になっていきます。
友達とも遊びたい、バイトでおこずかいも稼ぎたい、勉強もしなきゃいけない、でもピアノも始めたいんだけど・・・できるのかな、弾けるようになるのかな、と思っているのですよね。
もちろん、できます。
ただし、無計画でやろうとしても、うまくいかないことは見えています。なぜなら、やりたいことがいっぱいあるのに、学校や部活、バイトなどで拘束される時間がある程度決まっているから。
時間は誰でも等しく与えられているので、やりたいことがたくさんあっても追加購入できませんからね。今ある時間をやりくりして、やりたいことを叶える時間を生み出すのです。
そのためには、事前に決めるべきところを決め、実際に行動してみることが重要です。考えているだけでは現実にはなりませんので、行動を起こすまでが今回のミッションです。
ジャンルを決める
まずはなんとなくでいいので、弾いてみたいピアノのジャンルの候補を出してみましょう。
- クラシックピアノ
- ポピュラーピアノ
- ジャズピアノ
- 弾き語り
- バンド用キーボード
バンドをやる場合は迷わないと思いますので、1~4のどれにしようか、考えてみます。
大きく分けるなら、クラシックか、それ以外か。違いは、楽譜通りに基礎からしっかりとピアノを習うのか、メジャーな曲を軽く弾ける程度でいいのか。
ピアノを弾く際の基礎については、レベルが上がるごとにクラシック以外でも必ず必要になってきます。いつかは通らなければいけない道はありますが、本格的なピアノじゃなくてもいい、という方も多いですよね。
クラシックじゃなくて、ポップスとか映画音楽とかドラマの主題歌とかでいいから、メロディを簡単に弾いて、簡単な伴奏が弾ければいいとか。
ちょっと歌いながら伴奏を弾ければいいとか。両手でガンガン弾く事を望んでいるんじゃなくて、本宅的な生ピアノが弾きたいんじゃなくて、キーボードでいいから曲を弾く事を楽しみたい。そういう人もたくさんいます。
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自分が何を弾いてみたいのか、どんなピアノに興味や憧れを持っているのかを改めて考えてみましょう。目指す方向によって、始めからやることが変わってきますので、よく考えてみてくださいね。
ピアノ教室に通うか独学にするかを決定する
ある程度、ピアノのジャンルを絞ったら、次にピアノ教室に通いたいのか、自宅で気楽に独学をしたいのかを決めましょう。
高校生はほぼ大人と同じだと考えていいと思いますので、通える教室の距離やジャンルに関しても好きなものを選べるでしょう。
ピアノ教室に通った方がいいのか、それとも独学にした方がいいのかを迷った場合、ピアノ教室の体験レッスンに行ってみましょう。2か所か3か所行ってみる。
体験レッスンでは結論を出さずに体験だけを受けて帰ってきてください。家に帰って考えるとか、親と相談したいので、という理由で家で一度冷静に考えてから結論を出しましょう。
平行して、YouTubeなどでやってみたいジャンルの勉強が独学でできるかどうかを検討してみます。ピアノ教室に習いに行った場合と、独学でやる場合のなんとなくのイメージができたら、どちらにするか決めましょう。
ピアノ教室に通うメリット
ピアノ教室に通った場合、時間の拘束と月謝などの費用がかかりますが、ピアノが弾けるようになるという目標は達成される確率がとても高いです。
なぜなら、先生が生徒に合わせて最善の道を作ってくれるからです。言われた通りに練習すればよいという他力本願な考えは、あまりおすすめできるものではありません。
しかし、初心者のうちは何をやったらいいのかよくわからないし、好きなジャンルもよくわからなくて選べない、という場合はピアノ教室に習いにいくのが手っ取り早いと思います。
その代わり、先生との相性が合わないなとか、やっぱり違うジャンルが良かったな、といった方向性が見えてきたら、スパッとやめて、方向転換することをおすすめします。
親にお金の無駄を指摘されるかもしれませんが、素直に気持ちを話し、時間の無駄を避けた方がいいでしょう。やりたい方にお金と時間をかけましょう。
独学するメリット
高校生にもなれば、学習についてのある程度の法則をつかんでいるのではないでしょうか。自分の性格や長所・短所も含め、少しは把握していることでしょう。
ピアノ教室に通わず、独学をする際のデメリットは、自分に甘くなるところ。計画を立てても実行しないままダラけてしまい、最終的には放置してしまうところにあります。
逆に、自分をしっかりと管理して、やりたいことと向き合えるのであれば、独学ほど伸びる学習法はありません。
時に間違えた方向に進むこともあるでしょうし、要領も悪いかもしれません。しかし、自分で考えて行動すること、間違いに気づき修正することは、ピアノに限った話ではなく、その後の進学や就職、大きな話になりますが、自分の人生の舵を自分で握れるということになります。
学校の勉強・部活・バイト・遊び・ピアノ。自分の好きなタイミングでピアノを練習できるので、習得スピードも早くなりますし、自信も付きます。一石五鳥くらいの価値があるのが独学。
自分を律することができるのであれば、独学がおすすめです。ちなみに初心者なのに独学でピアノが弾けるの?という疑問には、できますとお答えしておきます。
できるというか、できるようになるまで、試行錯誤を繰り返すだけなので、結果としては「できる」という結果しかないということです。
楽器の用意
家にピアノがある場合は別ですが、鍵盤楽器が何もない場合、何かしらの楽器を用意する必要があります。
ピアノを始めたいからピアノ買って、と言ってもすぐに買ってくれる親はほぼいませんので、家族にも自分にも無理のこない楽器を用意しましょう。
始めから本格的なものを用意すると、やっぱり自分には向いていなかったと思った時のがっかり感とお金の無駄感はハンパないと思います。
それだけ高い買い物になりますので、クラシックピアノを習う以外はキーボード、または電子ピアノで対応しましょう。
夜、練習したいならヘッドホンが使える物の方がいいので、生ピアノなら消音付き、もしくはキーボードや電子ピアノなどの電子系を買いましょう。
ただし、鍵盤の数だけは61鍵、もしくは88鍵をおすすめします。特にクラシックピアノの場合は、88鍵ないと足りなくなりますので、多くて置き場所も必要になりますが88鍵を買いましょう。
より本格的にピアノを始めていこうという方は楽器屋さん、メーカーの展示会やイベント販売で購入した方がよく、趣味程度でいい方は電気屋さんや中古屋さん(中古屋の場合は鍵盤の音が全部でるか確認してください)、または地域の売ります買いますみたいなものでもピアノが手に入ります。
ちなみに手持ちタイプのキーボード以外は重量物になりますので、別途配送料がかかります。生ピアノに関しては、階段を1階分上がるごとに配送料が加算されていきますので、事前に確認が必要です。
最初の目標を決める
楽器の用意までできたら、いよいよ目標を決めて行動に移します。
本当に超スモールステップの目標を立て、どんどんクリアしていきます。スーパーマリオブラザーズの1-1くらいのスモールステップにしましょう。
- 鍵盤のドレミファソラシドを全部覚える
- 右手で弾いてみる
- 左手で弾いてみる
- 指が足りなくなる時にどうやって弾くのかを調べる
- ト音記号について調べる
- 楽譜の読み方を1つ覚える
- 始めの1小節のメロディだけ弾けるように練習する
- ペダルを踏んで音を出してみる
何でもいいのです。ピアノと遊ぶ、ピアノを知る、鍵盤をこんな風に叩いたらこんな音が出たなど、ピアノというものをいろいろ触ってみて、何が起きるのか、どうすればどんな音が出ているのかなどを知るところから始めましょう。
最初から何か旋律を弾こうと練習したり、いきなりコードを弾き始めようとすると挫折します。やっぱりできないじゃん、という結果になります。
なぜなら、高校生になるまでピアノを弾いてこなかったので、ピアノのことを何も知らないからです。ピアノの音がでる仕組みも、楽譜と鍵盤の関係も、音符のこともペダルのことも演奏するということも。
知らないからできないと思う、知らないから難しいと思うのです。
みなさんも、学校に入っていきなり因数分解から勉強しませんでしたよね?数字を知り、何度も書く練習から始め、1+1=2から始めましたよね?
ピアノも同じなんです。ピアノを始めるからっていきなり因数分解レベルの問題を出されても、わからないからできないってなるのは当然なんです。
だからスモールステップで、1つずつ1年生からクリアしていけば良いのです。独学の場合はピアノを知るところから、初心者がやれることは大抵どの教本にも載っていますし、YouYube動画などでも初心者用のレッスンがたくさんあります。
そうやって、1つずつできるようになるための目標を決めましょう。
練習時間を決める
大体の練習時間を決めておきましょう。
学校に行く前の5分、帰ってきてからの10分など、少しずつの時間を積み重ねていくことで、一週間での練習時間を生み出すことができます。
練習時間は、1度決めたら毎日同じ時間で練習してみてください。
3日やってみてうまくいかなかったら、別の時間で試しましょう。一番楽しく練習できる時間を探してみます。
勉強や部活など、他にもやることがたくさんある高校生ですから、効率よくピアノが弾ける神経に働きかけるためにも、習慣にしてしまうことをおすすめします。
習慣にすると脳が生活に必要なんだな、と思い込み、記憶の定着や神経のつながりを毎日使う用にセットしますので、とにかく毎日が原則。
- 電源を付けて1音弾いて消す
- 教本を開いて1行読んで閉じる
- 通学の中で課題曲を聴く
- 休み時間にエアで指の練習をする
ピアノの前に座らなくても、できることはたくさんあります。いかにピアノを弾くということに意識を持っていくか、が大切です。
そして、やらなければいけないのではなく、やりたいから練習しているという意識を持ちましょう。さて、どこで練習時間を作りだしますか?
【最重要課題】実行に移す
決めることを決めたら、実際に行動に移します。
- 教室に入会する
- 楽器を購入しにいく
- 教本を買いに行く
- 動画を準備しておく
- 音楽ノートを買っておく
- 課題曲の音源を用意しておく
- ピアノのゲームアプリなどで事前に楽しんでみる
決めたことを順番に行動に移してみましょう。そして、あとは練習するのみです。
目標を意識して練習すれば、1曲くらいは弾けるようになります。理想を高く持ち過ぎなければ1曲は弾けるようになります。
やっぱりできなかった、ではなく、できるやり方を模索する方向に進んでみてください。自転車のように一定のレベルになるまでは難しく感じることも、そのレベルまでいけば先に進める事も、あきらめずに取り組んでこそのものです。
やれるだけやってみて、それからできたかできないかの判断をしても遅くないと思います。
振り返り|高校生からピアノを始められる!まずは新しいことにチャレンジするという体験をすること
大人になればなるほど、新しいことへのチャレンジをしにくくなります。それまでの経験上、うまくいくかいかないかの判断をしてしまうからです。
過去にうまくいかなかったことは、うまく行く方向へ考えられなかったかもしれないだけで、今ならうまくいくかもしれない。
そんな風に考え方を切り替えられたら、高校生だろうと大人だろうと新しいことにチャレンジできると思います。もちろん、ピアノだって始められるし、できるんです。
うまくいかなかったらどうしよう、という不安があるかもしれませんが、まだ何もやっていませんからね。「うまくいかないかもしれない」は現時点ではだたの妄想です。うまくいかなかった時にまた考えましょう。
まずは高校生からピアノを始める、という行動を起こしてみる。
早速、ピアノを始める目的や目標、弾きたいジャンルを決めて、無料体験レッスンができるピアノ教室を探し、独学ができる動画を探してみましょうね。
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